面接での自己PR術

求職者一人一人に独自の経験、スキル、知識があります。これらの特性は転職活動での自己PRの基礎となります。面接ではこうした要素を効果的に面接官へ伝えることが大事です。

面接は、応募先企業にとってあなたが価値のある存在であることを示すための貴重な機会です。

本コラムでは「面接での自己PR術」について詳しく解説します。

「最高のプレゼンター」になるために

面接官はあなたの経験、スキル、価値観、自社とのマッチングを把握したいと考えています。あなたは「あなた自身を最もよく理解している人間」かもしれませんが、自分自身を有効にアピールできる「最高のプレゼンター」であるとは限りません。最高のプレゼンターとなるために、次のような取り組みを行ってみましょう。

自己分析

自分の強み、弱み、興味、経験などを分析して、面接官へどのようにアピールするべきなのか具体的な戦略を練りましょう。自己分析を行うことで、自身の経験やスキルが応募先企業とどのようにマッチしているのかも明確になります。

自分の強みを理解する

自分の強みを知ることは、面接で自信を持って話すために欠かせません。自分が他の求職者と差別化できる点や、応募先企業に付加価値を提供できるスキルや経験は何か、具体的に挙げてみましょう。

自分の弱みを受け入れる

自分の弱みを把握して、それをどのように改善していくかを考えることも重要です。完璧な人間はいません。大切なのは自分の弱点を認めて、それにどう対処するかです。自己改善への意欲は面接官に好印象を与えるはずです。

興味と情熱を掘り下げる

どんなことに興味があり、何に情熱を燃やしているかを掘り下げることで、あなた自身のパーソナリティや価値観を明確に伝えられます。

経験を評価する

過去の経験はあなたがどのようなスキルを持ち、どのような課題を解決できるかを示す「物語」です。自分の経歴を振り返り、学んだことや成し遂げたことを面接官に伝えるストーリーを作成しましょう。

ストーリーテリング

自分の強みや経験を列挙するだけではなく、「ストーリーテリング」を用いてそれらを面接官に伝えるようにしましょう。ストーリーテリングとは、自分の経験や視点を物語形式で伝える技術のことです。

あなたが直面した課題やそれをどう克服したのか、そしてその経験から何を学んだのかというエピソードを織り交ぜることで能力や人間性をより深く理解してもらえます。以下に面接でのストーリーテリングの具体的な方法をいくつか紹介します。

ポイントを明確にする

あなたが話の中で何を伝えたいのか、ポイントを明確にすることが大事です。例えばあなたがチームでの困難を乗り越えたエピソードを話す場合、そのポイントはリーダーシップやチームワークがあなたの強みであることを示すことと言えます。

感情を交えて話す

あなたが直面した課題や経験をどのように感じて、どのように対応したのかをストーリーに含めることで、物語はより鮮やかなものとなります。これは面接官があなたのパーソナリティや価値観を知るのに役立ちます。

細部まで詳細に話す

ストーリーを細部まで詳細に話すことで、よりリアルで説得力のあるものになります。曖昧な表現ではなく具体的な事実や数字を用いることで、あなたの話は具体的なイメージを伴って面接官に伝わります。

フィードバック

自己PRが他人にどのように伝わっているのかを確認することも大事です。家族や友人、また転職エージェントと模擬面接を行い、フィードバックを受けることで自分では気付かなかった課題や改善点が見つかるかもしれません。

「緊張」を和らげるために

自分を効果的にプレゼンテーションしたいと思っていても、緊張してしまって上手くいかないことがあります。面接での緊張は避けがたいものですが、次のような対策で緩和させることが可能です。

緊張の原因を分析する

面接で緊張する原因として面接官がどんな人か分からない、何を聞かれるのか予想できない、質問にどう答えるべきなのか定まっていないことなどが挙げられます。緊張の原因を分析することで気持ちが落ち着き、感情のコントロールが可能になります。

準備をしっかりと行う

事前に自分が伝えたいメッセージや予想される質問への回答を準備することで、自信を持って面接に臨むことができます。またどんな人が面接を担当するのかを事前に調べることも、緊張を緩和させるのに有効です。

深呼吸をする

面接前や面接中に深呼吸をすることで、心拍数を落としてリラックスできるようになります。すぐに取り入れられる方法なので、是非実践してみましょう。

自己肯定感を高める

自分を信じて、自己肯定感を高めることが重要です。「自分は応募先企業が求める経験やスキルを持っている」とポジティブなイメージを持って面接へ臨めば緊張が和らぎます。

「人物像」をより良く伝えるために

面接官はあなたの経験やスキルだけではなく、どんな人物であるかということも知りたいと思っています。面接では人間性も評価されるので、質問には笑顔で答えて面接官に良い印象を持ってもらうようにしましょう。笑顔で質問に答えることで次のような効果が生み出されます。

ポジティブな印象

笑顔で質問に答えることで、面接官に対してポジティブな印象を与えることができます。あなたの言葉だけでなく態度や行動も評価の対象となるため、面接中は柔らかな表情を心掛けるようにしましょう。

コミュニケーションの円滑化

笑顔はコミュニケーションを円滑にする効果があります。笑顔を浮かべている人と話すことは心地良いものですので、面接官とのコミュニケーションもスムーズになるはずです。

自信を生み出す

笑顔には自分自身の気持ちを鼓舞して、自信を生み出す効果もあります。明るい気持ちで面接に挑むことで、自己PRのパフォーマンスが向上させられます。

「メッセージ」を伝えるために

面接官へ自分のメッセージをきちんと伝えるためには、以下のポイントが大切です。これらのポイントを押さえて面接官に情熱や誠実さを伝えましょう。

自信を持って質問に答える

面接官の質問に対して自信がなさそうに答えたり、曖昧に回答したりすると面接官に不信感を抱かせる原因となる場合があります。面接官から信頼されるように、どんな質問にも自信を持って答えるようにしましょう。

オープンな姿勢を持つ

自分の経歴は隠さず、オープンに話すことが大事です。過去の失敗や退職理由などのネガティブに感じるかもしれない内容でも、包み隠さず話すことで面接官に信頼できる人物であることが示せます。

目を見て話す

目を見て話すことは相手に対する敬意を示し、信頼感を築くことに繋がります。「目を見て話すと緊張する」という人は、眉間のあたりに視線をやるようにしましょう。そうすることで緊張を和らげつつ、自然なアイコンタクトが保てます。相手の話を聞くときに目を見ることはそれなりにできても、考えながら話すときに目を見ることはしっかりと意識をする必要があります。