【転職支援の現場から】不採用続きで転職に疲れた方へ|活動を立て直すヒント
※当コラムは、D&Mキャリアのキャリアコンサルタントが実際の転職支援で経験したエピソードをもとに執筆しています。なお、個人が特定されないよう、事実関係については一部内容を変更しています。
「エントリーしても、書類選考でほとんど落ちてしまうのです」
転職活動を進める中で不採用が続くと、心身ともに疲弊してしまうことがあります。
書類選考の段階で落とされ続けたり、面接には進めても内定に至らない状況が長く続くと、「自分にはそもそも転職は難しいのではないか」と感じ始めてしまう方も少なくありません。
先日D&Mキャリアへ相談に来られたA様も、そうした状態にありました。
本コラムではA様の事例を通じて、不採用が続いた時に何を見直せば転職活動を立て直せるのかについてお伝えします。
「エントリー数」だけが積み上がっていく求職者
A様がどのような状況で私たちのもとへ相談に来られたのかを、ご紹介します。
A様のプロフィール
A様は30代半ばの営業職の方でした。
現職では法人向けの提案営業に5年以上携わっており、営業成績も安定した成果を上げられていました。
A様が転職活動を始めたのは、弊社へご相談に来られた約2ヶ月前のことでした。
求人サイトに登録して、日々届くスカウトメールや検索で見つけた求人に次々とエントリーされていたそうです。
その数は、2ヶ月間で100件に迫るほどでした。
積み上がっていく「不採用」の通知
エントリー数が多い一方で、書類選考の通過率は非常に低い状態が続いていました。
「毎日のように不採用の連絡が届いて、朝スマートフォンを見るのが憂鬱になってきました」
A様はそうおっしゃっていました。
書類選考を通過できた数少ない企業でも一次面接で落とされて、内定はまだ一件も出ていない状態でした。
「自分の経歴では通用しないのかもしれない」と感じ始めていたところで、弊社へご相談に来られたのです。
A様のようにエントリー数だけが積み上がって不採用の通知ばかりが届く状態は、想像以上に精神的な負担を伴います。
不採用の原因を「見える化」する
私たちはA様とじっくりと面談を行い、不採用が続いている状況を一つずつ整理していきました。
転職活動のどの段階に原因があるのか
転職活動が思うように進まない時には、必ず原因があります。
ターゲット設定の段階なのか、応募書類の内容なのか、面接での伝え方なのか。
転職活動のどの段階に原因があるのかを見極めなければ、改善の方向性は見えてきません。
A様の場合、書類選考の通過率が極端に低いことから、応募書類とエントリーの仕方に課題があるのではないかと考えられました。
そこで応募先の一覧と、実際に提出している職務経歴書を一緒に確認していきました。
すると見えてきたのは業種も職種も年収帯もかなり幅広い企業に対して、同じ職務経歴書を使い回してエントリーしているという状況でした。
特にスカウトメールで届いた案件については、内容をあまり吟味せずに次々と応募している傾向がありました。
「エントリー数」と「本気度」は比例しない

「応募数を増やせば内定の確率も上がる」と考える方は少なくありません。
しかし応募先の絞り込みができていない状態でエントリー数だけを増やしていくと、一件一件の準備が浅くなり書類選考の通過率が下がっていきます。
A様の場合も応募先の企業研究や自分の経験との接点の整理が追いつかないまま、次から次へとエントリーを重ねている状況でした。
結果として書類の質が均一に低い状態になり、通過率も上がらないという悪循環に陥っていたのです。
「努力の量」ではなく、「努力の方向性」を見直すことが必要な段階に来ていたのです。
視点を変えて活動を立て直す
A様には、視点を変えて活動を組み立て直すことを提案しました。
転職で実現したいことの優先順位
まずA様に、「今回の転職で実現したいことを三つ挙げてみてください」とお伝えしました。
挙げていただいた三つの要素の中で何が最も優先度が高く、何が妥協できて、何が譲れないのか。
その優先順位が整理できると、応募すべき企業の輪郭が見えてきます。
A様の場合、「これまでの提案営業の経験を活かせること」「チームで成果を追う体制であること」「通勤圏内であること」の三つが特に大切だと分かりました。
挙げていただいた時点では並列に見えた三つの要素も、優先順位を付けて話していくうちにA様の中で軸が明確になっていきました。
この三つを軸に応募先を見直すと、これまでエントリーしていた200社以上のうち実際にA様が力を発揮できそうな企業は大幅に絞り込まれました。
応募書類を「その企業向け」に組み直す
応募先が絞られたことで、一件ごとに応募書類の内容を組み直す時間が生まれます。
A様の場合、これまで使い回していた職務経歴書を、応募先の求める人材像に合わせて実績の見せ方や強調するポイントを調整するようにアドバイスしました。
同じ提案営業の経験であっても、応募先の業界や商材によって「活かせる強み」の見え方は変わります。
例えば同じ「新規顧客を開拓した実績」であっても、飛び込み営業の要素が強い企業と、既存顧客のネットワーク経由での紹介営業を重視する企業とでは、書類上で強調すべきエピソードが異なります。
その企業に向けた書類として整えることで、書類選考の通過率は目に見えて改善していきました。
応募先を絞り込んで掴んだ内定

A様は活動を立て直してから約1ヶ月半後に、希望していた企業から内定を獲得されました。
エントリー数は以前の半分以下に減りましたが、書類選考の通過率は大きく上がり、面接でも「なぜこの会社を選んだのか」を自分の言葉で語れるようになったことで面接官からの評価も変わっていったのです。
A様が変わったのは、応募数を減らして応募書類の質を上げたことだけではありません。
不採用に対する受け止め方も、変化していきました。
以前は不採用のたびに自分の経歴を否定されているように感じていましたが、応募先を絞り込んでからは「今回の企業とは合わなかった」と冷静に振り返れるようになったそうです。
「たくさん応募することが転職活動だと思っていましたが、応募数を減らして一件ずつ丁寧に向き合う方が結果的に早く決まるとは思いませんでした」
A様がおっしゃったこの一言は、不採用に悩む多くの方に共通する気づきなのではないでしょうか。
「絞り込み」と「振り返り」が活動を前に進める
不採用が続いた時にまず必要なのは、応募数を増やすことでも自分を責めることでもありません。
どの段階で選考が進まなくなっているのかを整理して、その原因に一つずつ対応していくことです。
「たくさん応募すれば、いずれ内定に繋がる」という考え方でエントリー数だけを重ねていくと、一件ごとの準備が浅くなって書類選考の通過率が下がって転職活動全体が空回りしてしまいます。
そうした状態から抜け出すためには、応募先を絞り込んで一件一件の企業に対して丁寧に向き合う進め方へ切り替えることが有効です。
応募数を減らすことで一件あたりに掛けられる時間が増えて、結果として書類選考の通過率や面接での評価が上がっていくというケースは多く見られます。
急がば回れの精神で、まずは活動全体を俯瞰することから始めてみてはいかがでしょうか。
不採用が続いて転職活動の立て直し方に悩まれている方は、D&Mキャリアへお気軽にご相談ください。
これまでの活動状況を一緒に整理しながら、次の一歩を見つけるお手伝いをいたします。
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