施設長を辞めたい…辞めるか迷った時の判断基準や転職後のキャリアを解説
施設長として働くなかで、職員のマネジメントや人員不足への対応、経営層との調整などに追われ、辞めたいと感じることもあるのではないでしょうか。
とはいえ「せっかく経験を積んだのに辞めてよいのか」と考えると、なかなか一歩を踏み出せないこともあります。
迷った時は「今の職場を辞めたいのか」「施設長自体を辞めたいのか」を整理することが大切です。
本コラムでは、施設長がキャリアに迷う主な理由を整理したうえで、転職を考える際の判断ポイントや、経験を活かせる次のキャリアについて解説します。
施設長を辞めたいと思う理由
施設長を辞めたいと感じる理由は、人によって異なります。
ここでは、施設長が抱えやすい悩みを紹介します。
経営層と現場の板挟みがきつい
施設長は、経営層や本部から求められる方針を現場に落とし込む一方で、現場の職員から寄せられる不満や要望にも対応する立場です。
たとえば、本部からは「人件費を抑えたい」「稼働率を上げたい」と求められている一方で、
現場からは「人手が足りない」「これ以上業務を増やせない」といった声が上がることもあります。
双方の要望を同時に満たすことは難しいため、どちらかを優先することで、もう一方から不満や反発が生じることもあります。
「自分が決めたことではないのに現場から責められる」「現場の事情を伝えても本部には理解してもらえない」といった板挟みの状態が続けば、精神的な負担も大きくなるものです。
こうした調整役を担い続けることに疲れ、「施設長を辞めたい」と感じる方もいます。
責任が重い一方で思うように施設を変えられない
「責任は負うのに、問題を解決するための決定を自分では下せない」という状態が続けば、仕事へのやりがいや納得感が薄れていきます。
施設長は、職員のマネジメントや採用、施設運営、収支管理など、施設全体の運営に関わる判断や対応を担う重要なポジションです。
一方で、本部の承認が必要な事項も多く、課題に対して改善案があっても自分の判断だけでは進行できないことがあるでしょう。
問題が起きれば責任者として対応を求められるにもかかわらず、解決に必要な裁量は限られているため、「責任だけを負っている」と感じることもあります。
業務量やプレッシャーに対して待遇が見合わない
「重責を担っているのに、待遇が見合っていない」と感じ、退職を考える方もいます。
実際、役職手当や基本給が増えて年収が上がったとしても、業務内容や責任に対して十分ではないケースも少なくありません。
また、勤務時間外に施設から連絡が入ったり、休日でも仕事のことが頭から離れなかったりする状態が続けば、給与だけでなく働き方そのものに納得できなくなるでしょう。
キャリアの先が見えない
施設長までキャリアを積み上げてきたものの、その先に目指したい役職や働き方が見えないことも、「辞めたい」と感じる理由の一つです。
今の職場で施設長を続けても、次に目指したいキャリアが見えなければ、「このまま何年も同じ働き方を続けるのだろうか」「何のために続けているのだろう」と感じてしまいます。
>転職に成功する人の特徴10選!失敗する人の共通点や成功のコツ
施設長を辞める前に考えたいこと
施設長を辞めたいと感じたら、現在の悩みが職場を変えずに改善できるのか、転職した方がよいのかを整理しておくことが大切です。
なお、心身への負担が大きく、限界を感じている場合は休むことを優先し、必要に応じて医療機関へ相談することも検討してください。
この章では、施設長を辞める前に考えたいことを4つ紹介します。
「今の職場」を辞めたいのか「施設長」を辞めたいのか
まず整理したいのは、「今の職場を離れたい」のか、「施設長という役職そのものから離れたい」のかという点です。
たとえば、経営層との考え方の違いや人員体制、裁量の少なさなどに不満を感じているのであれば、勤務先を変えることで状況が改善する可能性があります。
施設長に任される役割や裁量は、法人や施設によって異なるためです。
一方で、職員のマネジメントや施設運営、責任者として判断を求められること自体に負担を感じているのであれば、職場を変えても同じ悩みを抱える可能性があります。
「今の環境から離れたい」のか「施設長という働き方から離れたい」のかを切り分けることで、次に選ぶべきキャリアも見えやすくなります。
業務内容や待遇を改善できないか
悩みの原因が業務量や責任の偏り、待遇などにある場合は、上層部に相談することも一つの方法です。
施設長に業務が集中しているのであれば、一部の業務を他の職員へ分担できないか、人員体制を見直せないか相談できる場合があります。
また、任されている役割や責任に対して待遇が見合っていないと感じる場合は、評価基準や今後の処遇について相談してみるのもよいでしょう。
相談した結果、改善の見込みがあるのかを把握することも、今後の身の振り方を考えるための判断材料になります。
心身への負担が大きくなっていないか
施設長を続けるかどうかを判断する際は、心身への負担も見過ごせません。
次のような症状が続く場合は、医療機関への相談を検討してください。
- 仕事のことが頭から離れず、眠れない
- 朝起きると気分が重く、出勤することが辛い
- 休んでも疲れが取れず、何もする気が起きない
- 以前は楽しめていた趣味や外出を楽しめなくなった
- 些細なことでイライラしたり、不安になったりする
- 集中力が落ち、仕事でミスが増える
- 食欲がなくなったり、食べ過ぎたりする
- 頭痛や腹痛など、身体の不調が続く
役職やこれまでのキャリアを手放すことに不安を感じることもありますが、働き続けるためには、自分の状態を踏まえて今後の働き方を見極める必要があります。
今後どのようなキャリアを目指せるのか
退職を決める前に、施設長経験を活かしてどんなキャリアを目指せるのかを調べておくことも大切です。
別の施設で施設長を続けるだけでなく、複数施設を統括するエリアマネージャーなど、これまでの経験を活かせる選択肢が見つかる可能性もあります。
求人情報を確認する際は、仕事内容や年収だけでなく、求められる経験や役割も確認しておくと、自分の経験が活かせる仕事かを判断しやすくなります。
今すぐ転職するつもりがなくても、どのような転職先があるのかを知っておけば、今後のキャリアを考える際の判断材料になります。
ただし、求人情報だけで自分の経験がどの程度評価されるのかを把握するのは難しい場合もあります。
医療・介護業界の管理職転職に詳しい転職エージェントに相談し、客観的な意見を聞くのもよいでしょう。
施設長経験者は転職市場でどう評価される?
施設長の経験は、転職時の強みになり得ます。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、「施設管理者(介護施設)」を含む職業分類の有効求人倍率は、令和7年度の全国データで7.28倍でした。
出典:厚生労働省 job tag「施設管理者(介護施設)」
これは、ハローワークの求職者一人に対して約7.3人分の求人があることを意味しており、施設管理者の採用ニーズの高さがうかがえます。
また、介護施設のエリアマネージャーの求人では、複数施設の収益管理や職員の育成、施設運営の改善など、施設長としての経験を活かせる業務が挙げられています。
施設長として培ったマネジメントや施設運営の経験は、エリアマネージャーなど、施設長以外の管理職への転職でも強みになり得るのです。
施設長経験を活かせる次のキャリア
施設長を辞める場合でも、これまでの経験を活かせるキャリアは複数あります。
施設長を続けるかどうかだけでなく、どの経験を今後に活かしたいのかという視点で選択肢を整理してみましょう。
別の介護施設で施設長を続ける
仕事そのものではなく、現在の職場環境に負担を感じているのであれば、別の施設で施設長を続ける選択肢があります。
施設長に任される役割や権限、人員体制、本部からのサポートは勤務先によって異なります。
これまで培ってきた職員のマネジメントや施設運営の経験を活かしながら、より自分の希望に合った環境が見つかるかもしれません。
施設長として転職する場合は、年収や勤務地だけでなく、
- どこまで裁量を持てるのか
- 経営層から何を期待されているのか
まで確認することが大切です。
D&Mキャリアでは、求人企業と求職者を同じコンサルタントが担当する両面型の体制を採用しています。
採用背景や組織体制、経営層が求める役割など、求人票だけでは分かりにくい情報も踏まえながら、希望に合った転職先を検討するお手伝いをしています。
複数施設を統括するエリアマネージャーを目指す
複数の施設を統括するエリアマネージャーなど、より広い範囲を管理するポジションを目指す道もあります。
一つの施設を運営する立場から、複数施設の運営状況を把握し、各施設の責任者を支援する立場へ役割が広がります。
施設長として培った人材育成や業務改善、数値管理などの経験を、複数の施設に活かしたい方に有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
法人本部・経営企画に進む
施設運営だけでなく、法人全体の経営や組織づくりに関わりたい場合は、法人本部や経営企画などのポジションも選択肢になります。
施設長として現場の課題に向き合い、経営層や本部との調整を行ってきた経験は、事業運営や人事・採用、業務改善などの仕事にも活かせる可能性があります。
転職を検討する際は、これまで担当してきた業務や実績を整理し、応募先が求める経験と合っているか見極めることが大切です。
介護現場・専門職へ戻る
施設長として管理業務を経験した結果、「職員を管理するよりも、利用者と直接関わる仕事をしたい」と感じる方もいるかもしれません。
その場合は、介護職や保有資格を活かせる専門職へ戻ることも一つの選択肢です。
施設長として経験してきた職員育成や業務調整のスキルは、介護現場へ戻った後も大いに活かすことができます。
今後どのような働き方をしたいのかを整理したうえで、役職にとらわれず、自分に合ったキャリアを選びましょう。
施設長を続けるか迷ったら、今後のキャリアを見つめ直すタイミングかも
施設長を辞めたいと感じた時は、自分にあった働き方やキャリアを見つめ直すタイミングかもしれません。
「今の職場を離れたいのか」「施設長という役割そのものから離れたいのか」によって、次に選ぶべき道は変わります。
これまで施設長として培ってきたマネジメントや施設運営の経験を振り返りながら、今後どのような立場で、どのような働き方をしたいのかを整理してみてはいかがでしょうか。
D&Mキャリアでは、医療・介護・福祉業界の管理職・マネジメント人材を中心としたハイクラス転職を支援しています。
施設長として培ってきた経験や希望する働き方を整理しながら、今後のキャリアについてご相談いただけます。
「今の職場を変えるべきか」
「施設長以外のキャリアも目指せるのか」
「自分の経験が転職市場でどう評価されるのか」
など、今後のキャリアに迷っている方は、お気軽にご相談ください。
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