外国人材採用 2026.05.08

【2027年始動】育成就労制度とは|技能実習・特定技能との違い

【2027年始動】育成就労制度とは|技能実習・特定技能との違い

2027年度から、新たに「育成就労制度」がスタートする予定です。
これは現行の技能実習制度に代わるものとして位置づけられており、外国人材の受け入れを検討している企業にとって重要な制度の転換点となります。

本コラムでは育成就労制度の概要を整理した上で、技能実習・特定技能・EPA・留学生といった既存の在留資格との違いを解説します。

外国人材が働くための主な在留資格

まずは、外国人材が日本で働くための主な在留資格について整理しておきましょう。

技能実習

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした制度です。
日本で習得した技術や知識を母国に持ち帰り、その国の発展に貢献することが本来の趣旨とされています。

在留期間は最長5年で、受け入れには監理団体を通す必要があります。
制度の性質上、技能を習得する「実習生」という位置づけであり、労働者としての側面よりも研修的な意味合いが強いのが特徴です。

なお技能実習制度は2027年度に開始予定の育成就労制度への移行に伴い、廃止される予定です。

特定技能

特定技能制度は、人手不足が深刻な分野で即戦力として働く外国人材を受け入れるための制度です。
2019年に創設され、現在は介護、外食、建設などの16分野が対象となっています。

2026年1月の閣議決定により「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野が追加されることが決まり、対象は全19分野に拡大する予定です。
ただし新3分野については技能評価試験の整備等が必要なため、実際の採用開始は2027年頃になる見込みです。

特定技能1号の在留期間は最長5年で、一定の技能と日本語能力が求められます。
技能実習とは異なり、転職が認められている点が大きな特徴です。

EPA(経済連携協定)

EPAは、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との経済連携協定に基づく受け入れ制度です。
介護福祉士や看護師の国家資格取得を目指す外国人材が対象となります。

受け入れ人数や対象国が限定されているため、すべての企業が活用できる制度ではありません。
ただし、資格取得を前提とした長期的な人材育成を目指す施設にとっては有効な選択肢となります。

留学生

留学生

留学生ビザで日本に滞在している外国人材は、資格外活動許可を得ることでアルバイトとして働くことができます。
週28時間以内という制限がありますが、人手不足の現場では重要な役割を担っています。

卒業後、特定技能などの在留資格に切り替えて就労を続けるケースも増えています。

育成就労制度の概要

それでは、2027年度から始まる育成就労制度について確認していきましょう。

制度創設の背景

育成就労制度は、技能実習制度が抱えていた課題を解消するために創設されました。

技能実習制度は「技能移転による国際貢献」を目的としていましたが、実態としては人手不足を補う労働力として活用されてきた側面があります。
この目的と実態の乖離が、制度の矛盾として指摘されてきました。

育成就労制度は外国人材を「育成」しながら「就労」してもらうという、より実態に即した形に制度を整理するものと言えます。

技能実習との主な違い

育成就労制度と技能実習制度の主な違いは、制度の目的と転職の可否にあります。

技能実習は技能移転を目的としていたため、原則として転職は認められていませんでした。
一方、育成就労制度では一定の条件のもとで転職が可能となる見込みです。

また、育成就労制度は特定技能への移行を前提とした制度設計となっています。
技能実習では必ずしも特定技能への移行が前提ではありませんでしたが、育成就労では特定技能へのステップアップを見据えた育成が求められることになります。

特定技能との関係

育成就労制度は、特定技能制度と密接に関連しています。
育成就労で一定期間働いた後、特定技能へ移行するという流れが基本となります。

介護分野を例にとると、育成就労として入国して一定の経験を積んだ後に特定技能1号へ移行して、さらに介護福祉士の資格取得を目指すという流れが想定されています。

将来的には現行の技能実習制度が育成就労制度に置き換わり、「育成就労→特定技能」という流れに一本化されることで、より分かりやすい制度体系になっていく可能性もあります。

各制度の特徴を比較する

外国人材の受け入れを検討する際には、各制度の特徴を理解した上で自社の目的に合った制度を選ぶことが大切です。

受け入れ目的による違い

技能実習は技能移転、特定技能は即戦力の確保、EPAは国家資格取得を目指す人材の育成とそれぞれ制度の目的が異なります。
育成就労は育成しながら就労してもらい、特定技能へ移行させることを目的としています。

自社が外国人材に何を期待するのかによって、適した制度は変わってきます。
長期的に働いてもらいたいのか、即戦力として活躍してほしいのか、資格取得を支援しながら育てていきたいのか。

こうした目的を明確にすることが、制度選択の第一歩となります。

転職の可否による違い

技能実習では原則として転職が認められていませんでしたが、特定技能では同一分野内での転職が可能です。

育成就労でも、一定の条件のもとで転職が認められる見込みです。

転職が可能な制度では、人材が他の企業に移ってしまうリスクがあります。
一方で転職できる環境があるからこそ、優秀な人材に選ばれやすいという側面もあります。

受け入れ体制による違い

技能実習では監理団体を通じた受け入れが必要ですが、特定技能では登録支援機関に支援を委託するか、自社で支援体制を整えるかを選択できます。
育成就労についても、監理支援機関を通じた受け入れが想定されています。

どの制度を選ぶのかによって、関わる機関や手続きの流れが異なります。
制度ごとの受け入れ体制を事前に把握しておくことが必要です。

受け入れ企業が準備すべきこと

受け入れ企業が準備すべきこと

育成就労制度の開始に向けて、受け入れを検討している企業は今から何を準備しておくべきでしょうか。

各制度の違いを正しく理解する

まず大切なのは、各制度の違いを正しく理解することです。

技能実習と特定技能の違いを明確に説明できる受け入れ企業は、多くないように思われます。
監理団体は技能実習の優位性を説明して、登録支援機関は特定技能の優位性を説明するというセールス構造があるためフラットな情報を得にくい面もあります。

各制度のメリット・デメリットを理解した上で、自社の目的に合った制度を選ぶことが重要です。

人材の継続性を考慮した計画を立てる

育成就労から特定技能への移行が前提となる中、人材が必ずしも同じ職場で継続するとは限らない点に注意が必要です。

技能実習で別の職種に従事していた人が、特定技能では介護を選ぶというケースもあります。
反対に育成就労で受け入れた人材が、特定技能への移行時に別の企業を選ぶ可能性もあります。

人材に継続して働いてもらいたい場合は、研修や資格取得支援などのインセンティブを用意することが有効です。
人選の段階から、長期的な視点で計画を立てておくことが求められます。

情報収集を継続する

育成就労制度は2027年度の開始に向けて、詳細な運用方法が順次決まっていく段階にあります。
制度の内容や手続きの流れは、今後変更される可能性もあるため、最新の情報を継続的に収集しておくことが大切です。

不明な点があれば、専門家や関係機関に早めに相談しておくことをおすすめします。

制度の違いを理解した上での選択を

外国人材の受け入れに関する制度は、現時点では技能実習・特定技能・EPA・留学生など複数の選択肢があります。
2027年度からは育成就労制度も加わり、選択肢はさらに広がることになります。

どの制度が優れているかという話ではなく、自社の目的や状況に合った制度を選ぶことが大切です。
長期的に働いてもらいたいのか、即戦力を求めているのか、資格取得を支援しながら育成したいのか。
こうした目的を明確にした上で、制度を選択することをおすすめします。

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