外国人材採用 2026.06.30

外国人材と夜勤|施設の不安と本人の希望をどう調整するか

外国人材と夜勤|施設の不安と本人の希望をどう調整するか

外国人材の受け入れを検討する中で、「夜勤を任せて大丈夫だろうか」という不安を抱えている施設は少なくありません。
夜勤は少人数体制でのオペレーションになることが多く、日本語能力や業務スキルの面で不安を感じるのは自然なことです。

一方で、外国人材の側からすると夜勤は積極的に入りたいと考えている人が多いのが実情です。
夜勤手当が収入に直結するため、夜勤回数への期待は大きく、この期待値の調整が不十分だと離職につながるリスクもあります。

本コラムでは夜勤に対する施設側と外国人材側のギャップを整理し、入職前後にどのような共有や調整を行うべきなのかについて解説します。

施設側の不安と外国人材の希望

まずは夜勤に関して、施設側と外国人材の間にどのようなギャップがあるのかを整理します。

施設側が抱える不安

外国人材に夜勤を任せることに対して、施設側が不安を感じる理由はいくつかあります。

例えば夜勤は日勤と比べてスタッフの人数が限られるため、一人一人の判断力や対応力が求められます。
日本語でのコミュニケーションに不安がある段階では、緊急時の対応を任せることに慎重になるのは当然のことです。

特に小規模の施設では夜勤中に一人で対応しなければならない場面もあり、「まだ任せるのは早いのではないか」と判断されるケースも見られます。

外国人材にとっての夜勤の意味

一方で外国人材の多くは、夜勤に対して積極的です。
それは、夜勤手当が収入に直結するからです。

夜勤手当は1回あたりの金額が明確であり、何回入ればどの程度の収入になるのかを具体的に計算できます。
外国人材にとって収入は就労の大きな動機であり、夜勤回数への関心は日本人スタッフ以上に高い傾向があります。

求人票に記載されている想定年収に「月平均何回の夜勤を含む」と記載されている場合、入職後にその回数の夜勤に入れることを前提に考えている人も少なくありません。

期待値の調整が不十分だと何が起こるのか

施設側の不安と外国人材の期待のギャップは、事前に調整しておかなければ問題に発展する可能性があります。

「聞いていた話と違う」が離職につながるリスク

「聞いていた話と違う」が離職につながるリスク

入職前に想定していた夜勤回数と、実際に入れる回数の間にギャップが生じると「聞いていた話と違う」という不満につながりやすくなります。

「他の人は夜勤に入っているのに、自分はまだ入れてもらえない」「いつになったら夜勤の回数が増えるのか分からない」といった声が上がるケースも見られます。

こうした不満が解消されないまま蓄積すると、離職につながる可能性も否定できません。

外国人材は不満をストレートに表現する傾向がある

日本人スタッフは不満を抱えていても、それを直接口にせず心の中に留めておくことが多いものです。
一方で外国人材は、納得のいかないことがあればそれを率直に言葉にして伝えようとする傾向があります。

こうした違いは文化的な背景によるものであり、どちらの姿勢が正しいというものではありません。
ただ、このような違いがあるということを、施設側が理解しておくことが大切です。

その上で外国人材から不満や疑問が伝えられた際には、なぜ現状ではその回数の夜勤に入れないのか、どのような段階を経て回数が増えていくのかを、具体的に説明する姿勢が求められます。
事前の説明に加えて、入職後も定期的にコミュニケーションを取りながら認識を擦り合わせていきましょう。

夜勤に入るまでの段階的なプロセスを共有する

期待値のギャップを防ぐために、夜勤に入るまでのプロセスを事前に具体的に共有しておくことが大切です。

入職後すぐに想定通りの夜勤回数に入れるわけではない

入職してすぐに、想定年収に記載されている回数の夜勤に入れるわけではありません。
特に未経験の方の場合は、一定期間の研修やOJTを経て先輩スタッフと一緒に夜勤を経験して、徐々に回数を増やしていくのが一般的です。

この段階的なプロセスを事前に共有しておかなければ、「入職したらすぐに夜勤に入れると思っていた」というギャップが生じます。

曖昧な説明ではなく具体的に伝える

説明の際に重要なのは、曖昧な表現を避けて具体的に伝えることです。

「しばらくは日勤で様子を見ます」という説明では、「しばらく」がどの程度の期間なのかが分かりません。
「入職後おおよそ〇ヶ月を目安に、先輩スタッフとの夜勤を何回程度経験した上で一人での夜勤が可能かどうかを判断します」といった形で、具体的な見通しを示すことが本人の納得感につながります。

また夜勤の回数が想定通りに増えない場合も、その理由を具体的に説明することが求められます。
「まだスキルが足りない」というような言い方ではなく、「具体的にどのようなスキルが必要で、現時点で何が不足しているのか」を伝えることで、本人が何に取り組めば良いのかが明確になります。

こうした具体的な説明があれば、たとえ想定よりも夜勤に入るまでに時間がかかったとしても、本人も現状を理解した上で前向きに取り組めるでしょう。

施設側と登録支援機関の役割分担

夜勤に関する課題に対応する際は、施設側と登録支援機関の間で役割を明確にしておくことも重要です。

業務スキルの指導は施設側の役割

業務スキルの指導は施設側の役割

外国人材の業務スキルの向上や指導育成は、あくまで施設側の役割です。
登録支援機関に「この人のスキルが伸びないから指導してほしい」と依頼するケースもありますが、業務上の指導は施設の責任において行うものです。

ただし指導の際に言語面で伝わりにくい部分がある場合は、登録支援機関が面談の場に同席して通訳を行ったり、指導内容を本人の母語に翻訳して伝えるといった形で支援できることもあります。

定着に向けた三者の協力

外国人材の定着には外国人材本人の努力、施設側の受け入れ体制、登録支援機関のサポートという三者の協力が欠かせません。
夜勤の課題に限らず、それぞれが自分の役割を理解した上で連携して対応していくことが、外国人材が安心して働ける環境づくりの基盤となります。

丁寧な説明体制が組織全体に良い影響を与える

外国人材の受け入れに際して研修プランの整備や丁寧な説明体制を構築することは、日本人スタッフの雇用にも良い影響を及ぼす可能性があります。

外国人材への対応が組織改善のきっかけになる

外国人材に対して夜勤までのプロセスを具体的に説明する体制を整えることで、同じ仕組みを日本人スタッフにも適用できるようになります。

研修の段階や評価基準が明確になれば、日本人スタッフにとっても「何をすれば次のステップに進めるのか」が分かりやすくなります。
外国人材の受け入れをきっかけに組織全体の説明体制や育成の仕組みが整備されることは、施設にとっても大きなメリットだと言えるでしょう。

夜勤をめぐるギャップを防ぐために

外国人材の夜勤に対する不安と期待のギャップは、事前の説明と入職後のコミュニケーションによって軽減できます。

夜勤に入るまでの段階的なプロセスを具体的に共有すること、曖昧な表現を避けて分かりやすく説明すること、入職後も定期的に状況を確認すること。
こうした一つ一つの積み重ねが、外国人材の定着につながります。

外国人材の夜勤に関する不安や受け入れ体制の整備について相談したい方は、D&Mキャリアへお気軽にお問い合わせください。

施設の状況に合わせた受け入れの進め方や、入職前後の説明の仕方についてご提案いたします。

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