「内定が出やすい求人」の落とし穴：長期的キャリアを考える転職戦略

転職活動を進める中で「内定が出やすい求人はないか」と考える人もいるのではないでしょうか。特に急いで転職先を決めなければならない状況では、内定の出やすさを重視してしまうこともあります。
しかし内定の出やすさだけを基準に転職先を選ぶことには、大きなリスクが潜んでいます。

本コラムでは内定が出やすい求人の特徴、そのような求人を選ぶことのリスク、そして適切な転職先の選び方について解説します。

内定が出やすい求人の特徴

まず、一般的に内定が出やすいと言われている求人の特徴を見ていきます。

常に求人が出ている職場

常に求人が出ている職場は、内定が出やすい傾向にあります。このような職場の特徴として、応募から内定までのプロセスが比較的短いことが挙げられます。また未経験者でも応募可能な求人が多く見られます。

資格や経験を必要としない職種

資格や経験を必要としない職種は、比較的内定が出やすい傾向にあります。これらの職種は未経験者でも応募可能で、教育体制が整っている場合が多いのが特徴です。

例えば介護職の中でも資格を必要としない職種（介護助手など）は、内定が出やすい傾向にあります。

事業拡大の最中

事業拡大の最中にある企業の求人も、内定が出やすい傾向にあります。このような企業の求人をよく見ると複数の支社や営業所を持つ企業であることがあり、「支社立ち上げのため」や「事業拡大につき募集」といったキーワードが見られることがあります。

事業拡大の際にはまとまった人数の確保が必要となるため、通常よりも多くの求人が長期にわたって掲載されることがあります。このような求人では新しい事業や部署の立ち上げに携わる機会が得られる可能性があり、キャリアアップの良いチャンスになることがあります。

内定が出やすい求人を希望する理由

転職エージェントに「内定が出やすい求人を紹介してほしい」と相談をする人も少なくありません。

内定が出やすい求人を希望する背景には、「経済的な理由で早急に就職先を見つける必要がある」「現在の職場での人間関係や業務内容に不満があり、できるだけ早く転職したい」「転職活動に不安があり、少しでも成功する確率を高めたい」などの理由があります。

また長期間のブランクがある人が、「まずは働き始めることを優先したい」と考えるケースもあります。

これらの理由は十分理解できるものですが、内定が出やすいという理由だけで求人を選ぶことには慎重になる必要があります。

内定が出やすい求人を選ぶリスク

内定が出やすい求人を選ぶことには、以下のようなリスクがあります。

短期離職のリスク

内定が出やすい求人を選んだ場合、短期離職に繋がるリスクがあります。これは十分な情報収集を行わずに入職することで、実際の仕事内容と自分の期待とのギャップが大きくなりやすいからです。

例えば「介護の仕事なら何でもいい」と考えて入職したものの、実際の業務内容（オムツ交換、食事介助など）に適応できず、早期離職してしまうケースがあります。

キャリアアップしづらい

「すぐに転職できるならどこでもいい」という考えで、自分の適性に合わない仕事を選択してしまうと仕事へのモチベーションが低下する可能性があります。その結果、新しいスキルや知識を習得しようという成長意欲が失われることがあります。

そしてこのような状況に陥ると、いつまでもスキルが向上せずキャリアアップの機会を逃すことに繋がります。それに伴って給与も上がりづらくなり、さらなる労働意欲の低下を招くという悪循環に陥ってしまいます。

次の転職活動への悪影響

内定が出やすい求人を選んで短期離職をした場合、次の転職活動に悪影響を及ぼす可能性があります。短期離職の理由を適切に説明することは難しく、仕事選びに対する真剣さが不足しているという姿勢が採用担当者に伝わってしまう可能性があるためです。

転職活動では自分のキャリアプランや志望動機を明確に説明することが求められるため、安易な選択は避けるべきでしょう。

適切な転職先の選び方

それでは、どうすれば適切な転職先を選べるのでしょうか。いくつかのポイントを紹介します。

十分な情報収集を行う

転職先を選ぶ際は、十分な情報収集が不可欠です。求人情報だけではなく、企業の理念や文化、実際の業務内容について調べることが重要です。

応募先企業が施設見学を実施している場合は積極的に参加し、現職員の話を直接聞くことで職場環境への理解を深めることができます。また企業の財務状況や将来性についても調査しておくと良いでしょう。

例えば介護施設に応募する際は求人情報を確認するだけではなく、その施設の介護方針、実際の勤務体制、キャリアアップの機会などについて詳しく調べることが大切です。

自分のキャリアプランと照らし合わせる

転職先が自分のキャリアプランとマッチしているのかを確認することも重要です。「すぐに転職したい」という短期的な目的だけではなく、長期的なキャリアビジョンを設定しましょう。その職場でどのようなスキルが身につくのか、将来のキャリアアップの可能性はあるのかなどを検討することが大切です。

例えば介護職として働きながら将来的には介護施設の管理職を目指したい場合、介護職としての業務だけではなく、管理業務の経験も積める職場を選ぶことが望ましいでしょう。

急いで転職先を決めなければならない場合の注意点

急いで転職先を決めなければならない状況では、以下のことに注意しましょう。

長期的な目で見る

急いで就職先を決めなければならない場合でも、自分のキャリアを長期的な視点で考えることが大切です。

当面の収入を確保するために転職活動を急がなければならない場合は、「正社員雇用」ではなく「有期雇用契約」である派遣社員や契約社員の仕事を選ぶのも一つの方法です。この契約の場合、次に正社員の仕事を探す際に「契約期間満了により退職」と履歴書に書くことができます。契約期間満了は短期離職ではないため、採用担当者からの転職歴に関する印象が大きく変わります。

転職の専門家に相談する

一人で転職活動を進めるのではなく、転職の専門家に相談することでより適切な選択肢を見つけることができます。特に医療事務や介護職の転職では、業界に特化した転職エージェントの知識と経験が大きな助けとなります。

例えば特定の業界に特化した転職エージェントを利用することで、あなたのスキルや経験に合った求人情報を効率的に得ることができます。また業界の最新動向や各施設の特徴など、求人情報だけではわからない貴重な情報も得られるでしょう。

専門家のサポートを受けることで、急いで決めなければならない状況でも慎重かつ適切な選択ができるようになります。

転職を急ぐ前に…専門家のアドバイスを受けましょう

「すぐに転職したい」と思ったら、まずは一度D&Mキャリアへご相談ください。急いでいるからこそ、慎重に判断することが重要です。D&Mキャリアでは、求職者の長期的なキャリアを考えたサポートを行っています。

D&Mキャリアの経験豊富な転職エージェントがあなたの状況を丁寧にヒアリングし、現在の悩みや将来のキャリアプランを踏まえて最適な転職プランを提案いたします。医療事務や介護職の業界に特化した知識を活かし、あなたのスキルや経験が最大限に活かせる職場を一緒に見つけていきます。
転職を急ぐ気持ちは理解しつつ、長期的な視点でのキャリアの構築をサポートいたします。