条件マッチングの先にあるもの|本当のニーズを引き出すキャリアコンサルティング
「年収500万円以上、通勤時間1時間以内、土日休み」
転職活動を始める際、このような希望条件を整理される方は多いのではないでしょうか。
転職エージェントに登録するとまずこうした条件をヒアリングされて、それに合致する求人が紹介されます。
しかしこの「条件マッチング」だけで、本当に満足のいく転職ができるのでしょうか。
D&Mキャリアは、求職者が語る希望条件の裏にある「本当のニーズ」を引き出すことこそがキャリアコンサルティングの真髄だと考えています。
本コラムでは条件マッチングに終始する転職支援の限界と、本当のニーズを引き出すための具体的なアプローチについてお伝えします。
条件マッチングに終始する転職支援の限界
多くの転職エージェントは、求職者の希望条件と求人情報をマッチングさせることを主な業務としています。
まずはこのアプローチの問題点について考えてみましょう。
希望条件は本当に「本人が求めているもの」か?
転職相談の場で、求職者は様々な希望条件を口にします。
「年収は現状維持以上」「残業は少ない方がいい」「できれば管理職として働きたい」といった内容です。
しかし私たちの経験上、最初に語られる条件が本当に求めているものとは限りません。
ご本人が「これが自分の希望だ」と思い込んでいる条件が、実は本質的なニーズとずれていることは珍しくないのです。
たとえば、「年収600万円以上」という条件を挙げる方がいたとします。
しかしよくお話を伺うと、本当に重視しているのは「家族を養える経済的な安定」であって年収の額面そのものではないことがあります。
この場合、額面は少し下がっても福利厚生が充実している職場の方が実質的な満足度は高くなる可能性があります。
数字だけを見ていては見えないもの
条件マッチングの問題は、数字や項目だけで判断してしまうことにあります。
年収、勤務地、職種、休日数。これらは確かに重要な要素ですが、それだけでは「働きがい」や「将来のキャリア」といった目に見えない価値を捉えることは難しいでしょう。
転職エージェントが条件だけを聞いて求人を紹介して、求職者もその中から条件の良いものを選ぶ。
このプロセスでは、本当に自分に合った職場を見つけることは難しいと言わざるを得ません。
「本当にそうですか?」と問いかける意味
D&Mキャリアは求職者の言葉をそのまま受け取るのではなく、一歩踏み込んだ問いかけを大切にしています。
気づきを促すための対話

「年収が下がると転職する魅力がない」とおっしゃる求職者に対して、私たちは「そうでしょうか?」と問いかけることがあります。これは否定しているわけではありません。
ご本人が当たり前だと思っている前提を、改めて見つめ直していただくための問いかけです。
たとえば現在の年収が600万円で、転職先の提示が550万円だったとします。額面だけを見れば50万円のダウンです。
しかし内訳を確認すると現職は残業代込みで600万円、転職先は残業なしで550万円ということがあります。
時間当たりの単価で計算し直すと、実は転職先の方が高いというケースは少なくありません。
このような視点の転換を促すことも、転職エージェントの重要な役割です。
求職者に合わせた多様なアプローチ
気づきを促す方法は、求職者によって異なります。
私たちは相手の特性に合わせて、様々なアプローチを使い分けています。
質問を重ねて本音を引き出す
「どうしてその条件が重要なのですか」「それが叶わなかったらどうなりますか」といった質問を重ねることで、表面的な条件の奥にある本当の動機を明らかにしていきます。
具体的なイメージを伝える
「この職場で働くと、1日の流れはこのようになります」「5年後にはこういうポジションを目指せます」といった具体的なイメージを伝えることで、条件だけでは見えなかった魅力に気づいていただくことがあります。
数字を分解して対比する
年収の内訳(固定給と変動給)、実労働時間、福利厚生の金銭換算など、数字を細かく分解して対比表を作成することもあります。
求職者の立場で考えることの大切さ
なぜ私たちがこのような丁寧なアプローチを大切にしているのか、それには理由があります。
自らの転職活動で感じたこと
D&Mキャリアの担当者の中には、自分の転職活動を通じて「求職者としてどのような対応を受けると不安になるのか」を実感した者がいます。
たとえば面談の時間が十分に取れず、希望条件を伝えきれないまま求人を紹介された。
転職の背景や将来のキャリアについて深く聞いてもらえず、条件面だけで話が進んでしまった。
こうした経験は、求職者の立場に立った支援の大切さを改めて考えるきっかけとなりました。
転職エージェントにはそれぞれの方針や強みがあり、効率的なマッチングを重視するスタイルが合う求職者もいます。
しかし私たちは「自分が求職者だったらどう感じるか」という視点を常に持って、丁寧な対話を通じた支援を行うことを重視しています。
「好意的関心」を持って向き合う

D&Mキャリアが大切にしている姿勢の一つに、「好意的関心」があります。
相手に対して純粋な興味と関心を持ち、その人の幸せを願いながら話を聞くという姿勢です。
条件のマッチングはもちろん重要ですが、それだけでは見えてこないものがあります。
「この方にとって本当に良い転職とは何だろう」という視点を持つことで、表面的な条件の奥にある本質的なニーズに気づくことができるのです。
私たちは一人一人の求職者と真剣に向き合い、対話を重ねることを大切にしています。
じっくりとお話を伺う中で、ご本人も気づいていなかった価値観や優先順位が明らかになることも少なくありません。
そうしたプロセスを経た転職は、結果的に満足度の高いものになると信じています。
転職エージェントを選ぶ際のポイント
転職エージェントへの登録を検討されている方に向けて、いくつかのポイントをお伝えします。
条件以外の話も聞いてもらえるか
初回面談で希望条件を伝えた後、どのような質問をされるかは一つの判断材料となります。
「なぜ転職を考えているのか」「将来どのようなキャリアを描いているのか」といった質問がある場合、条件だけではなく背景や将来像も含めた支援を受けられる可能性が高いと言えるでしょう。
自分の話を聞いてくれるか
良い転職エージェントは、求職者の話を丁寧に聞きます。
一方的に求人を紹介するのではなく、対話を通じて本当のニーズを一緒に探ってくれる担当者を選ぶことをおすすめします。
耳の痛いことも言ってくれるか
求職者の言うことにすべて同調する転職エージェントが良いとは限りません。
「その条件だと難しいかもしれません」「この点について考え直してみませんか」といった率直なフィードバックをくれる担当者の方が、結果的に良い転職につながることが多いものです。
本当のニーズを見つける転職活動のために
転職活動において、希望条件を整理することは大切な第一歩です。
しかしその条件が本当に自分の求めているものかどうか、立ち止まって考えてみることも同じくらい重要です。
「年収」「勤務地」「職種」といった条件の裏には、「経済的な安定」「家族との時間」「やりがい」といった本質的なニーズが隠れています。
このニーズを明らかにすることで、条件だけでは見えなかった選択肢が広がることがあります。
D&Mキャリアは、条件マッチングだけに終わらない支援を行っています。
「本当にそうですか?」という問いかけを通じて、求職者一人一人の本当のニーズを一緒に探っていきます。
転職活動で何を優先すべきかわからない方や、条件は整理したけれど決め手に欠けるとお感じの方は、ぜひ一度ご相談ください。
対話を通じて、あなた自身も気づいていなかった本当のニーズを見つけるお手伝いをさせていただきます。
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