【転職支援の現場から】面接が怖い三つの理由と、その不安を小さくする方法
※当コラムは、D&Mキャリアのキャリアコンサルタントが実際の転職支援で経験したエピソードをもとに執筆しています。なお、個人が特定されないよう、事実関係については一部内容を変更しています。
「面接はとにかく苦手で、本番になると頭が真っ白になってしまうのです」
面接に対して苦手意識を持っている方は少なくありません。
緊張して言葉が出てこない、何を聞かれるのか分からなくて不安になる。
こうした悩みは転職活動をしている方であれば、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
先日、私たちD&Mキャリアにご相談いただいたA様も面接に対して強い苦手意識を抱えていました。
苦手意識が強いあまり、面接の準備はかえって逆効果だと考えて、ほとんど準備をしないまま本番に臨んでいたのです。
本コラムではA様の事例を通じて、面接の不安を小さくするための準備の進め方についてお伝えします。
A様が抱えていた課題
まずは、A様がどのような状況で私たちのもとに相談に来られたのかをご紹介します。
A様のプロフィール
A様は30代前半の介護職の方でした。
現職の施設で3年以上の経験を積んでおり、介護福祉士の資格も取得されていました。
職場環境の変化をきっかけに転職を考え始め、いくつかの求人にエントリーしていた段階でD&Mキャリアへご相談いただきました。
A様はすでに他社の転職エージェントを通じて数社の面接を受けていましたが、いずれも一次面接で不採用となっていました。
「当たって砕けろ」で臨んでいた面接
A様にこれまでの面接についてお聞きしたところ、面接に向けた準備はほとんど行っていなかったことが分かりました。
「面接は結局その場の雰囲気で決まるものだと思っていました。準備しても意味がないと言いますか…考えすぎると余計に緊張してしまうので」
A様はそうおっしゃっていました。
面接に対して、言うならば「当たって砕けろ」という姿勢で臨んでいたのです。
これはA様に限った話ではなく、面接の準備をあまり行わずに本番に臨む方は実際に少なくありません。
準備をしすぎると自然体で話せなくなるのではないか、準備した内容と違うことを聞かれたら対応できなくなるのではないか。
こうした考えから、あえて準備をしないという選択をしている方もいらっしゃいます。
「面接が怖い」と感じる三つの理由
私たちはA様とじっくりと面談を行い、まず面接に対する不安の正体を一緒に整理していきました。
面接の不安を分解する

面接が怖いと感じる理由を突き詰めていくと、大きく次の三つに分けられます。
一つ目は、面接官がどのような人なのか分からないということ。
二つ目は、何を聞かれるのか分からないということ。
三つ目は、どのように答えれば良いのか分からないということ。
こうした「分からない」が重なることで、面接という場が得体の知れないものに感じられて不安や緊張が大きくなっていきます。
特に転職活動では応募先の企業ごとに面接官が異なるため、毎回初めての相手と向き合うことになります。
A様の場合もこの三つの「分からない」が整理されないまま面接に臨んでいたことが、苦手意識の根底にありました。
視点を変えてみる
そこで私たちは、A様に視点を変えることを提案しました。
面接官がどのような人なのかは、事前には分かりません。
しかし面接官は基本的に求職者に関心を持っており、その人のことを知りたいという姿勢で面接に臨んでいます。
そして面接では、応募先についての質問もありますが、多くは自分自身の経験、転職の理由、今後のキャリアに対する考えに関するものです。
いずれも自分のことである以上、事前に整理しておくことは十分に可能です。
「面接で聞かれるのは自分のことなのだから、準備はできるはずですよ」
A様にそうお伝えした時に、少し表情が変わったのが印象に残っています。
面接対策で何が変わったのか
A様には面接の前に、約1時間の模擬面接を実施しました。
模擬面接で見えてきたこと
模擬面接では、実際の面接で想定される質問を一つずつ確認していきました。
「なぜ転職を考えているのですか」「前職ではどのような業務を担当していましたか」「この施設を志望する理由は何ですか」といった基本的な質問に対して、A様に答えていただきながら伝え方を一緒に調整していきました。
この過程でA様自身も気づかれたのは、自分の考えが整理できていないまま面接に臨んでいたという点です。
頭の中では分かっているつもりでも、いざ言葉にしようとすると曖昧な部分が多かったのです。
「転職したい理由は何ですか」という問いに対しても、感覚としては分かっていても面接官に伝わるように言葉にできていない状態でした。
模擬面接を通じて、そうした曖昧な部分を一つずつ言語化していく作業が、面接に対する不安を小さくしていきました。
「聞かれたことに答える」から「伝えたいことを届ける」へ

模擬面接を経てA様の意識に生まれた変化は、面接を「聞かれたことに答える場」ではなく「自分のことを伝える場」として捉え直せるようになったことでした。
質問に対して正しい答えを探そうとするのではなく、自分の経験や考えを自分の言葉で伝えれば良いのだと理解したことで、面接への向き合い方が変わっていったのです。
「準備しても意味がないと思っていましたが、自分の考えを整理するだけでこんなに気持ちが楽になるとは思いませんでした」
A様はそうおっしゃっていました。
面接後の振り返りが次につながる
A様はその後の面接に向けて、もう一つの準備を取り入れるようになりました。
それは面接後の振り返りです。
面接が終わった後に「あの質問にはもう少しこう答えれば良かったかもしれない」「あの場面では自分の経験をもっと具体的に話せたはずだ」と振り返ることで、次の面接で改善できるポイントが見えてきます。
面接官がなぜあの質問をしたのか、その意図を想像してみることも振り返りの一つです。
A様も面接のたびに振り返りを行い、一つずつ伝え方を改善していきました。
その結果、模擬面接の実施から約1か月後にA様は希望していた施設から内定を獲得されました。
「以前は面接の前日になると憂鬱でしたが、準備をしてからは自分の言葉で話せるようになったことで気持ちに余裕が生まれました」
A様のこの言葉は、面接の準備が単なるテクニックの習得ではなく心理的な安定にもつながることを示していると感じます。
面接は準備で変わる
面接に対する苦手意識を持っている方の中には、A様のように「準備しても意味がない」「考えすぎるとかえって緊張する」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし面接で聞かれるのは、自分自身のことです。
自分の経験や考えを事前に整理しておくことは、面接のテクニックを磨くこととは異なります。
自分のことを言葉にできる状態を作っておくという、基本的な準備が面接のパフォーマンスを大きく変えることがあるのです。
面接に対する不安は、準備によって和らげることができます。
その準備の第一歩は、自分の経験や考えを一度言葉にしてみることから始まります。
面接への苦手意識をお持ちの方は、D&Mキャリアへお気軽にご相談ください。
面接に向けた考え方の整理や模擬面接など、一人ひとりの状況に合わせたサポートを行っています。
会員登録がまだの方へ
- 転職エージェントからのスカウトが届く
- 非公開求人にもエントリーできる
- 転職サポートを受けられる
他にもさまざまなメリットが受けられます。まずはお気軽にご登録ください。








