外国人材の定着を支える現場の取り組み|採用後に求められる生活支援の実例
医療・介護業界における人手不足が深刻化する中、外国人材の採用に踏み切る施設が増えています。
特定技能制度の整備により、介護分野での外国人材の受け入れは年々拡大しています。
しかし採用がゴールではなく、その後の定着こそが本当の課題となることも少なくありません。
「せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまった」「生活面でのトラブルが絶えない」といった声を、私たちD&Mキャリアは多くの施設から聞いています。
外国人材が長く働き続けるためには業務上のサポートだけではなく、生活全般にわたる支援が欠かせません。
本コラムでは私たちが実際に行っている定着支援の取り組みを、具体的な事例を交えてご紹介します。
外国人材が日本で働く中で直面する課題
外国人材を受け入れる施設にとって、彼らがどのような課題に直面しているかを理解することは重要です。
まずは現場でよく見られる課題について整理します。
言葉の壁は業務だけの問題ではない
外国人材が日本で働く上で、言葉の壁は大きな課題となります。
業務上の日本語については、施設側も研修やOJTで対応されていることが多いでしょう。
しかし問題は業務以外の場面です。
役所での手続き、銀行口座の開設、医療機関の受診など、生活のあらゆる場面で日本語が必要となります。
特に医療機関では専門用語が多く、日常会話ができる方でも医師の説明を十分に理解できないケースがあります。
生活基盤の構築という見えにくい課題
外国人材の多くは、日本での生活基盤をゼロから構築しなければなりません。
住居の確保、交通手段の確保、生活必需品の購入など、日本人であれば当たり前にできることも外国人材にとっては大きなハードルとなることがあります。
特に地方の施設で働く場合、公共交通機関が限られているため通勤手段の確保が課題となることも少なくありません。
文化や習慣の違いから生じる摩擦
同じ国の出身者であっても、出身地域や個人の価値観によって考え方は異なります。
「同じ国の人同士だから仲良くできるだろう」という思い込みは、時にトラブルの原因となることがあります。
外国人材同士の人間関係や日本人スタッフとの関係性の構築においても、文化や習慣の違いへの配慮が必要です。
D&Mキャリアが行う定着支援の実例
D&Mキャリアでは外国人材の紹介にとどまらず、入職後の定着支援にも力を入れています。
ここでは実際に行った支援の事例をご紹介します。
通勤手段の確保から始めた採用支援

ある地方の介護施設から、外国人材の採用についてご相談をいただきました。
この施設は給与水準が特別高いわけではなく、最寄り駅からも距離があるため、なかなか応募が集まらない状況でした。
私たちは施設側と協議して、外国人材にとってのポジティブな要素を作る必要があると考えました。
そこで提案したのが、原動機付自転車の貸与と免許取得のサポートです。
東南アジア出身の方を候補者としてご紹介することになりましたが、日本の運転免許を持っていませんでした。
母国語で免許試験を受けられる試験場は限られているため、まずは受験可能な地域に一時的に転入届を出して免許を取得しました。
その後、施設のある地域に移り入職するという流れで進めました。
通常であれば、「通勤手段がない」という理由で応募を見送られていたかもしれません。
しかしこのような対応を行うことで、施設側は人材を確保でき、外国人材も希望する仕事に就くことができました。
医療機関への付き添いと通訳対応
ある日、私たちのもとに支援先の外国人材から相談が入りました。
「手に発疹が出て、腫れている」という内容でした。送られてきた写真を見ると、確かにかなり腫れている様子です。
まずは医療機関を受診するように伝えて、平日に受診してもらいました。しかし受診後に連絡があり、「医師に何を言われたのかわからない」とのことでした。
本人の日本語力の問題もありましたが、医療機関側も専門用語を使って説明されたため内容を理解できなかったようです。
私たちは医療機関に連絡を入れて、特定技能外国人の生活支援を行っている立場であることを説明しました。
最終的に同じ母国語を話せるD&Mキャリアのスタッフが本人と一緒に医療機関を再訪して、医師からの説明を受けて通訳しました。
その結果、症状や治療方針についてきちんと理解してもらうことができました。
さらに勤務先の施設にも状況を説明して、治療のための休暇を調整していただきました。
本人が日本語で十分に説明できない状況では、「体調不良で休みたい」と言っても理解を得にくいことがあります。
このような橋渡しの役割は、外国人材が安心して働き続けるために欠かせないものだと考えています。
生活面でのトラブル対応

外国人材の支援をしていると、想定外の出来事に遭遇することも少なくありません。
ある外国人材は地方から関東の施設に入職するために、高速バスで移動していました。
D&Mキャリアのスタッフが最寄り駅まで迎えに行く手はずでしたが、途中で「遅れそうです」という連絡が入りました。
詳しく聞くと、どこかで財布を紛失してしまったとのことでした。
バス会社への問い合わせ方法や警察への届け出の仕方などを案内して、何とか対応することができました。
このようなトラブルは頻繁にあるわけではありませんが、発生した際に相談できる先があることは外国人材にとって大きな安心につながります。
外国人材の定着率を高めるために
外国人材を採用する施設の方々に、定着率を高めるためのポイントをお伝えします。
相談できる体制を整える
外国人材が困った時に相談できる体制を整えておくことは、定着率の向上につながります。
施設内に外国語対応ができるスタッフがいれば理想的ですが、難しい場合は外部の支援機関と連携することも一つの方法です。
D&Mキャリアでは、紹介した外国人材に対して入職後も継続的なフォローを行っています。
在留期限の管理や生活面での相談対応など、長く働き続けてもらうためのサポート体制を整えています。
業務以外の生活にも目を向ける
外国人材の定着には、業務上のサポートだけではなく生活全般への配慮が重要です。
住居環境、通勤手段、休日の過ごし方など、仕事以外の部分で困っていることがないか定期的に確認することをおすすめします。
生活面での不安や不満が蓄積すると、最終的には離職の原因となることがあります。
早い段階で課題を把握して、対応することが定着率の向上につながります。
外国人材と施設の架け橋として
外国人材の採用と定着は単に人手不足を解消するだけではなく、施設に新しい視点や活力をもたらす可能性を秘めています。
しかしそのためには、採用後の丁寧なサポートが欠かせません。
D&Mキャリアは外国人材と受け入れ施設の架け橋として、紹介から定着支援まで一貫したサポートを行っています。
成功事例だけではなく、本コラムでご紹介したような派手さはないけれど、実直なサポートの積み重ねが、外国人材の定着には必要だと考えています。
外国人材の採用を検討されている施設の方や採用したものの定着に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
施設の状況に合わせた採用計画から入職後の定着支援まで、トータルでサポートさせていただきます。
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