医療事務 2023.06.30

事前チェックで防止!医療事務でよく起こるヒヤリハット

事前チェックで防止!医療事務でよく起こるヒヤリハット

医療事務として働いている時に、「ヒヤッ」「ハッ」としたことはありませんか?

医療事務の現場で大きなミスを起こさないためには、どのようなヒヤリハットが起こり得るのか、それを防止するにはどうすればいいのかを考えることが大事です。

本記事では医療事務の現場でよく発生するヒヤリハットの具体例、対処方法、防止策について解説します。

ヒヤリハットとは?

ヒヤリハットとは、「事故になりかけたが幸いにも回避できた出来事」のことです。

アメリカの損害保険会社の安全技師であったハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが発表した「ハインリッヒの法則」によると、1件の重大事故の背後には重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒヤリハットが隠れているとされています。

医療事務でよく起こるヒヤリハット

医療事務の現場でよく起こるヒヤリハットとして、次のようなものがあります。

よくあるヒヤリハット①:カルテの取り違え

受診者のカルテには、適切な診察と治療を行うための重要な情報が記載されています。しかしカルテを取り違えてしまうと、誤った診断や治療が行われる可能性があり、深刻な医療事故に繋がる恐れがあります。

よくあるヒヤリハット②:健康保険証を別の人へ返却してしまう

「名字が同じだった」などの要因で健康保険証を別の人に返却してしまうと、健康保険証にはその人の氏名や住所などの個人情報が記載されているため、個人情報漏洩に繋がりかねません。本人かどうかよく確認した上で、健康保険証を返却するようにしましょう。

よくあるヒヤリハット③:診療報酬の計算や処方せんの入力ミス

診療報酬の計算や処方せんのパソコン入力も、医療事務の大事な仕事です。これらは診療報酬請求や受診者が服用する薬に影響するので、些細なミスも起こらないように注意しなければいけません。計算ミスを見逃さない、処方せんの入力を間違えないために確認を徹底しましょう。

よくあるヒヤリハット④:診療予約の間違い

電話や受付窓口で診療予約を受ける際に、日付や時間を間違えてしまうことがあります。ダブルブッキングなどで発覚する場合はあるものの、診療時間が重複していないケースでは当日まで気付かないこともあります。

そうなると受診者を長時間待たせたり、当日診療できなくなったりするため、予約を受ける時は必ず日付と時間をよく確認をしましょう。予約を受けた後の復唱もミスの防止に繋がるので、普段から習慣付けておきましょう。

ヒヤリハットではなくミスに繋がった場合、どうなるのか?

ヒヤリハットではなくミスに繋がった場合、どうなるのか?

ヒヤリハットでは済まず、ミスに繋がった場合にはどうなるのか?

ここからは、そうした場合に起こり得るトラブルを紹介します。

トラブル①:受診者からのクレーム

ミスの内容によっては、受診者からクレームを受ける可能性があります。クレームの対応に時間を要すると業務に支障を来し、他の受診者にも迷惑がかかる恐れがあります。

トラブル②:受診者の健康状態に悪影響を及ぼす

診療予約の日付・時間の間違いにより必要なタイミングで診察が受けられなかったり、処方箋のパソコン入力のミスにより正しい薬を受け取れなかったりすると、受診者の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。

これは病院存続に関わる重大なミスになりかねません。どんなミスも防がなくてはいけませんが、受診者の健康に関わる業務は特に慎重に行う必要があります。

トラブル③:受診者の転院・通院離れ

大きなミスが原因で受診者が他の病院に移ってしまったり、通院をやめてしまったりすることも考えられます。こうした事態が続いてしまうと受診者数が減少し、病院の運営にも影響が及ぶことが考えられます。

ミスを起こしてしまった時の対処方法

医療事務の現場でミスが起こってしまうと、受診者の健康や病院の運営にまで影響を及ぼす可能性があります。

問題を迅速に解決するためにどのように対処するべきなのか、ここからはミスを起こしてしまった時の対処方法を紹介します。

対処方法①:すぐに上司・他の医療スタッフへ報告

ミスに気付いたら、すぐに上司や他の医療スタッフに報告しましょう。例えば処方せんのパソコン入力を間違えた場合でも、すぐに報告すれば受診者が誤った薬を服用するのを防ぐことができます。

「発覚しなければ大丈夫」「誰にも気付かれない」と思って放置していると、問題の深刻化を招く事態に繋がりかねませんので、ためらわずにミスしたことを報告しましょう。

対処方法②:受診者謝罪・今後の対策説明

ミスをしてしまったということを受診者にすぐ伝えて、謝罪しましょう。なぜ起こってしまったのか丁寧に説明するなど、誠意のある対応が大事です。また謝罪するだけではなく、今後どのような対策を講じるつもりなのかもしっかりと伝えましょう。

対処方法③:再発防止策を立てる

受診者への謝罪が済んだら終わりというわけではありません。同じミスを繰り返さないために、院内で再発防止対策を立てる必要があります。いつ、どんなことが起きたのかを明確にして、原因や対策を医療スタッフ全員で共有しましょう。

ヒヤリハットから学ぶ再発防止策

ヒヤリハットから学ぶ再発防止策

医療現場でのミスは、大きな問題に発展する可能性があります。そのためヒヤリハットの段階から対策を講じなくてはいけません。

ここからは具体的な再発防止策を紹介します。

再発防止策①:マニュアルを作成しましょう

どんな業務であってもミスが起こる可能性はありますので、起こり得るミスを想定してチェックリストを作りマニュアル化しましょう。

再発防止策②:ダブルチェックを徹底しましょう

確認を徹底してもミスが起こる可能性はあります。1回の確認だと見誤る恐れがあるからです。それを避けるために、確認は必ず2回以上行いましょう。ただし同じ人だとミスを見逃してしまうこともありますので、他の人にダブルチェックしてもらうようにしましょう。

再発防止策③:責任者を明確にしましょう

ミスが起きた時、責任の所在は誰にあるのか責任者を明確にしましょう。病院のトップは院長などの経営者ですが、現場単位で責任者を設けておくことで対策が徹底でき、より現場目線でミスが起こる原因を把握・改善しやすくなります。

再発防止策④:担当する業務量を見直しましょう

ヒヤリハットやミスが起こる原因は、担当する業務量の多さにあるかもしれません。一人で多くの業務を行っていると、確認不足や間違いが起こるリスクが高くなります。

そのため、自分が担当している業務量が妥当かどうか確認し、明らかに業務量が多いと思われる場合には、上司やまわりの医療スタッフに相談して担当する業務量を見直してもらうようにしましょう。

まとめ

医療現場におけるヒヤリハットは、発生した時点で適切な対策を講じなくてはいけません。またその背景も確認して、根本的な防止策を講じてミスを防ぐようにしましょう。ヒヤリハットで済めば良いですが、それが大きなミスに繋がると受診者の健康や病院の運営に影響することがあります。

こうした取り組みを通じて、医療事務としてのスキルを高めてキャリアップを目指したいという方は、是非D&Mキャリアへご相談ください。

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