介護 2023.10.03

【介護職】基本の三大介助について

【介護職】基本の三大介助について

「三大介助」という言葉は介護の現場でよく耳にするもので、身体介護業務の中でも特に利用者の身体に触れる主要な3つの介助業務を指します。
今回はこの三大介助について詳しく解説します。

食事、入浴、排泄のサポートを指します

身体介護業務には食事介助、入浴介助、排泄介助、着脱介助、移乗介助などがあり、三大介助はこのうち「食事」「入浴」「排泄」のサポートを指します。
いずれも、介護を要する高齢者が安心して日常生活を送る上で欠かせない身体介助です。三大介助では利用者の心と体の状態を理解し、そのニーズに合ったサポートを提供することが求められます。
さらに利用者のできる部分は自身で行ってもらう「自立支援」の視点も忘れてはなりません。日々の業務を通して経験を積む中で、介護の原点や基本的な心得を見過ごしがちになり、時としてすべてを介護者が代わりに行いたくなる気持ちや、介助の最中に声かけを忘れてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、経験を積んだ介護職員ほど三大介助の基礎を再認識することが重要なのです。

食事介助

まずは「食事介助」について詳しく見ていきましょう。
食事介助のポイントは、利用者に「食事の喜び」を伝えることです。

  • 利用者に美味しく食事を味わってもらう
  • 食事に対する興味や楽しみを引き出す
  • 安全かつ安心な環境で食事をサポートする
    など

これらを達成するため、介護職員は正確かつ適切な方法で食事のサポートを行う必要があります。

食事介助の業務内容・手順

1.食事の準備

利用者の身体的なニーズに合わせて、適切な食器や食事エプロンを用意します。利用者の咀嚼や嚥下の状態に応じて適切な食材の加工を行います。食材の形態の変更が必要な場合は栄養士と連携します。

2.食事と薬の管理

利用者の状態に合わせて適切なサポートを行います。服薬の管理、水分補給、姿勢の調整などの安全確保が必要です。
全体的な介助だけでなく一部介助や見守り介助など、利用者一人ひとりに合わせた介助を行います。美味しく楽しく食事ができるように、食に対する興味を引き出すことも大切です。

3.食事の後片付け

利用者が食事を完了したのを確認して、食器を片付けます。

4.口腔ケア

適切な口腔ケアを行うことで口腔内の健康状態を維持し、食事の質を高めます。

誤嚥・窒息のような事故にも注意

食事介助においては、「誤嚥」や「窒息」のような深刻な事故に注意しなければなりません。食事を単独で行う利用者であっても常に細心の注意を払い、安全を確保することが大切です。特に誤嚥や窒息のリスクがある場合はそのリスクを把握し、応急処置の方法を事前に確認しておきましょう。

入浴介助

入浴介助

次に「入浴介助」について詳しく解説します。
入浴は日常生活における重要な行為で、リラックスやリフレッシュの機会となります。

  • 利用者が心地良くリラックスできるようにサポートし、より質の高い睡眠を促進する
  • 利用者の身体や服装を清潔に保つ
  • 利用者の皮膚や全体の健康状態をチェックする
    など

これらを達成するために、正しい手順で入浴介助を行う必要があります。

入浴介助の業務内容・手順

1.入浴の準備

快適に入浴できる環境を整えて、必要な着替えやタオルを準備します。
また利用者に入浴の意向を確認し、気持ちを受け入れながら声かけを行います。「新しい入浴剤を用意したので、リラックスしませんか」というように、アプローチを工夫することで入浴の楽しみを増やすことができます。

2.衣類の着脱

この時点で皮膚の状態を確認し、皮膚の剥離や感染症などの異常がないかを観察します。
清潔な衣服に着替えることで、利用者の気分をリフレッシュさせる効果も期待できます。

3.洗身・洗髪の介助

皮膚や健康状態の観察をしながら、適切な力加減での洗身・洗髪を行います。

4.浴槽への移動

転倒のリスクを最小限に抑えるため、しっかりとサポートしましょう。
機械浴や浴用リフトの使用を適宜検討し、利用者の安全を最優先に考えます。

5.身体整容の介助

入浴後はドライヤーを使用してしっかりと髪を乾かし、皮膚を保湿します。これにより体温の低下や風邪を防ぎます。

入浴介助の注意点

入浴介助中は特に脱水、のぼせ、転倒といったリスクに注意しなければいけません。
それぞれのリスクについて以下の対応を心がけましょう。

脱水

入浴時には汗を大量にかくことがあるため、脱水症状が起こっていないかよく観察しましょう。

のぼせ・ヒートショック

浴室の温度と脱衣所の温度の差が大きいと、ヒートショックのリスクが高まります。適切な温度管理を心がけることが大切です。

転倒

滑りやすい浴室の床での転倒は、骨折などの重大なトラブルを引き起こすリスクがあります。移動時のサポートや滑りにくいマットの利用など、安全対策を徹底しましょう。

排泄介助

排泄介助

最後に「排泄介助」について詳しく解説します。
排泄は人間の基本的、生理的欲求ですが、その介助を受けることは利用者にとって非常にデリケートな問題です。適切な声かけやサポートがなされない場合、大きなストレスを利用者に与える場合があります。こうした状況は介護拒否の原因となり得ます。
排泄介助のポイントは「排泄の自立支援」を利用者に提供することです。

  • 尊厳を保った介助を行い、自信を持ってもらう
  • 排泄のタイミングを見計らうことで、排泄を成功させる
  • 排泄への不安を取り除き、日常生活をより豊かに過ごしてもらう
    など

これらの達成するために、介護職員は適切な排泄介助を行う必要があります。

排泄介助の業務内容・手順

1.排泄を促す

利用者のデリケートな気持ちに配慮して、適切な言葉で排泄を促しましょう。

2.トイレへの移動をサポート

転倒などの事故が起こらないように、トイレへの移動をサポートします。

3.脱衣を手伝う

排泄のために脱衣を手伝います。

4.排泄が終わるのを待つ

排泄中はトイレの外で待つなど、適切な距離を保って終わるのを待ちましょう。

5.清拭

排泄が終わったら清拭を行います。

6.着衣

着衣を手伝い、部屋への移動をサポートします。

排泄介助のポイント

排泄のケアを適切に行うために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • ケアを受ける人のプライバシーに配慮し、尊厳を傷つけないよう注意する
  • 日常の排泄のリズムやタイミングを把握する
  • 日頃から水分摂取量を把握する
  • トイレの周りの安全と清潔を保つ
  • 健康状態を把握するために、排泄物をさりげなく確認する
    など

排泄回数を減らしたいあまりに、水分摂取を控える利用者もいます。このような行為は脱水症状や便秘を引き起こす可能性があり、さらには脳梗塞や心筋梗塞といった重大な疾患に繋がる恐れがあります。利用者に水分摂取の重要性を説明しよく理解してもらい、きちんと水を飲むように促しましょう。

事故が起きないように適切にサポートを

食事、入浴、排泄のサポートを行う三大介助には予期せぬ事故の危険が潜んでいるため、一つひとつの行動の重要性を再認識し責任を持って取り組む必要があります。
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