医療事務の仕事の実際~イメージと現実~
医療事務の仕事について「忙しそう」「人間関係が大変そう」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。しかし実際の現場では、そのようなイメージとは異なる一面もあります。
医療事務の仕事は、医療の現場を支える重要な役割を担っています。受診者対応、カルテ管理、レセプト業務など多岐にわたる業務を通して、医療サービスの質を維持し向上させる役割を果たしているのです。
本コラムでは医療事務の仕事に対する一般的なイメージと現実を比較しながら、その実態に迫ります。医療事務の仕事のやりがいや魅力についても触れていきますので、医療事務の仕事に興味がある人はぜひ読み進めてみてください。
「いつも忙しそう」
医療事務の業務は多岐にわたります。一般的な事務作業だけではなく受診者対応、院内案内、治療スケジュール調整など様々な仕事をこなす必要があります。また緊急対応が求められることもあり、想像以上に忙しい状況になることもあるでしょう。
しかし「医療事務=忙しい」というイメージを持つ大きな理由の一つが、レセプト請求の時期です。毎月10日までのレセプト請求期間は確かに業務が集中しますが、それ以外の時期は比較的落ち着いて働くことができます。
また医療機関によって業務量は異なります。人員配置を適切に行い業務効率化に力を入れている医療機関では、ワークライフバランスを保ちながら働くことが可能です。
多くの医療機関において、医療事務の忙しさは一時期に集中するものであり、常に忙しいわけではないようです。
「女性社会で人間関係を築くことが難しそう」
医療事務の職場は女性が多いため、「女性中心の職場特有の難しさがある」と感じる人もいるかもしれません。また医療事務と看護師の間では、職種の違いからコミュニケーションに困難を感じるケースもあるようです。
しかし最近は多職種連携の重要性が叫ばれ、医療事務も医療チームの一員として尊重される流れができてきました。以前に比べると医師や看護師との垣根は低くなっています。
人間関係の問題はどの職場にもつきものです。お互いの立場を理解しコミュニケーションを大切にすることが、良好な人間関係を築く上で何より重要だと言えるでしょう。
「長時間労働なのでは?」
医療業界では長時間労働が当たり前だと思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。
医療事務の仕事でも、膨大な作業量をこなすために長時間勤務を求められることがあります。さらに医療業界全体が人材不足の傾向にあるため、限られた人数でより多くの仕事をこなさなければならない状況があります。人手が足りない分、一人一人の業務負担が大きくなり長時間労働や時間外労働につながることもあるのです。こうした状況では医療事務の仕事は激務の割に報酬が見合わないと感じる人もいるでしょう。
特に関西地方のクリニックでは、「中抜け」と呼ばれる勤務形態が一般的です。午前中は8時半から12時半まで、午後は4時半から夜の8時半ごろまで勤務し昼休みの間は自宅に戻ることもできます。一見すると休憩時間が長いように感じられますが、実際には1日の拘束時間が長時間に及びます。
しかしすべての医療機関で長時間労働が常態化しているわけではありません。勤務環境の整備に力を入れている医療機関では、残業も少なく適切な労働時間で働くことができます。医療事務の仕事が常に長時間労働を強いられるものだとは限らないのです。
「替えがきく人材だと思われているのでは?」
診療報酬を生み出すのは医師や看護師の仕事であり、医療事務はその補助的な役割だと考えられる傾向があります。
しかし医療事務の仕事は、医療現場になくてはならない重要な役割を担っています。例えば、受診者が医師に聞けなかったことを医療事務に相談することがよくあります。その際、医療事務は専門的な回答はできませんが、受診者の不安に寄り添い必要に応じて医師に確認するなど受診者と医療現場をつなぐ重要な役割を果たしているのです。
また、医師が診察で得た情報を正確にレセプトへ反映させるのも医療事務の仕事です。医療事務がレセプトを適切に処理しなければ、医療機関は収益を得ることができません。つまり医療事務は医療機関の経営を支える重要な役割を担っているということです。
このように医療事務は、受診者の不安を和らげ医療機関の経営を支える重要な存在です。直接的な医療行為をしないため医療現場のヒエラルキーの中で下に見られがちですが、それは医療事務の仕事の重要性が正しく理解されていないからかもしれません。医療事務は「替えがきく存在」ではなく、医療を支える専門職の一つなのです。
医療事務がやりがいを感じる瞬間
ここまで医療事務へのイメージと実際を解説してきました。医療事務の仕事は決して楽な仕事ではありません。複雑な医療知識の習得に加えて受診者対応や医療スタッフとの連携など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。しかしそんな難しさの中にこそ、医療事務ならではのやりがいがあります。
受診者から感謝の言葉をもらえた時
医療事務は受診者と接する機会が多い職種です。受付で丁寧に対応したり、不安を抱えた受診者の話に共感しながら耳を傾けることで信頼関係を築き、受診者から感謝の言葉をいただくことがあります。
「先日は丁寧に対応してくださってありがとうございました」「いつも親身になって相談に乗ってくれて助かります」というような温かい言葉をかけられた時、医療事務としてのやりがいを強く感じます。
医療チームの一員として認められた時
医療事務は、医師や看護師と比べるとスポットライトが当たりにくい職種かもしれません。しかし、医療現場では医療事務も重要な役割を担っています。
例えばカルテの管理や医療費の請求など、医療事務の仕事は診療を円滑に進めるために欠かせません。また受診者対応などを通して、医師や看護師の業務負担を軽減することもできます。
そんな時、医師や看護師から「助かっています」「あなたがいてくれて良かった」と言葉をかけられることがあります。医療チームの一員として認められた時は、医療事務としての大きなやりがいを感じる瞬間です。
病院経営に貢献できていると実感した時
医療事務は、レセプト作成・請求などを通して、病院経営を支える重要な役割を担っています。正確で効率的な事務処理は、医療機関の収入に直結する重要な仕事です。
正確なレセプト処理によって適切な診療報酬を確保したり、効率的な事務作業で経費削減に貢献したりします。そんな時、自分の仕事が経営に貢献できていると実感できます。
医療事務の魅力
医療事務は受診者に安心を提供する、医療機関になくてはならない存在です。
医療事務の仕事は誰にでもできるものではありません。受診者の不安に寄り添うコミュニケーション能力、カルテを扱う上で求められる正確性と機密保持の意識、医療の専門知識など医療事務として活躍するために不可欠な要素が数多くあります。
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