医療事務 最終更新日: 2026.10.14 公開日:2023.01.17

病院·クリニックの事務長になるには?資格は必要?転職で評価されるスキルも解説

医療機関の事務長

医療機関の運営を支える事務長になるには、資格よりも実務経験が重視されます。

本コラムでは、病院・クリニックの事務長を目指すキャリアルートや求められる経験・スキル、役立つ資格、転職成功のポイントを解説します。

事務長になるには?主なキャリアルート

事務長になる主なキャリアルートを解説します。

医事課や医療事務からキャリアアップする

病院では、医療事務や医事課で経験を積み、主任、係長、課長などの役職を経て、事務長へキャリアアップするケースがあります。

医事課では、診療報酬請求や医療保険制度など、医療機関の収益に直結する業務を経験できます。

実務経験を積むだけでなく、後輩の育成、業務フローの改善、他部門との調整などを担当することで、事務長に必要なマネジメント力を身につけられるでしょう。

総務・人事・財務などの管理部門を経由する

総務、人事、労務、財務、経理など、病院運営に関わる管理部門から事務長を目指すルートもあります。

事務長は医療事務だけでなく、人材採用、勤怠管理、予算管理、設備管理などの幅広い業務を統括します。

そのため、管理部門で専門知識を身につけ、複数の部署を調整した経験があると選考の際に有利です。

異業種の管理職経験を活かして転職する

診療所やクリニックでは、医療業界以外での管理職経験やマネジメント経験が評価される場合があります。

組織運営、人材育成、業務改善、店舗や拠点の管理などの経験は、医療機関でも活かすことができます。

一方で、病院では医療業界での勤務経験や、診療報酬制度、医療保険制度に関する知識を重視する傾向があります。

異業種から転職する場合は、自分の経験をそのまま当てはめるのではなく、医療現場の特徴を理解しながら応用する姿勢が必要です。

異業種から事務長への転職については、下記の記事もご覧ください。

>異業種から事務長に転職!悩みや課題を解決する方法

事務長候補・事務長補佐として経験を積む

事務長候補や事務長補佐、管理部門の責任者として入職し、段階的に担当範囲を広げる方法もあります。

現職の事務長や院長のもとで、収支管理、人事労務、行政対応、部門間調整などを経験できるため、未経験からいきなり事務長になるよりも、医療機関の運営を実務の中で学びやすいでしょう。

事務長になるために必須の資格はない

医師や看護師とは異なり、事務長になるために法律で定められた資格や免許はありません。

資格を持っていなくても、医療機関から任命されたり、事務長の求人に採用されたりすれば、事務長として働くことができます。

ただし、資格が必要ないからといって、誰にでも務まる仕事というわけではありません。

事務長は、院長の補佐、職員の管理、部門間の調整、収支管理、業務改善など、医療行為以外の幅広い業務に関わります。

そのため採用では、資格の有無よりも、組織をまとめた経験や課題を解決した実績が重視される傾向があります。

また、医療機関の規模や方針によって、求められる経験や応募条件は異なります。

求人を確認するときは、資格だけでなく、担当業務、必要な経験、組織の規模まで確認することが大切です。

事務長への転職で評価される経験

事務長に求められるスキル・経験

事務長への転職では、下記のように組織を動かし、成果につなげた経験が重視されます。

  • マネジメント経験
  • 部門間を調整した経験
  • 人事労務・業績改善・新規事業の経験
  • 新規事業の立ち上げ経験

詳しくみていきましょう。

マネジメント経験

これまでのキャリアで、どの程度の規模の組織やチームをマネジメントしてきたのかは重要な評価ポイントです。

役職名だけでは規模感が伝わりにくいため、職務経歴書にはマネジメントした人数を具体的に記載するとよいでしょう。

また、単にチームを管理した経験だけではなく、業務効率の改善、生産性向上、離職率の低下など、具体的な成果を上げた経験も大きなアピールポイントになります。

部門間を調整した経験

病院では、医局、看護部門、リハビリテーション部門、医事課、総務課など、異なる専門性を持つ部門が連携して業務を行います。

そのため、複数部門の意見や要望を調整し、組織全体として最適な解決策を導いた経験は、事務長への転職でも評価されます。

人事労務・業績改善・新規事業の経験

労働契約や労使間トラブルへの対応といった人事労務の経験、業務や収支を改善した実績、新規拠点や新規事業を立ち上げた経験なども有効です。

ただし、医療機関では収益性だけを追求するのではなく、医療の質との両立が求められます。

>【法規制の理解】事務長として理解しておきたい法律知識

新規事業の立ち上げ経験

新規拠点の開設や新たな取り組みの導入など、これまでにない課題に取り組んだ経験も評価のポイントとなります。

医療機関でも様々な変革が求められる中、新しいことに挑戦できる実行力は重要な要素です。

病院とクリニックでは求められる能力が異なる

規模による求められる能力の違い

労務、人事、総務など、事務長の仕事内容は多岐にわたります。

また、病院とクリニックでは求められる能力が異なることも特徴です。

それぞれの職場によって職務内容は異なりますが、参考までにどのような能力を求められるか一例をお伝えします。

病院の事務長に求められること

規模の大きい病院では、事務長自身がすべての実務を行うのではなく、複数の部署や管理職を統括する役割が中心になります。

医療業界に関する知識に加え、組織全体を見渡す視点、部門間の調整力、制度を構築する力、人材を計画的に育成する力が求められます。

医師や看護師などの専門職と連携しながら、経営方針を現場へ落とし込むことも重要です。

クリニックの事務長に求められること

クリニックでは、事務長が総務、人事、経理、広報、採用などの実務を直接担当する場合があります。

院長との距離が近く、経営者の右腕として、状況に応じて幅広い業務へ対応するフットワークの軽さが求められるのです。

組織規模が小さい分、意思決定や業務改善を進めやすい一方、担当範囲が明確に分かれていないこともあります。

転職前に、自分が担当する業務と権限、院長との役割分担を確認しておくことが重要です。

病院・クリニックの事務長への転職を成功させるコツ

事務長の転職成功のためには

経験の長さではなく成果を具体的に伝える

履歴書や職務経歴書では、これまで担当してきた業務を並べるだけでなく、取り組みの成果を具体的に示しましょう。

豊富な経験は大きな強みですが、勤務年数や役職だけでは、その経験を通じてどのような成果を上げたのかが採用担当者に伝わりにくいことがあります。

例えば、D&Mキャリアがご支援した、60代前半のM様は「病床稼働率を向上させた実績」を具体的な数値とともに職務経歴書へ記載したことが、採用の決め手の一つとなりました。

M様は、成果の数字だけでなく、院長や職員との調整方法、課題を解決するために取った行動、これまでのキャリアで培ったコミュニケーション力やマネジメント力についても、具体的なエピソードを交えて説明されました。

その結果、組織の課題を把握し、関係者をまとめながら成果を上げられる人材として評価されたのです。

事務長の経験をアピールするときは、次のような情報を数字で示すと、経験やスキルの価値が伝わりやすくなります。

  • 病床稼働率を何%から何%まで向上させたか
  • 管理していた職員や部署の人数
  • 残業時間や離職率をどの程度改善したか
  • コストをいくら削減したか
  • 採用人数や採用後の定着率
  • 新しい制度や業務フローを導入した結果

数字だけでなく成果に至った過程も示す

定量的な成果は、実績を分かりやすく伝えるために有効です。

ただし、数字だけを強調すると、事務長として重要なコミュニケーション力や調整力、職員に対する姿勢が伝わりにくくなることがあります。

例えば病床稼働率を向上させた実績を伝える場合は、数値だけでなく、次のような過程も説明するとよいでしょう。

  • 院長や各部門とどのように合意形成を行ったか
  • 現場の職員からどのように意見を集めたか
  • どのような課題を発見し、施策を実行したか
  • 職員の協力を得るために何を意識したか

事務長は、院長の右腕として組織全体を支える、いわば職場の「番頭」のような存在です。

成果の大きさだけでなく、その成果を実現するために周囲とどのように関わったのかを伝えることで、マネジメントスキルや人柄も示せます。

応募先の理念や方針への共感を伝える

事務長には、応募先の病院・クリニックが掲げる理念や経営方針を理解し、その実現に向けて組織を動かす役割が求められます。

そのため、面接では「なぜこの医療機関を選んだのか」「これまでの経験をどのように活かしたいのか」を具体的に伝えることが重要です。

履歴書・職務経歴書は「自分を売り込む資料」と考える

同じ医療機関で長く勤務してきた人は、近年の転職活動や応募書類の作成に慣れていないことがあります。

履歴書や職務経歴書は、経歴を記録するだけの書類ではありません。

自分の経験や強みを応募先へ伝えるための資料です。

作成するときは、次の内容を整理しましょう。

  • 担当してきた業務と責任範囲
  • マネジメントした組織や職員の規模
  • 解決した課題と具体的な成果
  • 院長や職員との関係構築で意識したこと
  • 応募先で活かせる経験
  • 応募先を選んだ理由

役職名や勤務年数だけに頼らず、「何を考え、どのように行動し、どのような結果を生み出したか」を記載すると、事務長としての実践力が伝わりやすくなります。

転職エージェントを活用して経験と強みを整理する

事務長が転職活動で気をつけるべきこと

どのようにアピールすればよいか迷う場合は、医療業界や管理職の転職支援の経験が豊富なエージェントへ相談することも、転職を成功させるための方法の一つです。

事務長の転職では、具体的な実績に加えて、応募先を選んだ理由、医療機関の理念への共感、職員に対する考え方などをバランスよく伝える必要があります。

転職エージェントは、履歴書や職務経歴書を添削するだけでなく、これまでの経験を整理し、本人が気づいていない強みを言語化する役割も担います。

実績や転職理由が明確になれば、転職エージェントも推薦文を作成しやすくなり、応募書類だけでは表現しきれない人柄や価値観を医療機関へ伝えられます。

私たちD&Mキャリアは、医療・介護業界のハイクラス転職に特化したエージェントです。

経営者との直接的なつながりを強みとしており、他媒体にはない非公開求人を多数保有しています。

経験豊富なキャリアコンサルタントが細やかにサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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