転職活動における「自己開示」とは?
人材会社を利用して転職活動を進める中で、転職エージェントへの「自己開示」は非常に重要です。しかし「自己開示」とは具体的に何を指し、なぜ重要なのでしょうか。また自己開示が苦手な人はどのように行動すれば良いのでしょうか。
本コラムでは、転職活動における「自己開示」の重要性についてご説明します。
転職活動における「自己開示」とは?
まずは「自己開示」の定義を確認しましょう。
転職活動における「自己開示」とは、求職者が自分の情報を転職エージェントと共有することを指します。
転職エージェントは求職者の情報を得るために、様々な質問をします。以下に、転職エージェントからよく質問されることをご紹介します。
職歴と職務内容
転職エージェントは求職者の経歴を掘り下げて整理し、これまでの経験やキャリアの棚卸しを行います。求職者が前職(現職)でどのような業務を担当し、どういった成果を上げてスキルを磨いてきたのかを把握します。
保有するスキルや資格
職務に関連するスキルや資格は、求職者の専門性や能力をアピールする重要なものです。応募を考えている職種に直接関係するスキルや資格を持っている場合は必ず伝えましょう。
例えば医療事務であれば電子カルテの使用経験、介護職であれば介護福祉士の資格などが該当します。
キャリアにおける目標や展望
転職活動を通してどんなキャリアを実現させたいのか、どんなライフプランを思い描いているのかを転職エージェントと共に明確にしていきます。
短期的な目標だけではなく5年後、10年後のキャリアビジョンも共有することで、より最適な転職先を提案してもらうことができるようになります。
転職の理由や動機
なぜ転職を考えているのか、その理由を率直に伝えることが大切です。転職エージェントは転職を考えるに至ったきっかけなどをヒアリングしながら、転職先を決めるにあたって重視していること、仕事観、価値観を明確にしていきます。
希望する労働条件
給与、勤務地、勤務時間、勤務スタイル、福利厚生など転職先に求める具体的な希望条件を共有していきます。
求職者はまずはストレートに希望を伝えることが大切です。条件面だけでなく、なぜそのような条件を希望するのかの理由も併せて伝えましょう。
自己開示をするメリット
次に、転職エージェントに自己開示をするメリットを見ていきましょう。
自己開示とは単に経歴や希望条件を伝えるだけではなく、あなたの価値観、キャリアへの思い、そして現在の生活状況まで包括的に共有することを指します。これは、転職活動をより効果的に進める上で重要となります。
最適な求人とのマッチングのため
求職者の自己開示により、転職エージェントはより最適な求人を紹介することができます。
例えば介護職を希望する場合、「夜勤の少ない職場を希望します」と伝えるだけでは不十分な場合があります。「毎日夕方には家族の迎えがあるため、週2回までなら夜勤が可能です」というように、現在のライフスタイルも含めて具体的に伝えることが大切です。
このように希望の理由も共有することで転職エージェントはあなたの状況をより深く理解し、ライフスタイルに合った求人を提案しやすくなります。
市場とのマッチングを確認するため
転職エージェントに自己開示をすることで、希望条件と市場相場に違いがある場合にはその情報をもとに修正することができます。
例えば希望給与が市場相場と大きく乖離している場合、転職エージェントから適切なアドバイスを受けることで、より現実的な条件設定が可能になります。
自己理解を深めるため
自己開示は、求職者自身のキャリアを見つめ直す良い機会になります。転職の理由や希望する働き方を言葉にすることで、自分のキャリアに対する考えがはっきりすることがあります。
例えば「今の介護施設では利用者と接する時間が少なくて…」と話しているうちに、「自分は利用者と深く関わる仕事がしたかったのだ」と気づくかもしれません。こういった気づきは転職の軸を明確にし、より満足度の高い転職を叶えることに繋がります。
求人者視点も考慮した表現を確認するため
自己開示を通じて、転職エージェントから第三者の視点でのフィードバックを得ることができます。
例えばこれまで行ってきた退職理由の説明が求人者にとって伝わりにくい、あるいはネガティブな誤解を生みかねない表現であった場合、より適切な表現方法をアドバイスしてもらえます。これにより、面接での自己アピールをより効果的に行うことができるようになります。
自己開示をする時のポイント
自己開示の重要性は理解できても、実際にどのように行えば良いのか悩む人もいるかもしれません。ここでは、自己開示をする時のポイントについて解説します。
事実を伝える
自己開示の際は、事実に基づいた情報を伝えることが重要です。
経歴や実績を誇張する、虚偽の情報を伝えることは避けましょう。これらは後々、トラブルの元となる可能性があります。
ポジティブな面だけでなく、課題も率直に伝える
自己開示は自分の長所や成功体験だけではなく、課題や失敗経験も含めて率直に伝えることが大切です。
例えば「認知症ケアに課題があると感じており、現在、認知症介護実践研修(実践者研修)の受講を予定しています」というように、課題と共にその改善への取り組みを伝えましょう。
転職理由は具体的に説明する
転職理由を説明する際は、表面的な回答ではなく具体的な状況や自分の思いを伝えることが重要です。
例えば「一身上の都合で退職しました」という回答だけではなく「限られた時間内で処理しなければならないタスクが多く、プレッシャーが大きかったため、自分のペースで働ける環境を探しています」というように具体的な説明をすることで、転職エージェントはあなたに合った職場を探しやすくなります。
質問の意図を理解する
転職エージェントからの質問に対して、なぜそのような質問をされているのかを理解することも大切です。
例えば希望の勤務時間や通勤時間について質問された時、単に「17時までの勤務を希望します」と答えるのではなく、「子供の送迎があるため、18時までには帰宅する必要があります。そのため通勤時間も含めて考えると17時終業が理想です」と希望の背景にある理由も含めて説明すると良いでしょう。
自己開示が苦手な人へのアドバイス
自己開示の重要性は理解できていても、実践にそれを行うとなると戸惑う人もいるでしょう。ここでは、自己開示が苦手な人に役立つヒントをお伝えします。
自己開示の目的を理解する
自己開示が苦手な人の多くは、なぜ詳細な情報を伝える必要があるのかという疑問を持っています。しかし自己開示の目的を理解することで、その必要性が納得できるようになります。
例えば退職理由を詳しく聞かれることに抵抗を感じる人もいますが、転職エージェントがこうした質問を投げかけるのは、次の職場でも同じような理由で退職することを防ぎ、あなたにとってより適切な職場を見つけるためなのです。
質問の意図を確認する
質問をされた際に、なぜその情報が必要なのかわからない場合は質問の意図を確認しましょう。プロフェッショナルな転職エージェントであればなぜその質問をするのか、またどのようにその情報を活用するのかを丁寧に説明してくれるはずです。
他のサービスと同じように考える
自己開示を難しく考える必要はありません。例えば保険を見直す時や車を購入する時にも、自分の生活スタイルや好みを伝えることでより適切なプランや商品を提案してもらえます。
転職活動も同じで、自分のニーズやこだわるポイントを伝えることでより適切な求人を紹介してもらえるようになります。
理想の転職先に出会うために
転職活動において自分のありのままの価値観や経験を語る「自己開示」は、理想の職場に出会う上で重要です。
しかし慣れないうちは自分の情報を開示することに抵抗を感じる人も多いものです。そのような不安を解消して円滑な自己開示をサポートするために、D&Mキャリアでは丁寧なヒアリングを心がけています。
自分の経験や希望をうまく伝えられるか心配な人も、まずはD&Mキャリアへお気軽にご相談ください。あなたにとって最適なキャリアを一緒に築いていきましょう。
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