トランスとは?介護現場で必要なトランス介助の方法を紹介
介護の現場で耳にすることがある「トランス」という言葉。
その正しい意味をご存じでしょうか。
本記事では、介護において「トランス」とはどのような意味を持つ言葉なのか、また、トランス介助の方法や注意すべきポイントについてご紹介します。
介護におけるトランスとは
トランスとは、トランスファーを略した言葉で、移動や乗り換えといった意味を持ちます。
介護においては、利用者がベッドから車いすに移動、乗り移る「移乗動作」を指します。
高齢になり、足腰が弱くなってしまった利用者は車いすを利用することから、一日に何度もトランスを必要としますが、移乗動作の際には転倒リスクが高いため介助が必要です。
このような移乗動作の介助のことをトランス介助と言います。
トランス介助の方法
車いすとベッドや自動車、床などとの間の移動でトランス介助は必要になりますが、こちらではベッドから車いすへの移乗でトランス介助を行う方法についてご紹介します。
大まかな手順としては、以下の通りです。
- 車いすの安全確認を行ってからベッドに近づける
- ベッドと車いすの高さを合わせる
- 介助者が利用者の腰に腕を回し、利用者には介助者の肩に腕を回してもらい、利用者を支えやすい体勢をとる
- 介助者は腰を落として利用者に前傾姿勢を取ってもらう
- 利用者に立ち上がってもらってから車いすへゆっくりと移乗させる
それぞれの動作の間では、次に何をするのかが利用者へ伝わるように声かけをしましょう。
特に、移乗する際はケガをする可能性が高いため、タイミングを合わせるように注意が必要です。
また、転倒などによるケガにつながる危険があるため、ズボンを引っ張ったり、力任せに持ち上げたりしてはいけません。
力任せな移乗は、移乗中だけではなく、座る際にも利用者に痛みを与えてしまう危険性があります。
利用者を持ち上げて移乗するのではなく、車いす側に回転するように移乗させることでお互いの負担を軽減することができます。
トランス介助で注意すべきポイント
トランス介助を行う際には、利用者が転倒しないように注意を払わなければなりません。
利用者の転倒が起こりやすい場面の一つにトランス介助があります。
高齢の利用者であれば転倒によって骨折してしまうリスクが高く、場合によっては寝たきり状態になる可能性もあります。
転倒させないようにするためには、利用者一人一人に合ったペースで移乗を行うことがポイントです。
また、「体を起こします」や「座りましょう」など、一つ一つの動作の前に声を掛けて同意を得てから行うなど、利用者への気遣いも忘れないようにしましょう。
介護を行う上で心掛けておきたいこととして、要介護者が自立した日常生活を送れるようにサポートをすることが挙げられます。
トランス介助でも同様で、移乗動作のすべてを介助してしまうと利用者の筋力が衰えてしまう原因にもなるため、利用者の身体の状態に合わせて本人の能力に任せることも大切です。
おわりに
介護におけるトランスとは、利用者がベッドから車いすに移動する「移乗動作」のことを指し、その移乗動作を介助することをトランス介助と呼びます。
すぐに移乗させるのではなく、車いすの安全確認を行ってからベッドに近づけ、ベッドと車いすの高さを合わせて準備をします。
準備ができたら、介助者は利用者の腰に腕を回し、利用者には介助者の肩に腕を回してもらい利用者を支えやすい体勢をとり、介助者が腰を落として利用者が前傾姿勢になったら、利用者に立ち上がってもらって車いすへゆっくり移乗させます。
以上がトランス介助の一連の流れです。
トランス介助の際は、転倒しないように利用者のペースに合わせたり、声かけをしたりして同意を得てから行うようにしましょう。
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