介護 2023.05.29

介護士に求められるコミュニケーションスキル

介護士に求められるコミュニケーションスキル

介護現場では、利用者の生活を介助するだけでなく、精神的な支えとならなくてはいけない場合があります。その際には、高いコミュニケーション能力が必要となります。

今回は介護士に求められるコミュニケーションスキル、またその習得方法について解説します。

コミュニケーションスキルの重要性

介護職においては、日々、様々な場面で高いコミュニケーションスキルが求められます。

具体的には、以下のような場面でそうした能力が必要とされます。

利用者とのコミュニケーション

介護職において最も重要なコミュニケーションは、利用者とのやり取りです。一部の利用者は高齢であったり、認知症やその他の障害を持っていたりするため、言葉を理解したり、自分の意志を伝えたりすることが難しい場合があります。そのため、話す速度や語彙を調整する、身振り手振りや視覚的な手段を利用するなど、利用者一人ひとりの状況に合わせてコミュニケーション方法を調整する必要があります。

チーム内のコミュニケーション

介護はチームで行う仕事であり、同僚や上司、他職種のスタッフとの円滑なコミュニケーションは必須と言えます。情報を適切に伝え、他のスタッフと協力して利用者のケアを行うためには、明確で効率的なコミュニケーションが求められます。

利用者家族とのコミュニケーション

利用者家族とのコミュニケーションも重要です。ご家族は利用者の状況や変化についての情報を求めていますし、またご家族からの情報は利用者に適切なケアを行う上で有益なものとなります。そして丁寧で配慮のあるコミュニケーションは、利用者家族との信頼関係を築く上でも大切です。

外部の専門家とのコミュニケーション

介護職員は、ソーシャルワーカーや医師、栄養士など、介護をサポートする他の専門家と連携を取る必要があります。それぞれの専門知識を活用して利用者に最善のケアを提供するためには、適切な情報交換と協力が求められます。

求められるコミュニケーションスキル

では、介護現場において、どのようなコミュニケーションスキルが求められるのか?

具体的なコミュニケーションスキルを紹介し、それぞれ解説いたします。

聴く技術

聴く技術は、「他人の話を積極的に傾聴し理解する能力」とも言え、コミュニケーションスキルの基礎となります。介護職では、利用者の言葉をただ聞くだけではなく、その背後にある感情やニーズを察知することが重要となります。これは、利用者が自分の意見や感情を適切に表現できない場合も多いからです。

利用者の視点から物事を見て理解し、必要な支援を提供するためには、この聴く技術が不可欠です。また、同僚とのコミュニケーションにおいても、相手の意見を尊重し、オープンな対話を行うためには、互いの言葉をよく聴くことが重要となります。

精神的な支え

精神的な支えとは、他人の感情に寄り添い、認識し、表現することを助ける技術のことを指します。介護職では、利用者の心情に寄り添い、安心感を提供することが求められます。利用者が抱える不安や困難を共有し、理解することで、信頼関係を築き、介護サービスの質を向上させることが可能となります。

同時に、同僚との人間関係においても、精神的な支えは有効です。互いの感情を尊重し、理解することで、より深い人間関係を築き、チームとしての連携を強化することができます。

クリアコミュニケーション

クリアコミュニケーションとは、自分の思考や感情をはっきりと伝える技術のことを言います。介護職では、自分の役割や期待を明確に伝えることが重要となります。これにより、利用者やそのご家族、同僚との間に誤解を防ぎ、円滑な人間関係を築くことが可能となります。

また、自分の意見や感情を適切に表現することは、自己主張のバランスを保ち、健全な職場環境を維持することにも繋がります。

コミュニケーションのポイント

コミュニケーションのポイント

傾聴の力:一対一のコミュニケーションを深める

利用者の中には、自身の不安や悩みを語り、理解してもらいたいと望んでいる方もいます。彼らの声に耳を傾け、気持ちを理解することで、利用者は安心感を得ることができます。この深い聞き方は「傾聴」として介護業界で認知されており、利用者との信頼関係を築く上で重要となります。

受容的な対応:否定せず、肯定せず、ただ受け入れる

介護における重要なコミュニケーションの1つが、利用者の言葉や感情をそのまま受け入れる「受容」です。肯定や否定をせずに、ただありのままを受け入れ、共感し、理解し、寄り添うことで、良好な信頼関係が築けるようになります。

自己開示:心から心への繋がり

利用者に心を開いてもらうために、その方の趣味や関心事を会話の中に織り交ぜるようにしましょう。そうすることで自然な会話が生まれ、話題が広がっていく可能性があります。

回答しやすい質問:理解とコミュニケーションを促進する

言語能力に制約のある利用者に対しては、「はい」「いいえ」で答えられる質問や、選択肢から回答を選ぶ質問が有効です。こうした質問であれば、頷く、首を振るなどの身振りで意思を伝えることができます。

コミュニケーションスキルの習得と向上

コミュニケーションスキルの習得と向上

定期的なフィードバック

コミュニケーションスキルを習得・向上させるためには、定期的なフィードバックが有効です。自分の言動が他者にどのように影響を与えているかを理解することは、自己認識の重要な一部となります。

同僚や上司、利用者からのフィードバックを積極的に求め、受け入れることで、自分自身のコミュニケーションスキルの強みと弱みを客観的に理解するようにしましょう。

ワークショップや研修の活用

ワークショップや研修は、コミュニケーションスキルを磨く絶好の機会です。専門家から直接指導を受けることで、新たな視点や手法を学ぶことができます。また、同僚と共に参加することで、チーム全体のコミュニケーションスキルを高めることができます。

練習と経験

コミュニケーションスキルは、短期間で身につくものではありません。毎日の業務を通じて、少しずつ練習し経験を積むことで、向上していくものです。特に困難な状況や対人関係の中で得た経験は、自分自身のコミュニケーションスキルを磨く大切な糧となります。また、反省や自己分析を通じて、その経験から何を学び、どのように改善すべきかを理解することも重要となります。

メンタルヘルスの維持

コミュニケーションスキルを維持・向上させるためには、メンタルヘルスの維持も大事です。ストレスや過労が蓄積すると、コミュニケーションスキルが低下する恐れがあります。

適切な休息とリラクゼーション、趣味やリフレッシュする時間を確保することで、常に最良の状態でコミュニケーションを取ることが可能になります。

まとめ

コミュニケーションスキルは、介護士の仕事において欠かせないものと言えます。ですが、具体的にどのようにスキルを磨けばいいのか迷ってしまう方もおられるでしょう。そんな時には、D&Mキャリアへお気軽にご相談ください。あなたの成長を全力でサポートします。

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