外国人材採用 2025.11.28

【転職支援の現場から】外国人材の共同生活を成功させるために|同じ国出身者のシェアハウス運営で学んだこと

【転職支援の現場から】外国人材の共同生活を成功させるために|同じ国出身者のシェアハウス運営で学んだこと

※当コラムは、D&Mキャリアのキャリアコンサルタントが実際の転職支援で経験したエピソードをもとに執筆しています。なお、個人が特定されないよう、事実関係については一部内容を変更しています

「同じベトナム人同士なので、シェアハウスでうまくやっていけると思っていました。しかし生活習慣の違いから調整が必要な場面が出てきて、どのように対応すれば良いか相談したいのですが」

外国人材を採用した介護施設の事務長から、このような相談を受けたことがあります。
同じ国の出身者同士なら共同生活もスムーズにいくと考えていたものの、実際には様々な調整が必要になったというのです。

外国人材の採用が進む中、住環境の整備は重要な課題の一つです。
本コラムでは私たちが実際に対応したベトナム人4名のシェアハウスで起きた出来事を通じて、外国人材の住環境支援における重要なポイントをお伝えします。

同じ国出身者だから安心という思い込み

私たちが支援した介護施設では、ベトナムから4名の特定技能人材を受け入れることになりました。

「シェアハウス」という選択

施設側は外国人材の受け入れにあたり、住環境の整備に力を入れていました。
「異国の地で働く彼らが寂しくないように」という配慮から、4名が一緒に暮らせるシェアハウスを用意したのです。

広めの一軒家を借り上げて、各自に個室を用意しました。
リビングやキッチンは共用で、全員で母国の料理を作ったり休日を一緒に過ごしたりできる環境を整えました。

施設の担当者は「同じベトナム人同士だから、きっと仲良く暮らせるはず」と期待していました。
しかし実際に生活が始まると、想定していなかった調整事項が明らかになってきたのです。

「文化的背景の違い」という現実

4名のベトナム人材は、それぞれ異なる地域の出身でした。
2名は北部のハノイ周辺、1名は中部のダナン、もう1名は南部のホーチミン近郊の出身でした。

じっくりと面談を行いそれぞれの話を聞いていくうちに、同じベトナムでも地域によって文化や習慣が大きく異なることがわかってきました。
食事の好み、生活リズム、金銭感覚まで、様々な違いがあったのです。

これらの違いが、共同生活の中で少しずつ摩擦を生んでいったのです。

水道光熱費を巡る対立が発生

水道光熱費を巡る対立が発生

シェアハウスでの生活が始まって3ヶ月後、調整が必要な場面が生じました。

1名の退去がきっかけとなった金銭問題

4名のうち1名が他の3名との共同生活に馴染めず、別の場所に引っ越すことになりました。
性格が合わなかったこともあり、「家賃は自分で出すから」と近くのアパートへ移ることを決めたのです。

その際に水道光熱費の精算を巡って、退去する人と残った3名の間で意見が対立しました。
退去する人は、「自分が住んでいた期間の日割り分だけを払う」と言いました。
一方で残った3名は「月の途中で退去しても、その月の分は日割りではなく1ヶ月分の4分の1を全額負担すべきだ」と反論して、お互いの言い分が平行線をたどりました。

本来であれば在住期間で日割り計算すれば済む話でしたが、感情的なもつれから単純な計算問題が複雑化してしまったのです。
金額としては一人あたり千数百円の差でしたが、それぞれが自分の主張を譲りませんでした。

施設の担当者が間に入って調整を試みましたが、言葉の問題もあってうまく意思疎通ができません。
担当者は「なぜここまで話がこじれるのか」と戸惑っていました。

感情的な対立への発展

金銭問題をきっかけに、それまで潜在していた不満が一気に噴出しました。
「あの人はいつも共用スペースを汚す」「夜遅くまで電話していてうるさい」といった生活上の不満が次々と出てきたのです。

特に関係が悪化したのは、ある朝、一人が大切に育てていたプランターの野菜が引き抜かれていたことでした。
誰がやったのかは明らかにされませんでしたが、これによって共同生活の雰囲気は重苦しいものになりました。

お互いに口を利かなくなり、リビングで顔を合わせることも避けるようになりました。
仕事にも影響が出始めて、施設側も対応に苦慮していました。

個別面談による問題解決のプロセス

私たちは通訳を交えて、一人一人と個別に面談を行うことにしました。

それぞれの本音を聞き出す

それぞれの本音を聞き出す

まず大切にしたのは、それぞれの本音をじっくりと聞くことでした。
母国語で話せる環境を作ることで、彼らは堰を切ったように自分の思いを語り始めました。

「日本に来て不安だったけれど、同じ国の人がいるから大丈夫だと思っていた」
「でも実際は価値観が違いすぎて、かえってストレスになっている」
「一人で暮らした方が楽かもしれない」

それぞれの話を聞いていくうちに、問題の本質が見えてきました。
彼らは異国の地で働くストレスに加えて、共同生活のストレスも抱えていたのです。
「同じ国の出身だからわかり合えるはず」という期待が、かえってプレッシャーになっていました。

客観的な基準での調整

水道光熱費の問題については、シンプルな計算式で客観的に示すことにしました。
通訳を介して、使用期間と人数に応じた公平な計算方法を説明しました。

「1月から3月までは4人で生活していたので、その期間の費用は4等分」
「4月以降は3人なので、その期間の費用は3等分」
「これが最も公平な方法です」

具体的な数字を示しながら説明することで、全員が納得することができました。

外国人材の住環境整備で施設が押さえるべきポイント

この経験を通じて、外国人材の住環境を整備する際に施設側が配慮すべき点が明確になりました。

個人の希望を考慮した住環境の選択

「同じ国の出身だから」という理由だけで、共同生活がうまくいくとは限りません。
むしろ個人のパーソナリティや、生活習慣の相性の方が重要です。

施設側は外国人材の住環境を検討する際、事前の個別面談が欠かせません。
共同生活を希望するのか、一人暮らしを希望するのか、どのような生活リズムなのかを詳しく確認することが大切です。

国籍で一括りにするのではなく、一人一人の希望や性格を把握した上で住環境を決定することが長期的な定着につながります。

継続的なコミュニケーション

外国人材への支援は、住居を用意して終わりではありません。
施設側が定期的にコミュニケーションを取り、生活面での課題がないか確認することが重要です。

特に共同生活では小さな不満が積み重なることもあるため、月に一度程度は面談の機会を設けることをおすすめします。
仕事面だけではなく生活面でも相談しやすい環境を作ることで、外国人材は安心して働くことができます。

文化の違いを理解する姿勢

同じ国の中でも、地域によって文化や習慣は大きく異なります。
ベトナムの北部と南部では、気候も違えば食文化も違います。歴史的背景から、考え方や価値観にも違いがあります。

施設側がこうした地域差を理解しようとする姿勢は、外国人材との信頼関係の構築に不可欠です。
「外国人」という一括りではなく、それぞれの背景を持った個人として接することが大切です。

採用前に出身地域の文化や習慣について基本的な知識を得ておくことで、より適切な受け入れ体制を整えることができます。

多様性を活かした職場づくりに向けて

外国人材の採用は、単なる人手不足の解消策ではありません。
異なる文化や価値観を持つ人材が加わることで、組織に新しい視点がもたらされます。

しかし同時に、適切な支援がなければ様々な問題が発生する可能性もあります。
特に住環境は、外国人材が日本で安心して働くための基盤となる重要な要素です。

「同じ国の出身だから大丈夫」という思い込みを捨てて、一人一人の個性やニーズに向き合うことが大切です。
文化の違いを理解して適切なサポートを提供することで、外国人材も日本人職員も共に成長できる職場を作ることができます。

私たちD&Mキャリアは、外国人材の採用から定着まで包括的な支援を行っています。
じっくりと面談を行い、それぞれの状況に応じた最適なサポートを提供しています。

外国人材の採用を検討されている方、すでに採用していて課題を抱えている方は一人で悩まずにご相談ください。
多様性を活かした職場づくりを、私たちが全力でサポートさせていただきます。

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