【医療事務】レセプト返戻とは?査定との違いや再請求までの流れ
医療事務の主な仕事の1つであるレセプト請求に不備があると、レセプト返戻という対応を取られることがあります。
こちらの記事では、レセプト返戻とは何か、レセプト返戻に似た言葉であるレセプト査定とはどう違うのか、再請求をするまでの流れや、レセプト返戻がどういった理由でされるのかなどについて、ご説明します。
レセプト返戻とは
医療事務が作成した「レセプト=診療報酬明細書」が、審査側に適当でないとみなされて差し戻しを受けることを、「レセプト返戻」と言います。
保険請求上の適合性を確認した結果、内容が不適切であったり疑わしかったりする場合に、レセプト返戻が行われます。
レセプト返戻で指摘された項目を修正し再請求することは可能ですが、やりとりに日数がかかり診療報酬の支払いが遅れる原因となるため、レセプト作成後は、内容の確認を慎重に行うようにしましょう。
レセプト返戻とレセプト査定との違い
レセプト返戻とレセプト査定はよく勘違いされやすいですが、異なるものです。
レセプト査定は、「レセプト=診療報酬明細書」が審査側に適当でないとみなされて差し戻されるところまでは、レセプト返戻と同じです。
レセプト返戻では項目を指摘したレセプトが返却され再申請も可能ですが、レセプト査定ではレセプトの返却はされず、再請求を行うこともできません。
報酬の請求自体を認めないか、減点された報酬の支払いがなされます。
査定に異議がある場合には、審査支払機関に再審査の申し立てをすることができます。
レセプト返戻の再請求までの流れ
レセプト返戻が行われた場合には、先に説明した通り、再請求が可能です。
再請求までの流れは以下の通りです。
当月中に請求したレセプトは、翌月中に保険者及び、審査支払期間によって、審査されます。
請求内容に何らかの不備があるとみなされた場合には、おおよそ翌々月の初旬にレセプト返戻がなされます。
返戻されたレセプトには、不備があると思われる箇所に指摘がありますので、確認・修正の上、初回請求の翌々月10日までに審査支払期間への再請求を行う必要があります。
再請求を行った月の末日までに、保険者及び、審査支払期間が再審査を行い、そこで問題がなければ、翌々々月に診療報酬が支払われます。
再請求が遅れれば、その分、支払いが遅れることになるため、再請求はなるべく速やかに行うようにしましょう。
レセプト返戻の主な理由と対策
レセプト返戻は、主に以下のような理由で行われます。
事務手続きの間違い
記号や番号が間違っていたり、記載内容に不備があると、レセプト返戻が行われます。
同じ受診者でも保険証の記載が変わることがありますので、毎月の保険証確認は必ず実施しましょう。
受診者が扶養に入っているにも関わらず、被保険者名の欄に受診者本人の名前を記入されるケースもあるため、名前の確認にも注意が必要です。
記載に間違いがないか、書類の確認は入念に行いましょう。
保険法上の違反がある
医療機関では気にする必要はありませんが、保険法では同一部位の負傷に対し、医科と柔道整復師の施術による保険治療を同時に受けることを認めていません。
また、医科の治療は柔道整復師による治療よりも優先されています。
そのため、医科と柔道整復師から同一部位・同一の負傷への請求があると、医科の請求が優先され、柔道整復師からの請求はレセプト返戻の対象となります。
仮に1ヶ月以内に医療機関への通院履歴が無い場合であっても、投薬期間が重なっていると受診者は医師の管理下にあると考えられるため、柔道整復術に係る診療報酬の請求は返戻されます。
レセプト返戻を避けるため、整骨院・接骨院などの柔道整復師による施術を行う施設では、受診者が医療機関での診療や投薬を受けていないかの確認を取っておく必要があります。
おわりに
レセプト返戻について、ご説明しました。
医療機関の収益に関わる医療事務の重要な仕事であるレセプト請求ですが、場合によってはレセプト返戻やレセプト査定をされることがあります。
レセプトの返戻や査定をされると、報酬の支払いが遅れたり、支払いを受けることができなくなったりするため、医療事務は返戻や査定が行われないように、十分気を付けなければいけません。
病院側が対策をするのはもちろんのこと、医療事務としてもレセプト業務のスキルを上げて対策をするようにしましょう。
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