外国人材採用 2026.10.02

1人目の外国人材が短期離職した後にどう向き合うか?

1人目の外国人材が短期離職した後にどう向き合うか?

初めて外国人材を受け入れたが、短期間で離職してしまった。
こうした経験をした施設の中には、以降の外国人材の受け入れを取りやめてしまうところもあります。
「やはり外国人材は難しい」「うちの組織には合わなかった」という結論が導き出され、次の受け入れに踏み出せなくなってしまうのです。

しかし1人目の短期離職の理由を「外国人材だから」と結論付けてしまうと、次に活かせる学びを得られないまま、受け入れの取り組みそのものが終わってしまいます。
D&Mキャリアが外国人材の紹介を行う中でも、初回の失敗を乗り越えて2人目・3人目の受け入れで安定した運用を実現している施設は多くあります。

本コラムでは1人目の外国人材が短期離職した場合の受け止め方と、次の受け入れにつなげるための考え方について解説します。

「外国人材だから」で片付けてはいけない理由

短期離職の原因を国籍に求めてしまうことが、なぜ次の受け入れの機会を失わせるのかを考えてみます。

日本人職員でも短期離職はある

日本人職員であっても、入職後半年以内に離職するケースは決して珍しくありません。
どの施設にも、過去に「せっかく採用したのに早期に辞めてしまった」という経験はあるはずです。

日本人職員の短期離職に対しては「本人と職場のミスマッチだった」「入社後のフォローが足りなかった」といった分析が行われて、次の採用に活かされることが一般的です。
しかし外国人材の短期離職に対しては、同じような冷静な分析ではなく「外国人材だから」という一言で結論付けられてしまうことがあります。

この差は、どこから生まれるのか。
それは外国人材の受け入れを、「特別なこと」として構えすぎているためではないでしょうか。

日本人の雇用が「普通」で、外国人材の雇用を「例外的な取り組み」として捉えているからこそ、そこで起きたことも特別視されてしまうのです。

短期離職の本当の原因はどこにあるのか

外国人材の短期離職の原因を丁寧に振り返ると、実は日本人職員の短期離職と共通する要素が多いことに気付きます。

期待していた業務内容と実際の業務にギャップがあった。
入職後のフォロー体制が十分ではなかった。
本人の希望や不安を吸い上げる仕組みがなかった。
こうした要因は日本人職員の離職でも指摘されるものであり、外国人材固有の問題ではありません。

もちろん外国人材ならではの要素、例えば言語の壁や文化的な違い、母国の家族の状況といった要因が離職につながることもあります。
しかしそれらの要素も含めて、「事前にどこまで想定していたのか」「受け入れ体制をどこまで整えていたのか」という論点は、日本人の採用と共通の視点で捉えることができるのです。

ミスマッチの原因を分解する

ミスマッチの原因を分解する

1人目の短期離職を次に活かすためには、原因を具体的に分解する必要があります。

期待値の調整と情報のすり合わせが足りていたか

外国人材の受け入れで多いミスマッチの原因の一つが、期待値の調整不足です。

施設側は「介護職として即戦力になるはず」と期待している一方で、本人は「まずは日本で生活しながら少しずつ業務を覚えていきたい」と考えている。
こうした認識のずれが、入職後の早い段階で不満や困惑として表面化することがあります。

また同じ「介護」という職種でも、特別養護老人ホームとデイサービスでは業務内容が大きく異なります。
外国人材が想像していた仕事内容と、実際に配属された現場での仕事内容が違えば、「聞いていた話と違う」という感覚が生まれてしまいます。

事前の情報のすり合わせが不十分だったことによる離職は、次の受け入れの際に丁寧な説明を行うことで防げる可能性が高い課題です。
どのような業務内容になるのか、日本での生活はどのようなものになるのか、施設としてどのような期待をしているのか。
これらを入職前の段階で細かく確認し合っておくことが、入職後のギャップを最小化します。

受け入れ体制の整備が追いついていたか

もう一つの大きな要因が、受け入れ体制の整備不足です。

外国人材を初めて受け入れる施設では、日本人職員向けの体制をそのまま流用しがちですが、外国人材には別途の配慮が必要な場面が多くあります。
日常業務の指示を「優しい日本語」で伝えられているか。
婉曲的な表現ではなく、してほしいこと・してほしくないことを明確に伝えているか。
生活面の困りごとを相談できる窓口が用意されているか。

こうした体制が整わないまま受け入れをスタートすると、本人がストレスを溜め込みやすくなり、結果として短期離職につながることがあります。
これらは1回目の失敗から学んで、2回目の受け入れまでに整備できる要素です。

経営層への説得と次への準備

1人目の失敗を経営層がどう受け止めるのかも、次の受け入れの可能性を大きく左右します。

1回目の失敗が次回以降の判断を左右する

1回目の失敗が次回以降の判断を左右する

外国人材の受け入れを検討する施設では、現場の管理者が人手不足を実感して導入を進めたい一方で、経営層が慎重な姿勢を見せることがあります。
何ヶ月もの説得を経て、ようやく経営層が「一度やってみよう」と踏み切った結果として1人目の受け入れが実現するケースは少なくありません。

しかしそこで短期離職が起きてしまうと、経営層の中に「やはり難しかった」という印象が残り、以降の受け入れに対する経営判断そのものが後ろ向きになってしまうことがあります。
一度後ろ向きに傾いた判断を再び前向きな方向へ動かすことは、最初に導入の承認を得る時よりもさらに難しくなるのが実情です。

だからこそ現場としては、1回目の失敗を経営層に対して単なる「うまくいかなかった事例」として報告するのではなく、そこから何を学んだのか、次にどう活かすのかを整理して伝えることが求められます。

正しく制度を説明できる人材会社を選ぶ

1人目の受け入れが失敗する背景には、受け入れの入り口で正しい情報が施設側に届いていなかったというケースもあります。

特定技能や育成就労といった在留資格の制度は複雑で、すべての人材会社が正確に理解しているとは限りません。
制度についての情報が施設側に十分に伝わらないまま受け入れをスタートしてしまうと、後から想定外の事態に直面することになります。

2回目の受け入れを検討する際には制度への理解が深く、受け入れ側の備えについても言及してくれる人材会社を選ぶことが大切です。
初期の費用の比較だけではなく、施設が持続的に外国人材の雇用を続けていける体制作りに伴走してくれるのかどうかを見極めることが重要になります。

1回目の経験を「学び」に変える

外国人材の受け入れがうまくいかなかった経験は、次の受け入れに活かせる貴重な学びの機会です。
「外国人材だから」という結論を出してしまうと、その学びを得られないまま受け入れの取り組みが終わってしまいます。

何が不十分だったのか、何を次に整備すれば良いのか。
このPDCAを丁寧に回していくことが、外国人材の受け入れを施設として定着させていく道筋になります。
1回目で完璧な受け入れを実現することは、日本人職員の採用と同じで簡単ではありません。
試行錯誤を重ねながら、少しずつ施設に合った形を作っていくという長い視点で捉えることが大切です。

外国人材の受け入れでうまくいかなかった経験がある施設や、これから2回目の受け入れを検討されている施設は、D&Mキャリアへお気軽にご相談ください。
過去の経験から何を学び、次にどう活かすのかを、施設の状況に合わせて一緒に整理していきます。

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