【転職支援の現場から】条件を満たしているのに面接で落ちる|合否を分ける「ヒューマンスキル」
※当コラムは、D&Mキャリアのキャリアコンサルタントが実際の転職支援で経験したエピソードをもとに執筆しています。なお、個人が特定されないよう、事実関係については一部内容を変更しています。
「条件は満たしているはずなのに、なぜか面接で落ちてしまう」
転職活動を進める中で、こうした経験をされた方は少なくないでしょう。
経歴も資格もスキルも求人の条件に合っている。それでも選考を通過できない。
理由が分からないまま不採用が続くと、自信を失ってしまうこともあるかもしれません。
先日ご相談いただいたA様も、まさにそのような状況に直面していました。
本コラムではA様の事例を通じて、面接の合否を分ける「ヒューマンスキル」について考えます。
A様のご相談内容
A様が私たちのもとに相談に来られるに至った背景をご紹介します。
A様のプロフィール
A様は40代前半の管理職経験者で、業界での実務経験も十分にお持ちの方でした。
保有資格も求人の条件を満たしており、書類選考ではほとんどの企業を通過していました。
しかし、面接に進むと結果が出ない状況が続いていました。
「書類は通るのに、面接で落ちる理由が分からない」
A様はそうおっしゃっていました。
「自分には何が足りないのか」
A様はこれまでの面接を振り返り、「質問にはきちんと答えられているはずだ」と感じていました。
経歴についても、事実をそのまま正確に伝えている。
それでも結果が伴わないことに、強い戸惑いを感じている様子でした。
「条件は合っているのに、何が足りないのでしょうか」
A様のこの問いかけが、私たちとの面談の出発点となりました。
A様との面談
面談で見えてきたこと
私たちはA様とじっくりと面談を行い、これまでの面接の状況を一つ一つ確認していきました。
面談を通じて見えてきたのは、A様の回答そのものに問題があるわけではないということでした。
経歴の説明も正確で、質問に対する回答も的を射ています。
しかし面談の中で私たちが気になったのは、A様の「伝え方」でした。
話す際に視線が定まらないこと、回答に入るまでに少し間が空くこと、表情にやや硬さがあること。
こうした印象面の要素が、面接官に「この人に任せて大丈夫だろうか」という不安を抱かせている可能性がありました。
合否を分けていたもの
面接では回答の内容だけではなく、総合的な印象が評価されます。
落ち着きがあるか、言葉にすぐ反応できるか、相手の目を見て話せるか、表情に余裕があるか。
こうした要素は「ヒューマンスキル」と呼ばれ、面接の合否に大きく影響します。
職務経歴書に書かれている実績は、面接の場ではすべて自己申告です。
その内容が事実であっても、証明する手段は限られています。同じことを話していても「この人なら本当にそうなのだろう」と感じさせる人と、「本当にそうだろうか」と疑問を持たれてしまう人がいます。
その違いを生むのが、ヒューマンスキルです。
面接で伝わる「印象」の力

ヒューマンスキルとは具体的にどのようなものなのか、もう少し掘り下げてみましょう。
経歴の信ぴょう性は「伝え方」で決まる
面接での回答はすべて自己申告であり、その場で裏付けを取ることはできません。
だからこそ面接官は話の内容だけではなく、「この人の言葉を信じられるかどうか」を見ています。
例えばブランク期間がある場合、その理由に正当性があるかどうかは本人の中では明確かもしれません。
しかしその正当性を相手に納得してもらえるかどうかは、説明の仕方によって大きく変わります。
自分の中では理由が整理できていても、相手の目線に立って説明できなければ伝わらないことがあります。
採用する側が特に警戒する二つの要素
私たちが面接対策でお伝えしていることの中に、企業側が経験者の採用で特に警戒する二つの要素があります。
一つは柔軟性の欠如、もう一つは協調性の欠如です。
経験が豊富な方ほど、自分のやり方や考え方が確立されている傾向があります。
それ自体は強みですが、面接の場でその印象が「頑固そうだ」「うちの組織に馴染まなそうだ」と受け取られてしまうと、評価に影響する可能性があります。
企業側からすれば、経験値があっても組織に順応してくれる人の方が安心できます。
柔軟性がなさそうだと感じた時点で、「この人を迎え入れても、うちのやり方には合わせてもらえないのではないか」と判断されてしまうかもしれません。
協調性についても同様です。
どれほど個人の能力が高くても、チームの中で周囲と連携して仕事を進められなければ組織としては機能しません。
面接の場での受け答えや態度から「この人は周囲と上手くやっていけるだろうか」という点は、企業側が注意深く見ているポイントの一つです。
面接は「内定を得るためのステップ」
ここで視点を変えて、面接というものの本質について考えてみましょう。
面接の目的を整理する

面接対策をお伝えすると、「自分が思ってもいないことを言ったり、取り繕った態度で面接に臨みたくない」とおっしゃる方もいます。
もちろん、事実と異なることを話す必要はありません。
しかし面接はシンプルに言えば、「採用までのステップの一つ」です。
そこで第一に求められるのは、内定の獲得です。
自分の中に良いものがあるのなら、それが相手に伝わるよう見せ方を工夫することは、自分を偽ることとは違います。
見せ方を工夫しなかった結果、それが相手に伝わらなければもったいないのではないでしょうか。
面接は自分の考えを主張する場ではなく、相手に「一緒に働きたい」と思ってもらうための機会です。
選考のプロセスでは、書類選考を通過させるのも面接に進ませるのも内定を出すのも企業側です。
だからこそ相手の視点に立って自分をどう見せるかを考えることが、結果につながるのです。
見せ方を意識するだけで結果は変わる
A様には面談の中で、こうした視点をお伝えしました。
A様の場合、経歴や実力に問題があるわけではありません。
伝え方や見せ方をほんの少し意識するだけで、面接官に与える印象は大きく変わります。
私たちはA様と一緒に、自己紹介の流れや話し方のポイントを整理しました。
事実と異なることを話す必要はありません。
持っている強みが相手に正しく伝わるように、工夫するだけです。
A様のその後
面談後、A様は面接の場で意識するポイントを一つ一つ実践されました。
話す際の視線の置き方、回答に入る前の間の取り方、表情の作り方。
特別なテクニックではなく、相手にどう映るかを意識するという基本的なことの積み重ねです。
その結果、次に受けた企業で内定を獲得されました。
「少し見せ方を変えただけで、こんなに結果が変わるとは思いませんでした」
A様のその言葉が印象に残っています。
条件を満たしているのに面接で落ちてしまう場合、足りないのは経歴やスキルではなく「伝え方」であることが少なくありません。
自分を俯瞰して相手にどう映っているのかを意識することが、結果を変える第一歩になるのではないでしょうか。
面接で思うような結果が出ない方へ
面接で不合格が続くと、「自分には何か根本的な問題があるのではないか」と感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし多くの場合、見せ方や伝え方をほんの少し工夫するだけで状況が改善することがあります。
面接で思うような結果が出ずにお悩みの方は、一人で悩まずにD&Mキャリアへご相談ください。
面接で何が課題になっているのかを一緒に整理して、内定獲得に向けた面接対策をサポートいたします。
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