ハイクラス転職 公開日:2026.10.29

異業種から医療・福祉領域へのハイクラス転職|業界経験よりも大きな壁となるもの

異業種から医療・福祉領域へのハイクラス転職|業界経験よりも大きな壁となるもの

ハイクラス層の求職者から、「業界未経験でも医療・福祉領域に転職できるのか」という相談を受けることがあります。
他の業界でキャリアを積んできた人の中には、医療・福祉領域の社会的意義や成長性に関心を持って新しい分野への挑戦を検討する人も少なくありません。

その際、多くの求職者が不安に感じるのが「業界経験のなさ」です。しかし実際には、異業種から医療・福祉領域への転職において、業界経験の有無が最大の障壁になるとは限りません。
業界での経験よりも大きな壁として浮かび上がってくるのが、「現職の年収とのギャップ」という課題です。

本コラムでは医療・福祉領域における異業種からのハイクラス転職について、「業界経験のなさ」と「現職の年収との折り合い」という二つの壁の実態をお伝えするとともに、転職活動を進める際に押さえておきたいポイントを紹介します。

医療・福祉領域における異業種からの転職の実態

まずは医療・福祉領域における異業種からの転職について、業界経験が重視される職種と必ずしも重視されない職種の両面から、実際にどのような動きが起きているのかを見ていきます。

業界経験を重視する決裁者も存在する

医療・福祉領域における採用の現場では、業界での経験を重視する決裁者も一定数います。
医療機関や介護施設には業界特有の制度や規制、職場ごとの文化があり、現場職員とのコミュニケーションや関係機関との連携においても、業界内での経験が強みとなる場面があるためです。

特に現場職や事業運営に深く関わるポジションでは、業界経験の有無が選考の判断に影響してくるケースがあります。

コーポレート部門であれば異業種からの転職は十分に可能

一方で経理、人事、総務、経営企画といったコーポレート部門については、医療・福祉領域の業界経験を必ずしも前提としない採用も広く行われています。

コーポレート部門に求められる専門性は業界を越えて共通する部分が多く、他の業界で培われた経験がそのまま活かされやすいためです。

医療法人や介護事業者の中には、組織規模が大きくなるにつれてコーポレート部門の体制強化を進めているところも多く、他の業界で経験を積んだハイクラス人材を迎え入れる動きが広がっています。

事業承継やM&Aを通じたグループ化、海外展開や新規事業への取り組みなどに伴い、経営に関わる専門人材を外部から迎える必要性が高まってきている背景もあります。

本当に大きな壁となるのは「年収の折り合い」

本当に大きな壁となるのは「年収の折り合い」

ここからは異業種からの転職において「現職の年収との折り合い」という壁がどのように立ちはだかってくるのかを、具体的な事例と採用側・求職者側の双方の事情を交えながら解説します。

具体的な事例から見える現実

異業種から医療・福祉領域への転職において、業界での経験以上に大きな壁となってくるのが、現職の年収とのバランスです。

具体的な事例を挙げると、航空業界で人事部門のキャリアを積んだ人が、医療法人グループの人事上位ポジションに年収1,000万円で入職したケースがあります。
業界経験はなかったものの組織の人事体制を整えてきた経験や、大規模組織でのマネジメントの経験が高く評価されて採用に至りました。

一方で他の業界において年収700万円から900万円の部長級ポジションに就いている人が、医療・福祉領域で同等のポジションに同じ水準の年収で採用されるのは、現実には難しい場合もあります。
医療・福祉領域における給与水準や採用側が提示できる年収のレンジとの折り合いの中で、こうした年収の壁が顕在化してくるのです。

なぜ年収の折り合いが壁になるのか

医療・福祉領域の採用側は、ポジションに対して提示できる年収のレンジを明確に持っていることが多く見られます。
そのレンジの中で求職者の経験やスキルを評価して、採用を判断します。

一方で求職者側は、現職の年収をベースにして次の職場を考えることが自然です。
現職と同等以上の年収を希望する人にとって、医療・福祉領域から提示される年収との間にギャップがあると、条件面での折り合いがつかないこともあります。

入社時の年収は、生活設計に直結する重要な要素です。
異業種からの転職において、年収の折り合いが大きな障壁となりうるという事実を、ハイクラス層の求職者はあらかじめ理解しておくことが大切です。

転職活動を進める際に意識しておきたい視点

転職活動を進める際に意識しておきたい視点

業界経験のなさを不安に感じている求職者に向けて、年収についての考え方の整理や応募先の見極め方など、転職活動を進める際に意識しておきたい考え方をまとめます。

年収の折り合いについて考えを整理しておく

異業種から医療・福祉領域への転職を検討する際には、業界経験の有無だけではなく、年収の調整についての自分なりの考え方を整理しておくことが大切です。

現職の年収を基準に考えた時に、どの程度までの変動であれば受け入れられるのか。
入社時の年収がどの水準であれば、長期的なキャリアとの折り合いがつくのか。
こうした自分なりの基準を事前に持っておくことで、応募先の法人を見極める際の軸が定まってきます。

年収と活躍の場を両立させるために

ハイクラス層の求職者にとって、年収と活躍の場の両立は転職活動における重要なテーマです。
医療・福祉領域という新しい分野で自分の経験を活かしたいという思いと、現職と遜色のない年収を得たいという希望の両方を叶えるためには、応募先の見極めが大切になってきます。

年収レンジが広い組織、コーポレート部門の体制強化を積極的に進めている事業者、新規事業に取り組んでいる法人など、年収と活躍の場の両立が実現しやすい応募先の特徴を押さえておくと転職活動の方向性が見えやすくなります。

応募先の施設の規模や事業の広がり、採用に対する積極性といった要素を事前に把握しておくことは、ハイクラス層の転職活動においては特に重要な意味を持ってきます。

異業種から医療・福祉領域へのハイクラス転職をお考えの方へ

医療・福祉領域における異業種からのハイクラス転職は、業界経験の壁よりも年収の折り合いの壁のほうが大きいというのが、実際の転職事例から見えてくる現実です。

「業界経験がないから」という不安が先立って一歩を踏み出せない状態にある方は、本当に乗り越えるべき壁がどこにあるのかを見誤っている可能性があります。
「業界経験のなさ」という壁ではなく、「現職の年収との折り合い」というもう一つの壁に目を向けておくことで、応募先の選び方や面接での伝え方が具体的に変わってきます。

現職との年収差をどこまで受け入れられるのか、どのような規模や事業形態の法人であれば希望に近い年収で迎え入れてもらえそうなのかをあらかじめ整理しておくことが、転職活動を効率よく進めるための出発点となります。

異業種から医療・福祉領域への転職や、ハイクラス層としてのこれからのキャリア設計についてお悩みの方はD&Mキャリアへお気軽にご相談ください。
ご希望の年収、キャリアの方向性、これまで培ってこられた強みを総合的に伺った上で、年収と活躍の場を両立できるキャリアをサポートいたします。

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