「キャリアアップ」という言葉の曖昧さと使用時の注意点
転職活動において「キャリアアップ」という言葉がよく使われます。しかしこの言葉の意味は人によって異なり、受け取る側の解釈も様々です。
本コラムではキャリアアップという言葉を転職活動で使用する際の注意点を解説します。
「キャリアアップ」の意味
キャリアアップという言葉は、一般的には「職務上の能力を向上させて、経歴を高めること」を指します。しかし実際にはこの言葉を使う人の価値観や考え方、状況によって、その内容は異なります。
つまりキャリアアップという言葉の意味は多様で、曖昧であると言えます。
収入アップを意味する場合
ある人にとってキャリアアップとは「収入を上げること」を意味します。より高い年収を得られる職場への転職を目指す際、キャリアアップという言葉が使われることがあります。
職種・ポジションの向上を意味する場合
キャリアアップを「職種やポジションの向上」と捉える人もいます。例えば介護施設で介護スタッフとして働いている人が介護主任(介護リーダー)を目指すケースなどです。
組織の規模の大きさを意味する場合
中にはキャリアアップを「組織の規模の大きさ」と結びつける人もいます。より大きな組織で働くことを目指す場合に、キャリアアップという言葉が用いられることがあります。
「キャリアアップ」の定義を明確にする重要性
キャリアアップの意味は人によって異なるため、転職活動の面接で安易に使用すると誤解を招くことがあります。
例えばある人にとってのキャリアアップは給与アップを意味するものの、採用担当者が考えるキャリアアップが職種やポジションの向上だった場合、認識のズレが生じます。
自分なりのキャリアアップの定義を明確にし、面接でそれを具体的に伝えることで、採用担当者とのコミュニケーションがスムーズになります。
また自分のキャリアプランを明確に示すことで採用担当者からの信頼も得られるでしょう。
給与を上げることがキャリアアップの定義の場合
給与アップがキャリアアップの定義なら、面接では「これまでの経験とスキルを活かしてより高い価値を提供し、それに見合った対価を得ていきたい」といった思いを伝えましょう。
単に「給与アップ」が転職の目的であると言うと、採用担当者には「給与が高くなればどこでも良いと考えている」と思われてしまいますので、伝え方には注意しましょう。
職種・ポジションの向上がキャリアアップの定義の場合
職種やポジションの向上がキャリアアップの定義なら、面接では「現在の職種やポジションから、さらに上を目指したい」という思いを伝えましょう。
目指すポジションに必要な能力やスキルを明確にし、それを身につけるための行動計画について語ることで、キャリアアップへの意欲を示せます。
所属する組織の規模を大きくすることがキャリアアップの定義の場合
より大きな組織で働くことがキャリアアップの定義なら、面接では「規模の大きな組織で多様な経験を積み、自分の可能性を広げていきたい」といった思いを伝えましょう。
大規模な組織で働くことで実現したいキャリアプランについて具体的に語ることで、その意欲を採用担当者に伝えられます。
面接で具体的な目標を伝えることの重要性
転職活動の面接ではキャリアアップという抽象的な言葉を使うのではなく、自分の目指すキャリアを具体的に伝えることが重要です。なぜならキャリアアップの意味は人によって異なるため、採用担当者との認識のズレを招く可能性があるからです。自分の目標を明確に伝えることでそのようなズレを防ぎ、採用担当者との良好なコミュニケーションがはかれます。
また具体的な目標を示すことで、自分のキャリアビジョンを明確に示すこともできます。これは採用担当者にあなたの仕事に対する意欲や熱意を伝える良い機会となるでしょう。
以下に、具体的な目標の例をいくつか挙げます。
「マネジメント業務を経験し、将来的には管理職を目指したい」
この目標を伝えることで、リーダーシップスキルの向上と管理職としてのキャリア形成への意欲を示せます。
転職先で経験を積みたい具体的な業務として、以下のようなものが挙げられます。
- チームのマネジメント
- 部下の育成・指導
- 組織目標の設定と達成に向けたプランニング
- 他部署との調整・交渉
これらの経験を積みたいという思いを伝えることで、管理職を目指す上で必要なスキルアップへの意欲を示せます。
「介護技術を磨き、専門性を高めたい」
この目標を伝えることで、介護のスペシャリストとしてのキャリア形成への意欲を示せます。
転職先で経験を積みたい具体的な業務として、以下のようなものが挙げられます。
- 高度な介護技術の習得と実践
- 認定資格の取得
- 後輩スタッフへの技術指導
- 介護計画の作成と評価
これらの経験を積みたいという思いを伝えることで、介護の専門性を高めたいという意欲を示せます。
「より大規模な組織で、幅広い業務に携わりたい」
この目標を伝えることで、組織マネジメントや多様な業務経験を積みたいという意欲を示せます。
大規模な組織で経験できる可能性のある業務として、以下のようなものが挙げられます。
- 事業計画の立案と実行
- 複数部署にまたがるプロジェクトへの参画
- 組織改革の提案と実行
これらの経験を通じて総合的なマネジメント能力を向上させたいという思いを伝えましょう。
「前の職場をキャリアアップのために辞めた」と伝えることの問題点
面接で転職理由を尋ねられた際、「前の職場をキャリアアップのために辞めた」と安易に答えるのは避けた方が賢明です。
転職理由を話す際は、以下のような点に留意しましょう。
前の職場への感謝の気持ちを疑われる恐れがある
「キャリアアップのために辞めた」という表現は、前の職場で得た経験を否定しているようにも聞こえます。長年勤めた職場に感謝の念がないのではないかと採用担当者に疑念を抱かせてしまう可能性があります。
そのため前の職場を辞めた理由を伝える際は、その職場で得た経験や学びに感謝の気持ちを示しつつ、それを今後のキャリアにどう活かしていきたいかを丁寧に説明することが大切です。
転職の目的を伝える
例えば「ライフステージの変化を見据えて収入を増やしたい」「介護スタッフとしてのスキルをさらに高めたい」など、転職の目的を具体的に伝えましょう。なぜそのような目的を持つに至ったのか、前職での経験も交えて説明することで採用担当者により伝わりやすくなります。
転職に至ったストーリーを伝える
転職を考えるに至った経緯を、これまでのキャリアを踏まえてストーリー仕立てで伝えるのが効果的です。これまでのキャリアを振り返り前の職場で得た経験、スキル、自分の成長できた点などを整理して、前職で感じた課題も含めて転職の理由を論理的に説明しましょう。それにより採用担当者もあなたのバックグラウンドをより深く理解できるでしょう。
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「キャリアアップ」という言葉の使い方一つとっても様々な悩みが生じるものです。
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