医療事務 2023.04.21

SOAPの書き方|医療事務が作成時に注意したいポイントを解説

SOAPの書き方について

医師や看護師のサポートや、カルテの代行入力などは医療事務の担当業務です。
電子カルテの記録方式として「SOAP」を採用している医療機関も多いので、医療事務として働く人も覚えておきたいものです。

本記事では、SOAPとは何か、書き方や医療事務が作成時に注意しておきたいポイントについて解説します。

SOAPとは

SOAP(ソープ)とは、カルテなどに受診者の経過を記載する際に用いられる記入方法の一つです。
単純に経過のみを記録するのではなく、受診者の問題に焦点を当て、以下の4つの項目に沿って記録するのがSOAPの特徴です。

  • S(subjective):主観的情報
    「熱っぽい」や「喉が痛くて飲み込みにくい」といった対象者の話や病歴から得られる主観的情報のことを指します。
    対象者には、受診者やそのご家族も含まれます。
  • O(objective):客観的情報
    診察や検査から得られた客観的情報を指します。
  • A(assessment):評価
    S(主観的情報)とO(客観的情報)を踏まえ、医師が分析・解釈した総合的な評価を指します。
  • P(plan):計画(治療)
    A(評価)をもとに、治療の方針や計画を具体的にしていくことを指します。

SOAPのメリット

SOAPを取り入れることで得られるメリットは以下の通りです。

  • 情報を整理しやすい
  • 誰が見てもわかりやすいカルテが作成できる
  • 受診者の問題を明確にすることができるため、医師の考えや指示が伝わりやすい

SOAPの書き方

SOAPの書き方

SOAPを書く上で重要視されるのが、誰が見てもわかりやすいように情報を整理することです。

受診者との会話や医師の診察内容に集中して、それぞれの内容をSOAPの4項目に振り分け、正確かつ素早くカルテに入力する必要がありますが、そのためには診療内容の理解度も求められます。
また、受診者や医師の発言をそのまま口語で記載するのではなく、要約した情報を記載するようにしましょう。

SOAPの記載例を下記表にまとめます。

項目 詳細
S:主観的情報 喉に違和感があって息苦しい感じがする。
痰が上手に出せない。
O:客観的情報 咳や痰がある。
SpO2 90%
A:評価 息苦しさがあり排痰が十分ではないためSpO2の低下が見受けられている。また、痰の粘度も高く自己排痰が困難なことから、排痰を促す必要がある。
P:計画(治療) 排痰を促す体位ドレナージ、去痰薬の吸入
SpO2の定期的な観察

医療事務が知っておきたいSOAP作成の注意点

SOAP作成の注意点

正確に整理された情報を記載

Sの主観的情報やOの客観的情報は、問題点が整理された状態で正確に記載することで、適切な評価が可能になるため、痛みや症状の程度などの詳細をわかりやすく記載することが重要です。

また、主観的情報では、受診者やご家族の話から「なぜこのようになったのか」が想像できることもありますが、自分が見ていない、聞いていないことを推測で書くと適切な評価ができなくなってしまうため注意が必要です。
何気ない会話や、質問をして情報を拾うようにしましょう。

長期的な問題解決には不向き

SOAPでの記録は、短期的な問題の解決に適しています。
一つの問題に対して記録するからこそSOAPを活かせますが、その反面長期的な問題の解決には不向きであると言えるでしょう。
また、容態の急変など、突発的な場合はSOAPに記録する余裕がなく、問題点も多くなる傾向にあるため使用しません。

おわりに

SOAPとは何か、書き方や医療事務が作成時に注意しておきたいポイントについて解説しました。
SOAPは単純に経過のみを記録するのではなく、受診者の問題について以下の項目に沿うように記録していきます。

  • S(subjective):主観的情報
  • O(objective):客観的情報
  • A(assessment):評価
  • P(plan):計画(治療)

SOAPを書く際には、誰が見てもわかりやすいように情報を整理し、正確な情報を記載しましょう。

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