外国人材採用 2026.06.09

日本は「選ばれる国」でいられるのか|外国人材から選ばれる施設になるために

日本は「選ばれる国」でいられるのか|外国人材から選ばれる施設になるために

「日本で働ける」ということ自体が、外国人材にとって大きな魅力だった時代があります。
しかし近年は母国の賃金水準が上がり、日本以外の国を選ぶ人も増えてきました。

外国人材の採用を検討する施設にとって、こうした変化は無視できないものです。
日本が就労先として以前ほど選ばれにくくなっている中で、施設側にはどのような工夫が求められるのでしょうか。

本コラムでは就労先としての日本の現在地を整理した上で、外国人材から「選ばれる施設」になるための具体的なアクションについて解説します。

就労先としての日本の現在地

まずは外国人材から見た日本の位置づけが、どのように変化しているのかを整理します。

日本が「選ばれにくく」なっている背景

その背景にあるのは、アジア各国の経済成長です。
母国での賃金水準が上がったことで日本との賃金格差が縮まり、日本で働くことの経済的なメリットが以前ほど大きくなくなっています。

また韓国やオーストラリアなど、日本以外の国を就労先として選択する外国人材も増えています。
複数の国を比較した上で「日本よりも他国の方が条件が良い」と判断されるケースが出てきており、日本が就労先として選ばれにくくなっていることがうかがえます。

こうした変化は国単位の話ではありますが、個々の施設にとっても無関係ではありません。
外国人材を採用したいと考えていても、以前と同じ感覚で待っているだけでは人材が集まりにくくなっていることを認識しておく必要があります。

それでも日本が選ばれる理由

一方で、それでも日本を選ぶ外国人材は一定数います。
その理由として多く挙げられるのが、「安全性」と「衛生面」です。

他国と比べて治安が良く、生活環境が清潔であることは日本の強みです。
給与面では他国に見劣りする場合でも、安心して生活できる環境を重視して日本を選ぶ人もいます。

しかしこの強みだけで人材を十分に確保できるかと言えば、現状ではそう簡単ではありません。
安全性や衛生面は日本全体の特徴であり、個々の施設の魅力として差別化につなげるのは難しい部分があるためです。

施設間でも「選ばれる・選ばれない」の差が生じている

日本が就労先として選ばれにくくなっている一方で、国内の施設間でも人材の集まりやすさに差が生じています。

立地と給与が大きな要素

立地と給与が大きな要素

外国人材が就職先を選ぶ際に重視するのは、日本人の求職者と同様に立地と給与です。

都市部へのアクセスが良い施設は選ばれやすい傾向にあります。
外国人材は若い人が多く、休日に友人と遊びに行きやすい環境に魅力を感じることは自然なことです。
反対に都市部から離れた施設では、人材を集めることに苦労するケースも見られます。

給与についても同様で、年収が高い施設には人材が集まりやすくなります。
しかし介護施設の収益は介護報酬に基づいており、3年に一度の改定によって決まるため、自由に給与を引き上げることは難しいのが現状です。

給与を上げることの難しさ

給与を上げれば人材が集まりやすくなるのは確かですが、介護業界においてはそれが容易ではありません。

外国人材の給与を上げれば、同一労働同一賃金の原則から日本人スタッフの待遇にも影響が出ます。
人件費全体が大きく膨らむことになり、介護報酬の範囲内で運営している施設にとっては現実的ではない選択肢です。

だからこそ給与以外の部分で、外国人材に施設の魅力を伝える工夫が求められます。

給与以外でできる「選ばれる施設」への工夫

給与や立地を変えることが難しい場合でも、施設の魅力を外国人材に伝える方法はあります。

施設内動画の活用

D&Mキャリアでは施設に対して、施設内の様子を撮影した動画の活用を提案することがあります。

求人票の文字情報だけでは、職場の雰囲気や実際に働いているスタッフの様子は伝わりにくいものです。
動画を活用すれば、施設の雰囲気や働く環境を具体的にイメージしてもらうことができます。

実際に動画を活用した求人は、給与面で突出していなくても外国人材から興味を持ってもらいやすくなる傾向があります。
動画の制作に大きな費用をかける必要はなく、施設内で撮影したものを求人票に添えるだけでも効果が期待できます。

受け入れ実績と歓迎体制のアピール

受け入れ実績と歓迎体制のアピール

過去に外国人材の受け入れ実績がある施設は、その点を積極的にアピールすることをおすすめします。

すでに外国人材が働いている環境であれば、「自分もここで受け入れてもらえるだろう」という安心感につながります。
また受け入れに向けた準備が整っていること、施設として歓迎する姿勢があることを伝えることも効果的です。

こうした情報は給与のように数字で比較されるものではありませんが、外国人材が就職先を選ぶ際の判断材料として意味を持つことがあります。

求人票を見比べる中では給与や立地の条件に目が向きがちですが、安心して働ける環境かどうかという点は外国人材にとって大きな関心事です。
数字には表れにくい部分だからこそ、施設側から積極的に発信していくことに意味があります。

外国人材の採用は「環境全体」の改善につながる

外国人材の受け入れは、単に人手を補うためだけのものではありません。

人手不足の緩和がもたらす好循環

外国人材を受け入れることで人手不足が緩和されれば、現場のハードワークが軽減されます。
その結果として日本人スタッフの離職を防ぐことにもつながり、施設全体の労働環境が改善されるという好循環が期待できます。

外国人材の受け入れは、外国籍の人にも日本人スタッフにも働きやすい環境を作るための手段であり、そうした視点を持つことが長期的な人材確保につながるのではないでしょうか。

早めの準備が差を生む

外国人材の採用を検討する際は、できるだけ早い段階から準備を始めることをおすすめします。

受け入れ体制の整備には時間がかかる

初めて外国人材を受け入れる施設では、受け入れ体制の整備に一定の時間が必要です。
職員への説明、業務マニュアルの整備、生活面でのサポート体制の構築など、事前に準備しておくべきことは少なくありません。

人手不足が深刻になってから動き始めると、準備が追いつかないまま受け入れを迎えることにもなりかねません。
余裕のあるうちに体制を整えておくことで、受け入れ後の定着にもつながりやすくなります。

情報収集から始める

「何から手を付ければ良いか分からない」という段階であっても、まずは情報収集から始めることが第一歩となります。

特定技能制度の仕組みや費用の目安、受け入れに必要な手続きなど、基本的な情報を把握しておくことで検討がスムーズに進みます。

「選ばれる施設」になるための第一歩

外国人材にとって日本が「選ばれて当然」の就労先ではなくなりつつある中で、施設側にも選ばれるための努力が求められる時代になっています。

給与や立地を変えることは難しくても、施設の魅力を伝える方法はあります。
動画の活用、受け入れ実績のアピール、歓迎体制の可視化。
こうした工夫を一つ一つ積み重ねていくことが、外国人材から選ばれる施設への第一歩となるでしょう。

外国人材の採用や受け入れ体制の整備について相談したい方は、D&Mキャリアへお気軽にご相談ください。
施設の状況に合わせた訴求方法の提案から受け入れまで、丁寧にサポートいたします。

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