施設の規模はキャリアアップに影響する?理想のキャリアを実現するポイント
介護・医療の現場で働く際、小規模な施設と大規模な施設のどちらが自分のキャリアアップに有利なのか悩む人もいるかもしれません。施設の規模によって、得られるスキルや経験に違いはあるのでしょうか。
本コラムでは、施設の規模とキャリアアップの関係性について解説します。
施設の規模よりも業務内容を重視
実際のところ、多くの求職者は施設の規模よりも業務内容を重視する傾向にあります。
例えば「クリニックでしか働いたことがないから、クリニックに転職したい」「介護度の高い利用者の介護は自分に合わないから、介護度の低い利用者がいる施設を希望する」など、自分に合った働き方ができる環境を求める人が多いようです。
管理職経験者は重視することも
ただし管理職の経験がある求職者は、転職に際して施設の規模を重視することもあります。
小規模な施設では人員体制がコンパクトなため、管理職の仕事の幅が広くなる傾向があります。例えばベッド数が50床程度の病院の事務長は、多くの場合、一人で事務職から現場スタッフまで幅広い職種のマネジメントを担うことになるでしょう。
一方、大規模な施設では各部署に責任者が配置されているため、管理職はそれぞれの責任者を束ねるマネジメントに注力できます。例えば400床規模の病院の事務長は、総務課長や経理課長といった各部門の責任者をまとめ、組織全体の運営を行うことが主な役割となります。
小規模な施設で管理職を経験してきた人の中には、より規模の大きい施設で部下となる管理職を束ねるマネジメント力を試したいと考える人もいるでしょう。
規模に対するこだわりは少数派
しかし全体的に見ると「今よりも規模の大きい施設で働きたい」「同程度の規模の施設を希望する」など、施設の規模に明確なこだわりを持つ求職者は少数派だと言えます。
キャリアアップのためにあえて規模の大きい施設を選ぶケースはあるものの、多くの求職者にとって規模は重要な選択基準ではないようです。
施設の規模に関する思い込みに注意
施設の規模に関する思い込みを持って転職先を選ぶと、入職後のミスマッチにつながりかねません。転職活動の中でよく誤解されることをいくつか紹介します。
「規模が大きい=高待遇」は誤解
まず「規模が大きい施設の方が、給与や福利厚生が充実しているはず」と考える人もいますが、これは正しくありません。施設の規模と待遇は比例するわけではなく、小規模な施設でも働きやすい環境が整っているケースは少なくありません。
施設の規模と業務の負担は比例しない
また「施設の規模が大きければ、夜勤の回数も少なくなるはず」と考える人もいますが、これも誤解です。夜勤の頻度は、施設の規模よりも夜勤に対応可能なスタッフが十分に在籍しているかどうかによって変わります。施設の規模が大きくても人手不足であれば、夜勤の負担が大きくなる可能性があります。
「大規模な病院は受付業務が忙しすぎる」「小規模なクリニックなら、のんびり働けるのでは」と考える人もいるかもしれません。しかしクリニックだからといって必ずしも働きやすい環境とは限りません。小規模な施設であっても十分な人員が確保されていない場合は、一人一人の負担が大きくなる傾向があります。同様にシフトの調整も難しく、思うように休暇が取れないこともあるでしょう。
自分の希望を叶えられる環境かどうかは、一概に規模だけでは判断できないのです。
施設の規模とスキルアップの関係性
次に、施設の規模によってどのようなスキルが身につくのかという点に着目してみましょう。一般的に大規模な施設と小規模な施設とでは、スタッフに求められる役割や経験できる業務の幅が異なる傾向にあります。
スキルアップの機会に差が生じることも
施設の規模によって、スタッフがスキルアップできる機会に差が生じることがあります。
例えば大規模な病院では、様々な診療科を扱うため医療事務のスタッフはレセプト業務を通じて幅広い経験を積むことができるでしょう。また教育体制が整っていることも多く、体系的にスキルを学べる環境が整っているのも大きな魅力です。
一方、小規模なクリニックでは個々のスタッフの裁量が大きい傾向にあります。レセプト業務を特定の人物が担当していることが多く、新しいスタッフが携わる機会が限られる傾向にあります。
このように施設の規模によってスキルアップの機会が左右される面はありますが、重要なのは自分がどのようなスキルを身につけたいのかを明確にし、そのために必要な業務を見極めることです。
キャリアアップのための施設選びのポイント
施設選びで最も重要なのは、自分の目指すキャリアを明確にすることです。将来どのような役割を目指していくのか、そのためにはどのようなスキルや経験が必要なのかなどキャリアビジョンを描くことが適切な施設選びにつながります。
自分の目指すキャリアを明確にする
将来管理職を目指すのなら、マネジメントスキルを学べる環境が重要になるでしょう。一方で専門性を追求したいなら、その分野に強みを持つ施設を選ぶべきでしょう。
自分の目標に合わせて、必要な経験を積める施設への転職を目指すことが大事です。
施設の教育体制を確認する
また施設の教育体制も重要なポイントです。体系的な研修制度があるのか、資格取得のサポートは充実しているのか、キャリアアップを支援する風土があるのかどうかも確認しましょう。
施設見学の際は、こうした点について積極的に質問してみましょう。「スタッフのキャリアアップについてどのようにお考えですか」「どのような教育体制が整っていますか」など、率直に質問することで施設の方針を知ることができます。
自分に合った環境かを見極める
そして何より、自分に合った環境かどうかを見極めることが大切です。業務内容や職場の雰囲気は施設によって大きく異なります。自分の働き方や価値観に合う環境でなければ、いくら規模が大きくてもスキルアップは難しいでしょう。
職場見学や面接の際は、自分が働くイメージを膨らませてみてください。「ここで働くことで自分は成長できるだろうか」「この環境で自分の強みを発揮できるだろうか」などの視点を持つことが適切な施設選びにつながるはずです。
施設の規模は、キャリアアップを左右する決定的な要因ではありません。大切なのは、自分の目指すキャリアに合った環境かどうかを見極めることです。自分に何が必要なのかを考えて、各施設の特性を理解した上で最適な選択をしていきましょう。
転職でスキルアップを目指すなら
自分の目指すキャリアが明確でない、理想とする教育体制がある施設を自分で探すのが難しい、自分に合った環境の施設へ転職したいなど、キャリアアップに関する悩みを抱えている人は転職エージェントに相談することをおすすめします。
転職のプロであるエージェントはあなたの経験やスキル、目指すキャリアなどを丁寧にヒアリングした上で、最適な施設を提案してくれます。また各施設の教育体制や職場環境などの情報も豊富に持っているため、あなたに合った環境の施設を見つけ出すことができるでしょう。
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