外国人材に長く働いてもらうために|定着につながる受け入れの考え方
外国人材の受け入れを検討する際に、「数年で帰国してしまうのではないか」「出稼ぎ目的だから長くは働いてくれないだろう」と考える人もいるのではないでしょうか。
こうしたイメージから、外国人材の採用に踏み切れないという声を聞くこともあります。
しかし実際には、長期的に日本で働きたいと希望する外国人材は少なくありません。
本コラムでは「出稼ぎ」というイメージと実態のギャップについて整理した上で、長期定着を見据えた受け入れの考え方を解説します。
「出稼ぎ」というイメージの背景
まずは、外国人材に対する「出稼ぎ」というイメージがどこから来ているのかを整理しておきましょう。
技能実習制度のイメージ
外国人材の受け入れと聞くと、技能実習制度を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
技能実習制度は、日本で技術や知識を習得して母国に持ち帰ることを目的とした制度です。
この制度設計から、「外国人材は数年で帰国するもの」というイメージが広まった側面があります。
確かに技能実習は最長5年という期限があり、制度上は帰国を前提としています。
実態は変化している
しかし現在は、特定技能制度をはじめとして長期就労が可能な在留資格が整備されてきています。
技能実習を修了した後に特定技能へ移行して、日本で働き続けるケースも増えています。
また介護分野では、国家資格である介護福祉士を取得することで、在留資格「介護」を得ることができます。
この資格を取得すれば在留期間の更新に上限がなくなり、長期的に日本で働き続けることが可能になります。
制度の変化に伴い、外国人材の就労スタイルも変わってきているのです。
長期就労を希望する外国人材の実態
では、実際に外国人材はどのような希望を持っているのでしょうか。
「日本で長く働きたい」という声
介護分野で働く外国人材の中には、「日本で長期的に働きたい」と希望する人が多くいます。
短期間で稼いで帰国するという考えよりも、日本でキャリアを築いていきたいという意向を持つ人が増えている印象があります。
もちろん人それぞれですが、「出稼ぎ目的で来日した外国人材は一時的にしか働かない」というイメージが、すべての外国人材に当てはまるわけではありません。
介護福祉士の資格取得を目指す人
介護分野では、介護福祉士の資格取得を目標に掲げて働いている外国人材も少なくありません。
介護福祉士の資格を取得するためには、実務経験3年以上に加えて、実務者研修の修了、そして国家試験への合格が必要です。
この資格を取得するには、相応の時間と努力を要します。
それでも取得を目指して努力しているということは、日本で長くキャリアを築いていきたいと考えている表れと言えるでしょう。
資格を取得すれば在留期間の制限がなくなるため、安定した立場で働き続けることができます。
こうした将来を見据えて努力を続けている人は、決して少なくありません。
家族を呼び寄せて定住を希望する人

中には、家族を日本に呼び寄せて定住することを希望する人もいます。
特定技能1号では家族の帯同は認められていませんが、介護福祉士の資格を取得して在留資格を「介護」に変更すれば家族を呼び寄せることが可能になります。
こうした将来像を描きながら働いている人にとって、日本は「一時的な出稼ぎ先」ではなく「生活の拠点」として考えられています。
受け入れ側がこうした外国人材の希望を理解しているかどうかは、定着に大きな影響を与えます。
長期定着のために受け入れ側ができること
外国人材に長く働いてもらうためには、受け入れ側の姿勢や環境整備も重要になります。
どのような取り組みが定着につながるのかを見ていきましょう。
資格取得の支援
介護福祉士の資格取得を目指す外国人材にとって、施設からのサポートは大きな後押しになります。
具体的には介護福祉士実務者研修の受講費用の補助、国家試験対策の勉強会の開催、試験前の勤務シフトの配慮などが考えられます。
こうした支援があることで、外国人材にとってその施設は「自分の成長を応援してくれる職場」と感じられて、長く働きたいという気持ちにつながります。
資格取得の支援は外国人材の定着だけではなく、施設にとっても有資格者を確保できるというメリットがあります。
福利厚生の整備

福利厚生の充実も、定着に影響を与える要素の一つです。
住居のサポート、食事の提供、通勤手段の確保など、生活面での支援は外国人材にとって大きな安心材料となります。
特に来日したばかりの頃は生活基盤を整えることに不安を感じる人も多いため、こうした面でのサポートが働きやすさにつながります。
福利厚生は日本人スタッフにとっても重要な要素ですが、外国人材にとってはさらに大きな意味を持つことがあります。
キャリアパスの明示
将来のキャリアパスを明示することも、長期定着を促す上で有効です。
「何年後にどのようなポジションを目指せるのか」「どのようなスキルを身に付ければ昇給につながるのか」といった道筋が見えていると、働くモチベーションにつながります。
反対に将来像が見えないまま働き続けることは、転職を考えるきっかけになりかねません。
外国人材に対しても日本人スタッフと同様にキャリアについての面談を行い、目標を共有しておくことが大切です。
助成金の活用
外国人材の受け入れや育成に関しては、活用できる助成金制度もあります。
例えば人材開発支援助成金は、従業員の職業訓練にかかる費用の一部を助成する制度です。
外国人材に対する日本語教育や、介護技術の研修なども対象となる場合があります。
助成金の内容や要件は変更されることがあるため、最新の情報を確認した上で活用を検討されることをおすすめします。
こうした制度を活用することで、受け入れ側の負担を軽減しながら外国人材の育成を進めることができます。
「選ばれる施設」になるために
外国人材の受け入れにおいて、施設側も「選ばれる立場」にあることを意識しておく必要があります。
外国人材も職場を選んでいる
外国人材は、日本で働く先を選ぶ際に様々な条件を比較しています。
給与や立地はもちろんのこと、職場の雰囲気や受け入れ体制なども判断材料になります。
「募集すれば来てくれるだろう」という姿勢ではなく、「この施設で働きたい」と思ってもらえるような環境を整えることが大切です。
定着率の高い施設の特徴
外国人材の定着率が高い施設には、いくつかの共通点があります。
外国人材を「一時的な労働力」ではなく「長期的に一緒に働く仲間」として捉えていること、資格の取得や成長を支援する姿勢があること、困った時に相談できる体制が整っていることなどが挙げられます。
こうした姿勢は外国人材にも伝わるものです。
受け入れ側が長期的な視点で関わろうとしているかどうかは、定着に大きく影響します。
長期的な視点での受け入れを
「出稼ぎだから長く働いてくれない」というイメージは、必ずしも現実を反映していません。
長期的に日本で働きたい、キャリアを築きたいと考えている外国人材は多くいます。
大切なのは、受け入れ側も長期的な視点を持って外国人材と向き合うことです。
資格取得の支援、福利厚生の整備、キャリアパスの明示など、定着につながる取り組みを進めることで「選ばれる施設」になることができます。
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