介護・医療事務・看護の転職ならD&MキャリアTOP コラム転職活動【面接における質問力】評価ポイントと効果的な質問の組み立て方

転職活動 2025.02.12

【面接における質問力】評価ポイントと効果的な質問の組み立て方

面接で採用担当者から「質問はありますか」と投げかけられることがあります。この時、「何を質問すれば良いのだろう」「不適切な質問をしてしまい、評価を下げてしまわないだろうか」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
実はこの質問の時間は、採用担当者にとって求職者を評価する重要な機会となっています。

本コラムでは、面接における質問の重要性と効果的な質問の組み立て方について解説します。質問に対する不安を解消して、この機会を自己PRにつなげるためのポイントをお伝えします。

質問力が評価される理由

採用担当者は求職者からの質問を通じて様々な要素を評価します。主な評価ポイントを見ていきましょう。

転職への真剣度を測る

採用担当者は求職者の質問から転職に対する真剣さを判断します。特に質問の内容や深さに注目して、企業理解への意欲を評価します。

例えば「残業時間は平均でどのくらいですか？」という質問でも、その意図まで伝えることで質問の価値が変わります。

下記にて具体的な例を見てみましょう。

具体例

「ワークライフバランスに配慮されているとうかがいましたが、具体的な業務管理体制について教えていただけますか？」

→業務への真摯な姿勢と、仕事への責任感が伝わります

「時間外の業務にどのような取り組みがあるのか教えていただけますか？」

→業務効率や職場環境への関心が伝わります

「残業時間は多いとうかがっていますが、業務の繁忙期や人員体制について具体的に教えていただけますか？」

→業務の実態を具体的に理解しようとする姿勢が伝わります

このように質問の意図を明確に伝えることで、自分の価値観や考え方を効果的にアピールできます。

思考力・分析力を見る

採用担当者は質問の内容から求職者の思考力と分析力を評価します。特に「情報の整理力」と「論理的思考力」に注目します。

情報の整理力

情報の整理力は、事前の企業研究や面接での説明内容を質問にどう活かせているかを示します。

企業の表面的な情報だけではなく、本質的な部分について質問できているかがポイントです。

論理的思考力

論理的思考力は、質問の意図の明確さと質問の展開方法から評価されます。

採用担当者の回答を受けて、さらに深く掘り下げる質問ができるかどうかも重要なポイントとなります。
また自分の関心事項について順序立てて確認できることも、論理的思考力の高さを示します。

コミュニケーション能力を確認する

採用担当者は質問を通じて求職者のコミュニケーション能力を評価します。評価の主なポイントは「対話力」と「表現力」の2つです。

対話力

対話力では、それまでの面接での説明内容をどの程度理解しているかが重要になります。

説明された内容を踏まえた質問ができているか、また話の文脈に沿った質問ができているかがポイントです。質問を通じて、面接全体の流れを理解する力も評価されます。

表現力

表現力では、自分の考えをわかりやすく伝える能力を見ます。質問の意図を明確に説明でき、簡潔な言葉で表現できることが求められます。

もし質問できなかったら？

採用担当者から「質問はありますか」と聞かれた時、何を質問したら良いかわからず、質問をしないままにしてしまうことがあります。

しかし質問の機会を逃してしまうことは、求職者自身にとって必要な情報を得られないという不利益につながる可能性があります。また確認したいことがあるのに質問しなかった場合、後から「あの時聞いておけば良かった」と後悔することにもなりかねません。

ここでは質問しないことで生じるリスクについて説明します。

必要な情報が得られない

採用担当者は求職者が知りたい情報のすべてを開示しているわけではありません。自ら質問をしなければ、入社後の現実とイメージの違いに直面する可能性があります。

質問を通じて以下のような重要な情報を確認しておきましょう。

入社後の具体的な業務内容や仕事の進め方
教育制度や研修プログラムの詳細
人事評価の方法や昇進・昇給の基準
日々の職場の雰囲気や人間関係の実態

自己PRの機会を失う

質問は自分の強みや意欲をアピールする重要な機会でもあります。この機会を活かせないと採用担当者に以下のような印象を与えてしまう可能性があります。

「この会社で働きたい」という意欲が感じられない
企業や職場への理解が表面的である
主体性や積極性に欠ける印象を与える

効果的な質問の組み立て方

それでは具体的にどのように質問を組み立てれば良いのでしょうか。以下のポイントを押さえることで効果的な質問が可能になります。

表面的な質問は避ける

一般的な質問や形式的な質問は、採用担当者に物足りない印象を与えます。ここでは避けるべき質問と、代わりに心がけたい質問の具体例を見ていきます。

避けるべき質問

企業サイトや求人票で確認できる基本情報
「御社の強みは何ですか？」などの表面的な質問
「働きやすい職場ですか？」といった漠然とした質問
インターネットで見つけた定型的な質問

代わりに心がけたい質問

「夜勤帯の具体的な業務の流れを教えていただけますか？」など実務に即した質問
「地域連携に力を入れているとうかがいましたが、具体的にどのような取り組みをされていますか？」など企業の特徴を踏まえた質問

質問の意図を伝える

質問の背景にある自身の考えや関心を伝えることで、採用担当者とより深い対話が可能になります。また自分の意欲や熱意も効果的に伝えることができます。

新人教育について質問する場合

悪い例
「新人教育はどのように行われていますか？」

良い例
「前職で新人指導を担当した際、基本業務の指導と並行してメンタルケアも大切だと感じました。御社では新人教育においてどのような点を重視されていますか？」

キャリアアップについて質問する場合

悪い例
「昇進の条件を教えてください」

良い例
「介護福祉士の資格を活かしながら、将来的には介護現場のマネジメントにも携わりたいと考えています。御社ではどのようなキャリアパスを描くことができますか？」

採用担当者との「対話」のきっかけとする

質問は必要な情報を得るためだけのものではありません。質問から始まる「対話」を大切にしましょう。

具体的な質問例

「これまでの経験をベースに、新たな知識や技術を意欲的に修得してまいりたいと考えておりますので、入職後の教育体制や研修制度などについてお教えいただけますでしょうか？」
「チーム医療を重視されているとうかがい、大変関心を持ちました。実際の連携体制や取り組みについて、もう少し詳しくうかがえますでしょうか？」
「前職にて介護記録の共有で苦労した経験がありますのであらかじめうかがっておきたいのですが、こちらではどのような方法で共有していらっしゃいますか？」

このように質問を対話のきっかけとして活用することで、形式的な質疑応答にとどまらない相互理解が可能になります。