医療事務 2026.04.09

【次期事務長が見つからない】条件の交通整理が採用成功の鍵

【次期事務長が見つからない】条件の交通整理が採用成功の鍵

医療機関で事務長が定年や引退を迎える時期が近づいてくると、後任をどうするのかが課題になります。
内部に後任を担える人材がいれば引き継ぎもスムーズですが、そうでない場合は外部から採用を進めることになります。
しかし「次期事務長」の採用活動は、思いのほか難航することがあります。

事務長は業務の範囲が広く、「この経験があれば務まる」という明確な基準を設けにくいポジションです。
また、候補者を面接するたびに求める条件が増えていき、気づいた時には現実的に見つけることが難しい人物像になってしまうことがあります。

本コラムでは次期事務長の採用が難航する理由と、採用を前に進めるための考え方についてお伝えします。

なぜ「次期事務長」の採用は難しいのか

次期事務長の採用には、他のポジションにはない特有の難しさがあります。
その背景には事務長の仕事の範囲が広く、採用要件を定めにくいという事情があります。

「必須の経験」が定まりにくい

医事課長であればレセプト業務、経理課長であれば経理というように、多くのポジションには専門的な業務の軸があります。

一方で事務長の業務は総務を軸としながらも労務管理、施設管理、各部門との調整など、多岐にわたります。
他の部署が対応しきれない業務を最終的に引き受けるという側面もあり、「ここからここまでが事務長の仕事」と線引きしにくいポジションです。

そのため「この経験がなければ務まらない」という明確な基準を設けにくく、採用要件の整理が難しくなるのです。

若すぎても経験が足りず、ベテランでは世代交代にならない

次期事務長の採用においては、候補者の年齢をどの範囲で設定するのかが問題になります。

現在の事務長と同年代の人を採用すれば、数年後には同じように引退の時期を迎えてしまいます。
世代交代を見据えるのであれば、ある程度若い年代の人を採用する必要があります。

しかし若い年代の人には、事務長としての経験を持っている人が限られています。
そのため多くの場合は、数年かけて事務長へ育成することを前提とした採用になります。

育成を前提とするのであれば、「どのような経歴を持つ人を採用して、事務長へ育てていくのか」を考えることになります。

事務長に求められる経歴は、医療機関によって異なります。
医事課長の経験を重視するところもあれば、総務部門やシステム部門の経験者を求めるところもあります。
また、「代々、医事課長が次の事務長になる」という慣例がある医療機関もあれば、その時の採用決裁者の考えによって方針が決まることもあります。

採用活動を始める前に、「自院にとってどのような経歴を持つ人が必要なのか」を整理しておくことが大切です。

新しい上司を既存のメンバーが受け入れられるか

ここでさらに難しいのが、既存のメンバーとの関係です。

前述の通り、次期事務長の候補として30代後半から40代前半の人を総務課長に迎えるケースを考えてみます。
しかし総務課には、すでに40代から50代のメンバーが在籍していることがあります。
そこに総務の経験が浅い年下の人が課長として着任すれば、既存のメンバーから「なぜこの人が上司なのか」という反発が生まれる可能性があります。

しかし、経験が豊富であっても現在の事務長と同年代の人を採用すれば世代交代にはなりません。
年齢、経験、マネジメント力、人柄のすべてを満たす人を見つけるのは、まさに「針の穴に糸を通す」ような作業なのです。

条件が積み重なって「存在しない人物像」になる

条件が積み重なって「存在しない人物像」になる

そして次期事務長の採用では、面接を重ねるたびに求める条件が少しずつ増えていく傾向が見られます。
こうした「求める条件の積み重ね」が、結果として採用を停滞させてしまうのです。

面接のたびに条件が増えていく

D&Mキャリアが実際に関わった事例では、次期事務長の採用のために5人の候補者と面接を行ったものの決定に至らなかったケースがあります。

候補者の経歴は異業種でのマネジメント経験を経て医療機関に転職した人や、医療機関で長く勤務して管理職に就いている人など様々でした。

次期事務長という特殊なポジションだからこそ、面接を重ねるたびに「経験は良いが年齢が合わない」「人柄は良いがマネジメント経験が足りない」というように、見送りの理由もそれぞれ異なります。
そして見送った候補者の中で良かった部分を基準に、「次の人にはこの要素もほしい」と条件が一つずつ加わっていくのです。

こうして複数の候補者の良かった点を組み合わせていくうちに、一人の人間がすべてを備えることは現実的に難しいという水準にまで条件が膨らんでしまうことがあるのです。

判断基準が曖昧になる

こうなると、そもそも何を基準に候補者を評価すれば良いのかがわからなくなってきます。
当初は明確だったはずの採用の軸が面接を重ねるうちにぶれてしまい、「どのような人を求めているのか」が整理できなくなってきます。

こうした状況を防ぐためには、採用活動の中で「条件の交通整理」を行うことが大事です。

条件の「交通整理」が採用を前に進める

条件の「交通整理」が採用を前に進める

次期事務長の採用を前に進めるためには、譲れないポイントと柔軟に対応できるポイントを整理しましょう。

譲れないポイントを明確にする

まず取り組むべきなのは、今回の採用で譲れないポイントを明確にすることです。

例えば「5年後に事務長を引き継げる年代であること」が譲れないポイントであれば、候補者の年齢層はある程度絞られてきます。

一方で総務の経験や医療機関での勤務経験といった点については、必須とするのか柔軟に考えるのかを検討する余地があるかもしれません。

このような整理を行うことで、候補者を評価する際の判断基準が明確になり、面接のたびに条件が膨らんでいくことが防げます。

人材会社との連携で視野を広げる

条件の交通整理は、求人者と人材会社が一緒に取り組むことでより効果的に進められます。

D&Mキャリアでは候補者を推薦する際に「条件の一部には合致していませんが、こういう理由で一度面接していただきたいと考えています」というように、推薦の理由を明確にお伝えしています。
こうした「なぜこの人を推薦するのか」という理由を添えた推薦を行うことで、面接後のやり取りが変わってきます。

求人者から「推薦の理由は理解できたが、この点が自社には合わなかった」といった具体的なフィードバックをいただけるようになり、そのやり取りを重ねることで「本当に必要な条件は何なのか」が少しずつ明確になっていくのです。

条件を「削る」ことも選択肢の一つ

面接を重ねても採用に至らない場合は、条件の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

「この条件は本当に必要なのか」「この部分は入職後に育成できないか」といった視点で条件を見直すことで、候補者の幅が広がることがあります。

次期事務長のように長期的な育成を前提とした採用であれば、入職時点でのスキルや経験よりも人柄や学ぶ姿勢を重視するという判断も一つの考え方です。

条件の整理から始めてみませんか

事務長のように条件の整理が難しいポジションでは、採用活動が長期化することも珍しくありません。

面接を繰り返しても決まらない、求める人物像がわからなくなってきた。
そうした状況に陥った時こそ、立ち止まって条件の交通整理を行うタイミングです。

譲れないポイントはどこなのか、柔軟に考えられる部分はどこなのか。
こうした整理を行うだけでも、採用活動の方向性が見えてくることがあります。

D&Mキャリアでは推薦の意図を明確にした上で候補者をご紹介して、求人者と丁寧にすり合わせを行っています。
条件の整理から候補者の選定まで、一緒に考えながら採用活動を前に進めるお手伝いをいたします。

採用がなかなか進まないとお感じの際は、ぜひ一度D&Mキャリアへご相談ください。

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