【自責思考と他責思考】転職活動を左右する思考法とその身につけ方
転職活動において自分の行動や決定に責任を持つ「自責思考」と、他人や環境のせいにする「他責思考」は、成功と失敗を分ける重要な要素となります。
本コラムでは自責思考と他責思考がどのように転職活動に影響を与えるのか、そしてどのように自責思考を身につけることができるのかについて解説します。
自責思考と他責思考の定義
まずは、自責思考と他責思考の定義を解説します。
自責思考とは
自責思考とは自分の行動や決定に責任を持ち、結果を自分の判断や行動によるものとして受け止める考え方です。
自責思考の人は失敗や困難な状況に直面しても、自分で改善できる点を探し積極的に行動を起こす傾向にあります。
例えば転職後に職場環境に馴染めなかった場合、「事前にもっと詳しく職場の雰囲気を確認すべきだった」と自分の行動を振り返る姿勢が自責思考です。
他責思考とは
他責思考とは、自分の行動や結果の責任は他人や環境にあるとする考え方です。他責思考の人は失敗や困難な状況に直面した際に、その原因を外部要因に求める傾向にあります。
例えば先ほどと同じ転職後に職場環境に馴染めないという状況では「転職エージェントが良い職場だと言ったのに、実際は違った」と外部に原因を求める姿勢が他責思考です。
自責思考の重要性
転職活動において、自責思考を持つことは重要です。下記にその理由をいくつか挙げます。
判断力と決定力が高まる
自責思考を持つ人は、自分で判断し決定する能力が高くなると言えます。
転職活動では様々な情報を収集して自分にとって最適な選択をする必要があるため、自責思考を持つことで他人の意見に振り回されることなく、自分の価値観や目標に基づいた決定ができるようになります。
情報収集の質が高まる
自責思考の人は自分の判断に責任を持つため、より詳細で正確な情報収集を行う傾向にあります。
例えば求人情報を見る際も、表面的な情報だけではなく企業の理念や文化、実際の業務内容などについても深く調べようとします。これにより入社後のミスマッチを防ぐことができます。
面接での印象が良くなる
自責思考を持つ人は、面接官に対してより良い印象を与えられる傾向にあります。なぜなら自分の経験や決定について、明確な理由や考えを持って説明できるからです。
例えば過去の転職理由を説明する際も「会社が悪かった」ではなく、「自分のキャリアプランと合わなくなったため、新しい挑戦を決意した」といった前向きな説明ができます。
長期的なキャリア形成につながる
自責思考の人は長期的な視点でキャリアを考える傾向にあり、給与や福利厚生といった目先の条件だけではなく自分の成長や将来的なキャリアを考慮して転職先を選びます。
これにより長期的なキャリア形成につながります。
他責思考の問題点
一方で、他責思考には以下のような問題点があります。
情報収集の不足
他責思考の人は自分で十分な情報収集を行わず、転職エージェントや知人の言葉を鵜呑みにしてしまう傾向にあります。
これにより、入社後に「聞いていた話と違う」といったミスマッチが発生しやすくなります。
短期的な視点での判断
他責思考の人は、目先の条件だけで判断してしまいがちです。例えば給与が高いという理由だけで転職を決めてしまい、業務内容や企業文化とのミスマッチに気づかないことがあります。
面接での印象悪化
他責思考の人は過去の転職理由や職場での問題について、他者や環境のせいにする傾向にあります。これは面接官に悪印象を与え、採用の可能性を下げてしまいます。
キャリアの停滞
他責思考の人は、自己成長の機会を逃しやすくなります。
問題や失敗の原因を常に外部に求めるため自己改善の機会を逃してしまい、結果としてキャリアの停滞につながる可能性があります。
短期離職のリスク
他責思考で転職を決めた場合、職場とのミスマッチによる短期離職のリスクが高まります。
例えば転職エージェントの言葉を鵜呑みにして入職したものの、実際の労働環境が想像と異なりすぐに退職を考えるようなケースが挙げられます。
自責思考を身につけるためのポイント
それでは、どのように自責思考を身につけることができるのでしょうか。以下にいくつかのポイントを挙げます。
自己分析を徹底する
転職活動を開始する前に自分の強みや弱み、価値観、目標を明確にすることで自分の判断に自信を持つことができます。
また、自己分析を通じてどのような環境で働きたいのかをしっかりと考えることも有効です。「受診者とのコミュニケーションを大切にしたい」「管理職を目指したい」といった自分の価値観や目標を明確にしましょう。
失敗を学びの機会と捉える
失敗や挫折を経験した際に、他人や環境のせいにするのではなく、そこから何を学べるのかを考えましょう。
例えば入社後にミスマッチを感じた場合、「会社が悪かった」と考えるのではなく「自分の情報収集が不十分だった」「自分の価値観と合っているかどうかの確認が足りなかった」といった反省点を見つけて、次の転職活動に活かすことが大切です。
決断の理由を言語化する
転職先を選ぶ際には、なぜその職場を選んだのか理由を言語化してみましょう。「給与が高いから」「知人に勧められたから」といった表面的な理由ではなく、自分のキャリアプランや価値観とどのように合致しているのかを考えることが大切です。
多方面から情報収集をする
一つの情報源に頼らず、様々な角度から情報を集めることが大切です。
例えば転職サイトの情報、転職エージェントからのアドバイス、職場見学など様々な情報源を活用しましょう。
特に転職エージェントは有用な情報源ですが、最終的な判断は自分で行うことが重要です。転職エージェントの意見を参考にしつつも、常に「なぜこの選択をするのか」を自分で考えて、決定するようにしましょう。
転職エージェントの適切な活用法
転職エージェントは転職活動において様々なサポートを提供してくれますが、その活用方法にも注意が必要です。
情報源として活用する
転職エージェントを単なる「転職先を紹介してくれる人」としてではなく、業界や職場に関する豊富な情報を持つ情報源として活用しましょう。
例えば「この病院の給与水準は同規模の病院と比較して高い方です」といった、相対的な評価を聞くこともできます。
主体性を持って相談する
転職エージェントとの対話では、受け身にならず主体的に質問をすることが大切です。
例えば「この職場でのキャリアアップの可能性はどうなのでしょうか」「夜勤の頻度はどのくらいですか」など、自分にとって重要な点を積極的に確認しましょう。
自責思考と他責思考の実例
ここで自責思考と他責思考の違いが実際の転職活動でどのように表れるのか、具体例を挙げて説明します。
自責思考のAさんの場合
Aさんは複数の病院の求人情報を比較し、それぞれの特徴や勤務条件を細かく調べました。また実際に働いている人の口コミ情報も参考にしながら、自分の希望する働き方と照らし合わせて検討しました。
面接では「長期的にキャリアアップできる環境を求めており、貴院の研修制度に魅力を感じました」と自分の判断基準を明確に伝えることができました。
他責思考のBさんの場合
Bさんは知人が勧めた病院に応募し、給与条件だけで判断して入職を決めました。しかし入職後に「聞いていた話と違う」と感じて、すぐに退職を考え始めました。
その後、再び転職活動を始めましたが、前回の反省を活かすことはありませんでした。新しい職場の面接では「前の職場の人間関係が悪くて辞めました」と説明して、自分の判断や行動については触れませんでした。
自責思考で転職活動を進めるために
転職は人生の大きな岐路です。その決断を他人任せにするのではなく、自分で考えて決定することが重要です。たとえ結果が思わしくなくても、その経験から学び、次のステップに活かすことができるのが自責思考の強みです。
D&Mキャリアでは求職者の皆様の自己分析や情報収集をサポートし、自責思考での転職活動を支援しています。転職に関する悩みや疑問がある方はぜひご相談ください。
会員登録がまだの方へ
- 転職エージェントからのスカウトが届く
- 非公開求人にもエントリーできる
- 転職サポートを受けられる
他にもさまざまなメリットが受けられます。まずはお気軽にご登録ください。