転職活動 2023.09.29

転職活動のことを今の会社に伝えるべき?

転職活動のことを今の会社に伝えるべき?

働きながらキャリアアップを目指して転職活動を行う場合、現在の職場に転職活動のことを伝えるべきかどうか迷う人もいるでしょう。今回は「転職活動をオープンにするべきか、秘密にしておくべきか」について解説します。

在職中の転職活動は違法?

「在職中の転職活動は違法ではないか」と心配になる人もいるでしょう。上司や同僚、会社に対して不誠実なのではないかと懸念する人もいるかもしれません。まずはそういった心配や懸念について解説します。

在職中の転職活動は違法ではない

結論から言うと、在職中の転職活動は違法ではありません。私たちは憲法によって「職業選択の自由」が保障されていて、自分のキャリアや将来に対する選択を自由に行える権利を持っています。

ただし人間関係に悪影響を及ぼさないように注意

したがって在職中でも新しい仕事を探すことは、法律的に何の問題もありません。ただし転職活動が今の職場の業務に支障をきたさないように、また職場の雰囲気や人間関係に悪影響を及ぼさないように注意する必要があります。

同業他社への転職を検討している人は「社内規定」に注意

同業他社への転職を考えている人は、「競業避止義務」という社内規定に注意しましょう。競業避止義務とは従業員が現在の職場で得た情報やノウハウをもとに、競合する企業で有利な立場を確保することを禁じるための規定です。これに違反した場合、懲戒処分、退職金の不支給、さらには損害賠償の請求などのリスクが考えられます。

多くの企業は就業規則や誓約書を通じて、この競業避止義務を明確にしています。例えば「退職後半年は同業他社へ就職しない」という規定がこれに該当します。

転職活動のことを上司や同僚に伝えるべきか?

転職活動のことを上司や同僚に伝えるべきか?

続けて、転職活動のことを上司や同僚に伝えるべきかどうかについて解説します。

伝える義務はありません

現職での仕事を続けながらの転職活動に関して、法的な通知義務は存在しません。そのため伝えるかどうかは個人の判断に委ねられます。しかし不要なトラブルや人間関係の摩擦を生じさせないために、オープンにしないのが一般的です。

伝えるメリットはほとんどない

転職活動を行っていることを現職の上司や同僚に打ち明けることのメリットはほとんど無いと言えます。特定の業界や職種に詳しい上司から有益な紹介や情報を得られることも考えられますが、基本的にメリットは無いと考えておくのが良いでしょう。

企業にとって従業員の転職活動はマイナス

多くの企業は人材の維持・育成を重視しています。そのため従業員が転職を考えていると知った場合、様々な方法で引き止めることが考えられます。

前述した通り転職活動は個人の自由ですが、企業側としては人材のロスというマイナス面が強調されがちです。在職中に転職活動を行う時にはこうした企業の立場や反応を考慮してオープンにするか秘密にしておくかを判断する必要があります。

転職活動が現在の職場に知られた時の影響

それでは転職活動している事を今の職場に知られた時には、どんな影響があるのでしょうか。考えられるケースを解説します。

退職を引き止められる

従業員の退職は、特にその人が職場のキーパーソンであった場合、企業は大きな不利益を被ることになります。そのため転職活動を知った時、引き止めや新しい条件の提示が行われることが考えられます。これによって自分のキャリアプランを見失わないように、冷静に対応しましょう。

同僚からの嫉妬

現職よりも大手の企業や待遇の良い企業への転職を考えている場合、同僚から嫉妬の対象となる恐れがあります。特に職場に競争心が強い人がいたり、同僚との関係性があまり良くない場合には転職活動のことを知られないように注意しましょう。

現職から妨害を受ける可能性がある

競合関係にある企業への転職を検討している場合、それを知った現職が応募先企業へネガティブな情報を伝えることも考えられます。例えば「今そちらの求人に応募している○○はミスの多い従業員です」と事実でない情報が伝えられて、転職活動そのものが難航する可能性もあります。

転職先が決まったら社名を伝えるべきか?

転職先が決まったら社名を伝えるべきか?

新しい職場への転職が決まったら、現職の上司や同僚に社名を伝えるべきなのでしょうか。適切な対応とポイントを解説します。

社名は伏せておく

転職先が決まり退職の準備や手続きを進める中で、社名を聞かれることもあるでしょう。しかしそれに答える義務はありません。余計なトラブルを避けるためにも社名は伏せておくのが無難です。

業界や業務内容だけを伝える

転職先に関する質問があった場合は、業界や業務内容だけを伝えて詳細は伏せておきましょう。同じ業界での転職だと社名が判明する可能性が高いため、あらかじめ特定されにくい回答を用意しておくと良いでしょう。

何度も社名を聞かれた時は?

何度も社名を聞かれる場合には、「転職先から社名は公開しないように指示されている」と伝えることで無理なくその場を収めることができます。

面接時の「守秘義務」について

ここまで現職に転職活動のことを伝えるかどうかについて考えてきました。最後に現職の情報の取り扱いについて解説します。

転職活動の中で現職の情報について触れる機会が多いのは面接時です。面接は自分のスキルや経験をアピールする大切な場面ですが、現職の詳細な情報や業績をそのまま話すと「守秘義務」に違反する恐れがあります。

守秘義務とは?

守秘義務とは、業務上知り得た情報を外部に漏らさず保護する義務のことです。就業規則や契約などによって明文化されているのが一般的です。しかしすべての情報が守秘義務の対象となるわけではなく、その範囲は企業ごとで異なります。

守秘義務の対象となる主要な情報として以下のようなものがあります。

守秘義務の対象となり得る主な情報

  • 業務上の秘密:業務遂行に関連する内部文書や手法、戦略など
  • 営業情報:顧客リスト、価格設定、マーケティング戦略、提案資料などの営業関連情報
  • 人事情報:従業員の給与、評価、昇進・採用情報など
  • 財務情報:未公開の業績データ、経営指標、予算、投資計画など
  • インサイダー情報:企業の経営に関する重要な未公開情報。合併や事業の売却、新規事業の立ち上げなど
  • 取引情報:取引先や取引条件、契約内容など
  • サービス情報:未発表の新しいサービス、開発中のプロジェクトなど

これらは一例ですが、企業や業界によっては他にも守るべき情報が存在することがあります。面接前に自分が所属する組織の守秘義務の範囲を正確に把握しておきましょう。

転職活動は「プライベート」

転職活動はあくまで「プライベート」な行為です。自分のキャリアをより良い方向へと進めるための手段として転職を考えるのは自然なことで、個々に認められた権利です。

必ず隠さなければいけないというわけではありませんが、職場での人間関係や業務への影響を考慮して慎重に対応するのが望ましいでしょう。 転職活動のことを今の職場に伝えるべきかどうか、転職活動のことを知られてトラブルにならないか心配という人は、D&Mキャリアへお気軽にご相談ください。適切な対応をアドバイスいたします。

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