特定機能病院とは?要件や役割について解説
特定機能病院という言葉を聞いたことがある人もいるかと思います。
一般的な病院と同じように医療を提供することを目的としていますが、特定機能病院はより高度な医療を提供しています。
本記事では、特定機能病院とは何か、要件や役割について解説します。
特定機能病院とは
特定機能病院とは、一般的な病院とは区別された、高度医療の提供や技術開発、研修能力を備えた医療機関のことを指します。
1992年の医療法改正で定められており、以下のような承認要件を満たした上で、厚生労働大臣から承認されることで特定機能病院としてみなされます。
- 高度の医療の提供、開発及び評価、並びに研修を実施する能力を有すること
- 他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供していること(紹介率50%以上、逆紹介率40%以上)
- 病床数 ・・・・・・400床以上の病床を有していること
- 構造設備・・・・集中治療室、無菌病室、医薬品情報管理室を備えていること
等
2022年12月1日現在では88の病院が承認されています。
特定機能病院は高度先端医療の提供をはじめ、開発や研究にも取り組んでいることから、大学病院やがんセンターがほとんどです。
参照:特定機能病院について – 厚生労働省
特定機能病院の役割
特定機能病院の主な役割は高度な医療提供です。
高度な医療提供とは、一般的な医療機関では対応することができないケガや病気に対応できる医療技術の提供です。
また、他にも、開発や研究、医療研修などの場という役割も併せ持っています。
特定機能病院として承認されるためには、高度な医療技術をもって患者の治療にあたるだけではなく、医療研修といった高度な医療提供につながる体制づくりも必要なのです。
特定機能病院と一般病院との違い
特定機能病院は紹介制となっているため、誰でも受診することができる一般的な病院とは受け入れ体制が異なります。
受診までの基本的な流れは、初めに一般的な病院を受診し、高度な医療技術が必要と判断され特定機能病院への紹介状を書いてもらうことで、特定機能病院を受診することができます。
地域完結型の医療体制、いわゆる「かかりつけ医」のような役割ではなく、特定機能病院はあくまでも高度な医療を必要とする人に対して医療提供を行います。
また、特定機能病院の承認要件には人員配置も含まれており、医師は通常の2倍、看護師は入院患者数÷2(一般は÷3)、薬剤師は入院患者数÷30(一般は÷70)など、一般的な病院よりも多く医療従事者を配置しています。
特定機能病院で働くのに向いている人は?
特定機能病院では、一般的な病院では得ることが難しい経験や知識に触れることができます。
また、先端技術の研究や研修、講習会、他にも医療機関によっては資格取得のサポートを行っているところもあります。
高度な医療技術を提供していることから、先端技術に関わりたい、より多くのことを学び成長したいという人に向いていると言えるでしょう。
病床数も多いことから、特定機能病院には日々多くの受診者が訪れます。
多くの人を支えたい、高度な医療事務の仕事に携わりたいとお考えの人には、特定機能病院の医療事務の仕事は向いていると言えます。
おわりに
特定機能病院とは、一般的な病院と区別された高度医療の提供や開発などの能力を備えている医療機関です。
定められた承認要件を満たし、厚生労働大臣に認められることで特定機能病院になることができます。
特定機能病院は、高度な治療をするだけではなく、医療研修といった高度な医療提供につながる体制づくりなどの役割も担います。
多くの人の役に立つ仕事がしたいと考えている人は、特定機能病院の医療事務も転職や就職先の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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