介護 2023.06.23

資格なしでも働ける?無資格の介護職員にできること・できないこと

1.1. 資格なしでも働ける?無資格の介護職員にできること・できないこと

介護の仕事は資格の有無によって行える業務が異なります。介護職員であっても、資格がないと行える業務は限定されます。

本記事では、資格がない介護職員はどんな業務が行えるのか、どんな業務が行えないのか、また2024年4月から完全義務化となる「認知症介護基礎研修」について解説します。

資格がなくても行える業務

資格がなくても行える業務として、次のようなものがあります。

生活援助業務

生活援助業務とは、利用者の身体に直接触れずに行う生活面のサポートです。主な業務として食事の準備、掃除、洗濯、買物、ベッドメイキングなどがあります。

これらの業務は資格がなくても行えますが、利用者の生活の質(QOL:Quality of life)を向上させて自分らしい生活を送ってもらうための重要なサポートとなります。

身体介護業務(※有資格者の指導下で行う)

身体介護業務とは、利用者の身体に直接触れて行う介護サービスです。主な業務として食事介助、入浴介助、排泄介助、着脱介助、移乗介助などがあります。なお、これらの業務は介護福祉士の資格を持つ人の指導下でないと行えません。

利用者の送迎(※普通自動車免許が必要)

デイサービスなどの通所型介護施設には、利用者に送迎サービスを提供している所もあります。送迎のために専門のドライバーを雇用するケースもあれば、介護職員が担当する場合もあります。

介護に関わる資格がなくても、普通自動車免許(普通自動車第一種運転免許)があれば送迎業務は行えます。送迎業務は道路交通法上で「自家輸送」となっているため、普通自動車第二種運転免許は必要ありません。

ただし、施設の規模によってはバスで送迎を行うこともあり、その場合には中型または大型の自動車免許が必要です。

事務作業

各種備品の発注、郵便物の発送、電話への対応、来客への対応、介護報酬請求などの事務作業は、介護に関わる資格がなくても行えます。ただし介護報酬請求では、介護保険に関する知識が必要になります。

資格がないと行えない業務

資格がないと行えない業務

ここまで、資格がない介護職員でも行える業務を紹介しました。

ですが身体介護業務(訪問介護での身体介護業務を含む)には介護職員初任者研修以上、医療的ケアには介護福祉士または喀痰吸引等研修の資格が必要です。無資格の人が行うと法的な問題が生じる可能性があります。

身体介護業務

介護に関わる資格がない人が身体介護業務を行うことは認められておらず、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。

ただし施設内で介護福祉士の指導下で行われる場合に限り、資格のない人でも身体介護業務に携わることができます。

訪問介護での身体介護業務

施設内での身体介護業務は、介護福祉士などの資格を持つ人の指導下で行われていれば問題はありません。ですが利用者のご自宅などを訪問して行う訪問介護の場合は、介護職員初任者研修以上の資格が必要になります。

医療的ケア

痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアは、かつては医師や看護師のみが行えるものでした。ですが2011年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、介護福祉士や介護職員もこれらの医療的ケアが行えるようになりました。

ただし介護福祉士の資格を取得している人、また喀痰吸引等研修を修了した人のみが対象で、これらに当てはまらない人は医療的ケアに携わることはできません。

資格なしで介護職員として働く際のポイント

「資格なしでも介護の仕事を始めたい」という人に、資格なしで介護職員として働く際のポイントをいくつか紹介します。

ポイント①:チームワークを大切にする

資格なしで働く場合、資格を持っている介護職員のサポートに回る機会が多いので、チームワークを意識してまわりから信頼される「介護チームの一員」を目指しましょう。

ポイント②:積極的にコミュニケーションをと

介護の現場では、利用者とのコミュニケーションが重要です。資格がないからといって気後れせずに、積極的に利用者と接するようにしましょう。

また一緒に働く有資格者からのアドバイスがスキルアップに繋がることがありますので、利用者だけでなく、他の介護職員ともコミュニケーションをとって良好な関係を築くようにしましょう。

ポイント③:学ぶ姿勢を持

有資格者の介護職員の業務内容や働く姿勢などから、色々と学べることがあるはずなので、常に学ぶ姿勢を持って業務にあたりましょう。

ポイント④:具体的な目標を設定する

将来的に自分が築きたいキャリアのために、達成すべき目標を設定して日々の業務に取り組むようにしましょう。資格の取得やスキルアップのための研修の受講など、具体的に目標を設定することが大事です。

なお、将来的に介護福祉士の資格を取得する際、無資格で働いた期間も受験に必要な実務経験として認められます。

認知症介護基礎研修について

認知症介護基礎研修について

最後に、2024年4月から完全義務化となる「認知症介護基礎研修」について説明します。

2024年4月以降は無資格だと働けなくなります

2021年4月の介護報酬改定により、無資格の介護職員が認知症ケアに携わる場合、認知症介護基礎研修の受講が必須となりました。2021年4月から2024年3月までの3年間は猶予期間となり、研修を受けていなくても働くことが許可されていますが、2024年4月以降は無資格で研修を受けていないと働けなくなります。

また新たに入職した介護職員(新卒・経験者問わず)は、入職後1年以内にこの研修を受講しなければいけません。

認知症介護基礎研修とは?

認知症介護基礎研修は、認知症の人をケアするのに必要な基本的な知識と技術を学ぶための公的研修です。2015年に打ち出された「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に基づいて、2016年度から開始されました。

受講後の修了試験は設けられておらず、無資格や未経験の介護職員を対象とした「認知症介護の入門編」とも言える基礎研修で、合計6時間・1日で修了することが可能です。

認知症介護基礎研修の対象者

認知症介護基礎研修の対象となるのは、施設の要件は問わず、すべての介護施設や事業所で直接介護に従事する医療・福祉関連の資格を持っていない介護職員です(福祉用具貸与や居宅介護支援は除く)。

認知症介護基礎研修の受講が免除される人

医療や福祉分野の国家資格を持っている人、または介護職員初任者研修や認知症介護実践者研修などの公的研修を修了している場合、認知症介護基礎研修は免除されます。

受講が免除される具体的な資格や研修は次の通りです。

受講が免除される資格

看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、はり師、きゅう師、介護支援専門員 など受講が免除される研修

介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、生活援助従事者研修、介護職員基礎研修、訪問介護員養成研修一級課程・二級課程、認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者養成研修 など

まとめ

「何も資格を持っていないので、介護職員として働けない」と思われているかもしれませんが、そんなことはありません。無資格・未経験であっても介護の仕事を始めて活躍している人はいます。

2024年4月から「認知症介護基礎研修」の修了が完全義務化になるので、その点には注意しなければいけませんが、介護福祉士などの専門的な資格を持っていなくても介護職員になれるのです。 現在、介護の仕事に興味があって「キャリアを積みたい」とお考えでしたら、お気軽にD&Mキャリアへご相談ください。

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