転職支援 2026.07.29

【転職支援の現場から】事務長の転職で最も重視されたこと|年収ではなく「誰のもとで働くか」

【転職支援の現場から】事務長の転職で最も重視されたこと|年収ではなく「誰のもとで働くか」

※当コラムは、D&Mキャリアのキャリアコンサルタントが実際の転職支援で経験したエピソードをもとに執筆しています。なお、個人が特定されないよう、事実関係については一部内容を変更しています。

「年収は、希望する下限額を下回っていなければ問題ありません。それよりも、どのような経営者のもとで働けるのかを知りたいのです」

医療機関の事務長という経営層に近いポジションでは、転職の判断基準が一般的な転職とは異なることがあります。
年収や待遇といった条件面よりも、経営者との関係性や組織の方向性を重視して転職先を選ぶ方が少なくありません。

先日、D&Mキャリアが支援したA様もまさにそうしたケースでした。
本コラムではA様の事例をもとに、事務長の転職において何が重視されるのか、そしてどのような視点で転職先を選ぶべきなのかについてお伝えします。

A様が転職を考えた背景

A様がどのような状況で転職を意識されたのか、ご紹介します。

A様の経歴と現職での状況

A様は40代後半の方で、ある医療法人の事務局長として勤務されていました。
事務長業務も兼務されており、人事・総務・経理といった管理部門を幅広く統括しながら、経営層と連携して組織運営に携わってきた豊富な経験をお持ちでした。

現職での業務そのものに強い不満があるわけではなかったものの、経営層の組織運営に対する考え方に、徐々に違和感を覚えるようになっていたとのことです。

転職を意識したきっかけ

A様が転職を意識し始めたのは、経営方針に対する提言が受け入れられない状況が続いたことがきっかけでした。

自分が目指す組織運営と経営層の方向性との間に、距離を感じるようになっていったのです。
事務長というポジションは経営層に近いため、こうした距離が日々の業務に直接影響します。
経営者との価値観が合わないまま仕事を続けることへの負担が、少しずつ大きくなっていたとおっしゃっていました。

「このまま今の環境に残って、あと10年、15年を過ごすのか」

A様は今後を見据えた時に、残りのキャリアをどのような環境で過ごすのかを真剣に考えるようになったとのことでした。
ただし、A様もすぐに転職を決断したわけではありません。
まずは現職の中でできることを模索されたものの、状況が変わる見通しが立たなかったことから、最終的に転職を意識するようになったとのことです。

面談を通じて整理したA様の優先順位

私たちはA様とじっくりと面談を行い、転職先に求める条件を一つ一つ整理していきました。

年収ではなく「経営者との関係性」を重視していた

年収ではなく「経営者との関係性」を重視していた

面談の中でA様が繰り返しおっしゃっていたのは、「次の職場では、どのような経営者のもとで働けるのかが最も大切だ」ということでした。

年収については「希望する下限額を下回っていなければ問題ない」というお考えで、それよりも経営者の方針や価値観、自分に与えられる裁量の範囲を重視されていました。

事務長という経営層に近いポジションでは、経営者との関係性が日々の業務に直結します。
A様が前職で感じていた課題もまさにこの点にあり、次の転職先ではこの部分を妥協したくないという強い意志をお持ちでした。
「経営者と同じ方向を向いて仕事ができるかどうかで、事務長としてのやりがいも成果も変わってくる」というA様の言葉が印象的でした。

入職前に確認するべきことを明確にする

A様の希望を伺った上で、私たちからこうお伝えしました。

「経営者との相性は、求人票の情報だけでは判断できません。入職前にA様が知りたい情報を直接確認できる場を設けることが、今回の転職では特に重要になります」

事務長のポジションは、一般的な求人のように書類選考と面接だけで判断できる部分が限られています。
経営者の考え方や組織の方向性といった、条件面には表れない要素をどのように入職前に把握するのかが、事務長の転職においては鍵になります。

そこで私たちは、A様が求める情報を入職前にしっかりと確認できる環境を整えることに注力しました。

求人の背景と選考の経過

A様の転職支援を進める中で、ある医療機関からの求人をご紹介しました。

「後継者を外部から探したい」という依頼

この求人は、現職の事務長から「自分の後継者を外部から探したい」というご依頼をいただいたものです。
その方は年齢的に5年後には事務長を退く予定であり、内部から次期事務長を育てたいと考えていたものの、組織内に適任者がいなかったため、外部からの採用を選択されたという背景がありました。

入職前に必要な情報を確認できた

今回のケースでは依頼者が現職の事務長であったため、A様に対して組織の運営体制や経営者の方針について現場の視点から率直にお話しいただくことができました。
私たちの方でも事前に、A様が知りたい情報を現職の事務長から共有していただけるように調整を行いました。

具体的には経営者がどのような方針で組織を運営されているのか、事務長にどの程度の裁量が与えられているのか、現職の事務長がこれまでの業務の中でどのような課題に直面してきたのかといった点について、A様が直接確認できる場を設けました。

A様にとっては「経営者がどのような考え方を持っているのか」「どのような裁量を持って働けるのか」を入職前に把握できたことが、判断材料として非常に大きかったとのことです。

「誰のもとで働くか」を確認できた結果

「誰のもとで働くか」を確認できた結果

選考の結果、A様は次期事務長候補として入職が決まりました。

年収は前職から大幅に上がったわけではありませんでしたが、A様が設定されていた下限のラインはクリアしていました。
それ以上にA様が納得されていたのは、「この経営者のもとでなら、自分の経験を活かして裁量を持って働ける」という確信を入職前に持てたことでした。

「経営者の方針や裁量の範囲を入職前に確認できたことで、納得した上で判断することができました。面談の中で自分の優先順位を整理していなければ、何をどう確認すれば良いのかも分からなかったかもしれません」

その言葉の中に、事務長の転職における判断基準の本質が表れているように感じます。

事務長の転職は「何を重視するか」の整理から始まる

事務長の転職では、年収や待遇といった条件面だけでは判断しきれない部分が多くあります。
経営者との関係性、裁量の範囲、組織の方向性などの要素が、入職後の満足度や長期的な定着に大きく影響するポジションだからこそ、「自分は何を重視して転職先を選ぶのか」を事前に整理しておくことが大切です。

条件面の比較だけではなく、入職前に必要な情報をどれだけ確認できるかが、事務長の転職における成功の鍵になるのではないでしょうか。

事務長の転職やキャリアでお悩みの方へ

事務長の転職では、条件面だけではなく経営者との相性や組織の方向性といった求人票には表れにくい情報を、どのように確認するのかが課題になることがあります。
「自分が何を重視しているのか」を整理した上で、それを入職前に確認できる環境を整えることが、納得のいく転職につながる第一歩です。

事務長の転職やキャリアについてお悩みの方は、お一人で悩まずにD&Mキャリアへご相談ください。
医療業界に精通した担当者が、ご経験やご希望を踏まえた上でお話を伺います。

会員登録がまだの方へ

  1. 転職エージェントからのスカウトが届く
  2. 非公開求人にもエントリーできる
  3. 転職サポートを受けられる

他にもさまざまなメリットが受けられます。まずはお気軽にご登録ください。

関連記事

page top
page toppage top