転職後に「今すぐ辞めたい」と感じたら?
転職を決意し期待を胸に新しい職場へ飛び込んだものの、「思っていたのと違う」「もう辞めたい」と感じることもあるかもしれません。
本コラムでは転職後に「今すぐ辞めたい」と感じた時に考えるべきことや、再転職を検討する際の注意点について解説します。
「今すぐ辞めたい」と感じる主な理由
転職後に「今すぐ辞めたい」と感じる理由は様々ですが、主な理由として次のようなものが考えられます。
業務内容が想像と異なっていた
例えば介護職で「利用者様と深く関わりたい」と思って転職したにも関わらず、実際は書類作成に多くの時間を取られてしまう、また医療事務で患者様とのふれあいを楽しみにしていたのに、請求業務が中心で患者様と接する機会が少ないといったケースです。このようなギャップに失望して、やりがいを見出せなくなり「辞めたい」と感じてしまうことがあります。
労働環境が説明と違った
残業時間が予想以上に多い、休憩が取りづらいなど面接時の説明と実際の労働環境に大きな乖離がある場合があります。このような状況が続くと身体的・精神的な負担が増大し、仕事と私生活のバランスが崩れ、限界を感じて「辞めたい」と考えるようになります。
人間関係の問題
新しい環境での人間関係に苦労する、また職場の雰囲気になじめないという場合があります。介護職や医療事務はチームワークが重要な職種ですので、人間関係の問題は大きなストレスとなります。このストレスが日々蓄積されることで、職場に行くこと自体が苦痛となり「辞めたい」という気持ちが生まれます。
スキルや経験が活かせない
前職での経験やスキルが、新しい職場では思うように活かせないと感じることがあります。例えば前職で培った介護技術や医療知識が新しい職場では通用しない、重視されないということがあります。このような状況が続くと、「今の職場は自分には向いていない」と感じて「辞めたい」と考えるようになります。
キャリアアップの機会が少ない
期待していたような研修制度がない、スキルアップの機会が限られているなど将来的なキャリアに不安を感じる場合もあります。自分の成長や将来のキャリアアップの道筋が見えないことでモチベーションが低下して、「辞めたい」という気持ちが芽生えます。
すぐに辞めることのリスク
転職後すぐに辞めてしまうと、次のようなリスクがあります。これらのリスクを十分に理解して、慎重に判断することが大事です。
短期離職のデメリット
介護職や医療事務は、継続的なケアや業務の安定性が重視される職種です。短期間で退職を繰り返すと、次の転職時に不利になる可能性があります。例えば採用担当者から「またすぐに辞めてしまうのではないか」という不安を抱かれて、選考過程で不利に働く可能性があります。
キャリアの空白期間
すぐに次の職が見つからない場合、キャリアに空白期間ができてしまいます。特に介護職や医療事務のような専門職では、ブランクによるスキルの低下を懸念されることがあります。
経済的なリスク
次の職が決まっていない状態での退職は、生活に大きな影響を与える可能性があります。失業保険を受給できたとしても、その金額や期間には制限があり、長期的な生活設計に支障を来す可能性があります。
辞める前に考えるべきこと
短期間での退職は、前述のようなリスクも伴います。次の点を十分に考慮して慎重に判断しましょう。
現状を客観的に分析する
「辞めたい」と感じる具体的な理由を、できるだけ詳細に書き出してみましょう。感情的な理由ではなく、客観的な事実に基づいて分析することが重要です。
介護職の場合(例)
- 身体的負担:1日の介助回数が予想以上に多く、腰痛がひどくなっている
- 勤務体制:夜勤が月8回あり、体力的にきつい。睡眠リズムが乱れている
- 精神的ストレス:認知症の利用者様への対応に自信がなく、毎日不安を感じる
医療事務の場合(例)
- 受診者対応:クレーム対応に不安があり、苦情を受けると強いストレスを感じる
- 時間外労働:残業が多く、月の時間外労働が40時間を超えることがある
このように具体的に書き出すことで、問題の本質が見えてきます。またこれらの課題が一時的なものなのか、継続的なものなのかを見極めることも大切です。
改善の可能性を探る
上司や先輩に相談して、現状を改善できる可能性はないか検討してみましょう。例えば介護職で身体的負担が大きい場合には、業務の分担や役割の見直しを提案してみましょう。医療事務でスキル不足を感じる場合には、研修の機会を増やしてもらえないか相談するのも一案です。
職場での問題点を具体的に伝えて、建設的な改善策を提案することで状況が好転する可能性があります。
適応までの期間を見極める
新しい環境に慣れるまでには時間がかかります。最低でも3ヶ月から半年程度は様子を見ることをおすすめします。この期間で、自分の成長や環境への適応が感じられるかどうかを判断しましょう。
キャリアプランを再考する
現在の職場での経験が、今後のキャリア形成にどう結びつくのかを考えて再転職するべきかどうかを判断しましょう。
介護職の場合
現在の施設で得られる経験や技術が、将来のキャリアアップにつながるのかどうかを評価しましょう。例えば特定の介護技術(認知症ケア、リハビリテーション支援など)を深く学べる環境にあるか、それがあなたの目指す専門性と一致しているのかを考えます。
また将来的に管理職やケアマネージャーを目指すのであれば、現在の職場でリーダーシップを発揮する機会や、ケアプラン作成に関わる経験が得られるのかどうかも重要なポイントとなります。
医療事務の場合
現在の業務が医療事務としての成長にどうつながるのか、長期的なキャリアアップの観点から評価しましょう。例えば多様な診療科の知識を幅広く習得できる環境にあるのか、または特定の診療科の専門性を深められるのかなどを確認します。
再転職に向けた準備
現在の職場での継続が難しいと判断して再転職を検討する場合、以下の点に注意して準備を進めましょう。
自己分析と転職の軸を明確にする
現在の職場で感じた課題や不満を整理して、次の職場に求めるものを明確にしましょう。
- 介護職の場合:「利用者様との関わりを重視したい」「リーダーとしてのスキルを磨きたい」など
- 医療事務の場合:「専門性を高めたい診療科がある」「ワークライフバランスを重視したい」など
これらの軸をもとに、自分に合った職場を探す基準を作りましょう。
現在の職場での経験を整理する
現在の職場で得た経験や学びを具体的にリストアップしましょう。
- 新しく習得した介護技術や医療知識
- コミュニケーションスキルの向上
- 業務効率化のアイデアの提案・実践
など
これらを次の職場でどう活かせるのか、再転職での面接時に具体的に説明できるように準備しておきましょう。
スキルアップの計画を立てる
現在の職場にいる間に、次の職場で活かせるスキルを磨きましょう。
- 資格取得:介護福祉士、診療報酬請求事務能力認定試験など
- オンライン講座の受講:介護技術、医療事務の専門知識など
これらの取り組みは、再転職時のアピールポイントになります。
転職後に「今すぐ辞めたい」と感じた時は
転職後に「今すぐ辞めたい」と感じることは、決して珍しいことではありません。しかし衝動的に行動するのではなく、現状をしっかりと分析して改善の可能性を探ることが大切です。
それでも継続が難しいと判断した場合は、これまでの経験を活かしてより慎重に次の転職先を選ぶことが重要です。介護職や医療事務は、人々の生活や健康に直接関わる大切な仕事です。自分に合った環境でやりがいを持って働くことができれば、きっと素晴らしいキャリアを築くことができるはずです。
D&Mキャリアは、あなたの転職成功に向けて全力でサポートします。転職に関する不安や疑問があれば、まずは一度お気軽にご相談ください。
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