医療事務 2025.04.08

【医療事務】病院とクリニック、働き方の違いを解説

【医療事務】病院とクリニック、働き方の違いを解説

「病院とクリニック、どちらで働こうか迷っている」
「病院の方が大変そうだけれど、キャリアアップのためには良いのだろうか」
「クリニックは働きやすいと聞くけれど、本当なのだろうか」

求人情報だけではわからない業務内容や働き方の違いを知ることは、自分に合った職場選びや長期的なキャリア形成において非常に重要です。

本コラムでは病院とクリニックの業務内容や働き方の違い、そして自分に合った職場選びのポイントについて解説します。

業務内容の違い

医療機関の規模や種類によって、医療事務の業務内容は大きく異なります。
特に大きな違いとなるのは、レセプト業務の有無です。

また、病院では幅広い診療科に対応するための専門知識が必要となり、クリニックでは限られたスタッフで効率的に業務をこなす柔軟性が求められます。

医療事務として働く場所を選ぶ際には、どのような業務に携わりたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを考慮することが重要です。

病院の業務の特性

病院で医療事務として働く場合、レセプト業務のスキルが必須となります。
特に総合病院であれば多岐にわたる診療科のレセプト処理を行う必要があり、取り扱う病名も膨大です。

また病院では外来レセプトだけではなく、入院レセプトを作成する機会があります。多くのクリニックは無床診療所のため、入院レセプトは経験できない点が大きな違いです。

一般的なクリニックと比較して病院では多くの症例を取り扱うことから、レセプトの知識も深まり、取り扱う症例に伴い適用される健康保険(公費を含む)も多様になります。

クリニックの業務の特性

クリニックで働く医療事務の多くは、受付や会計といったフロント業務が中心となり、レセプト業務は一部のスタッフのみが担当するというケースも少なくありません。

また診療科目も限定的なため、扱う病名も病院と比較すると少なくなります。

給与体系の違い

「病院の方が仕事が大変そうだから、給与も高いのではないか」と考えられがちですが、実際にはそうとは限りません。

病院の場合

病院は組織規模が大きく、給与体系が明確に規定されていることが一般的です。
長年の規定に基づいて給与が決定されるため、基本給は必ずしも高くないことがあります。
各種手当を含めても、希望する金額にならないケースも珍しくありません。

一方で組織階層が整備されているため、長期的に勤務していると役職に就く機会に恵まれるなど、昇給の道筋が見えやすい傾向にあります。

つまり短期的には給与水準が高くなくても、長期的なキャリアプランを描きやすいという特徴があります。

クリニックの場合

クリニックは組織規模が小さいため、理事長や院長の意向が給与に直接反映されやすい環境です。
そのため優秀なスタッフに対して柔軟な給与設定がなされるケースもあり、病院よりも給与水準が高くなるケースも少なくありません。

ただし組織的な階層構造が薄いため、長期的な昇給やキャリアアップの機会は病院と比較すると限定的になりがちです。

つまり初期の給与水準は高くても、長期的な昇給幅は小さいというケースが多く見られます。

働き方の違い

勤務時間や勤務体制においても、病院とクリニックでは大きな違いがあります。
施設の規模や機能によって求められる対応や業務内容が異なるため、ライフスタイルとの兼ね合いを考慮した職場選びが重要になります。

病院の特性

病院の特性

病院は入院機能を持つため、夜間や休日の当直業務が発生します。
一定の頻度で当直が回ってくるケースが多く、日直や休日の受付業務を担当することもあります。

また多職種との連携が必要なため、様々な部署(医局、看護部、放射線科など)との調整や連携が日常的に発生します。
組織内でのタテの関係だけではなくヨコとの連携も重要となるため、特に高いコミュニケーション能力が求められます。

クリニックの特性

クリニックには当直業務がないため、規則的な時間帯での勤務となることが一般的です。
特に無床診療所(入院施設のないクリニック)では、診療時間外の勤務はほとんど発生しません。

一方で関西地域のクリニックには、「中抜け勤務(午前診療と午後診療の間に休憩時間がある勤務形態)」と呼ばれる特有の勤務形態があります。
この場合、クリニックの近隣に住んでいないと休憩時間の活用が難しく負担になることがあります。

職場選びのポイント

転職先の職場を選ぶ際には、待遇面だけではなく自分のライフスタイルに合った環境かどうかを慎重に見極めることが重要です。

医療機関ならではの特性を踏まえて、以下のポイントに注目しましょう。

通勤

病院は郊外に立地していることが多いので、通勤手段の確認が重要です。
自家用車が必須の場所や公共交通機関が限られる立地もあるため、通勤距離と方法を事前に確認しましょう。

勤務時間

家庭の事情などで「〇時までには帰宅する必要がある」という制約がある場合、クリニックの午後診療への対応が難しくなるケースもあります。
そのような場合、パート勤務となり想定していた収入を得られないことがあります。

レセプト業務

キャリアアップを考える場合、レセプト業務の経験は大きなアドバンテージとなります。
特に入院レセプトの経験は、医療事務としての専門性を高める上で大きな強みとなります。

レセプト業務に関する「よくある誤解」

「病院のレセプト業務の方が複雑で難しそうだから、まずはクリニックで経験を積みたい」と考える人もいますが、クリニックで働いても必ずしもレセプト業務を経験できるとは限りません。

求人情報ではレセプト業務の有無が明記されていないケースも多く、入職後に特定のスタッフのみがレセプト業務を担当していることがわかるケースもあります。
クリニックによっては業務の分担が固定化されており、新しく入ったスタッフがレセプト業務を担当する機会がなかなか回ってこないこともあります。

そのため医療事務としてのスキルアップを目指すのであれば、面接時に業務の範囲や将来的にレセプト業務を担当する可能性について質問しておきましょう。

病院とクリニック、どちらが自分に合っているか?

病院とクリニック、どちらが自分に合っているか?

転職先を選ぶ際には、自分の希望やライフスタイルに合った環境を選ぶことが大切です。
病院とクリニック、それぞれの環境に向いている人の特徴をまとめました。

病院が向いている人

  • レセプト業務を通じて専門性を高めたい人
  • 長期的なキャリア形成を考えている人
  • 様々な職種と連携しながら働くことを望んでいる人
  • 当直や不規則な勤務にも対応可能な人
  • 組織の中で役職に就くなど、キャリアアップを目指したい人

クリニックが向いている人

  • できるだけ自宅近くで働きたい人
  • 規則的な勤務時間で働きたい人
  • 小規模な組織でアットホームな環境を好む人
  • 受診者と密にコミュニケーションを取りたい人
  • 受付や会計など、フロント業務を中心に働きたい人

医療事務のキャリアでお悩みの方へ

病院とクリニック、どちらが自分に合っているのか悩まれている方は多くいらっしゃいます。
医療事務の仕事は施設によって求められるスキル、働き方、そして将来的なキャリアが異なるため、自分の適性やライフスタイルに合った選択をすることが長く働き続けるためには重要です。

しかし求人情報だけでは把握できない職場の雰囲気や業務内容もあり、判断に迷うことも少なくありません。

D&Mキャリアでは医療業界に精通した転職エージェントが、一人一人の希望や条件を丁寧にヒアリングして最適な転職先を紹介しています。
過去の経験、身につけたスキル、今後伸ばしていきたい能力、さらにはライフスタイルに合わせた勤務条件など様々な角度から転職先を提案します。

医療事務のキャリアでお悩みの方は、ぜひD&Mキャリアへご相談ください。

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