【外国人材の採用面接】入職後のミスマッチを防ぐコミュニケーション
外国人材の採用が広がる中で、入職後にトラブルが発生するケースが見られます。
「聞いていた条件と違う」「こんなはずではなかった」という声が、外国人材からも受け入れ施設からも聞こえてくることがあります。
こうしたミスマッチの多くは、採用面接の段階でお互いの認識を十分にすり合わせていれば防げたものです。
スキルや資格の確認だけではなく、生活面での条件や本人の希望を丁寧に確認することが重要になります。
本コラムでは外国人材の採用面接で確認しておきたい項目と、お互いの認識を合わせるためのコミュニケーションのポイントについてお伝えします。
外国人材の採用を検討されている施設の方や、すでに採用しているものの定着に課題を感じている方の参考になれば幸いです。
入職後のミスマッチはなぜ起こるのか
まずは、入職後にミスマッチが起こる背景について整理してみましょう。
確認不足によるトラブル
入職後のトラブルで多いのは、「事前に聞いていなかった」「確認したつもりだった」というケースです。
例えば寮の有無について、施設側は「寮はない」と説明したつもりでも、外国人材側は「寮があると思っていた」ということがあります。
また介護職員初任者研修の費用負担についても、「自己負担」なのか「施設負担」なのかが明確に伝わっていないとトラブルの原因となることがあります。
こうしたトラブルは、どちらか一方が悪いというわけではありません。
コミュニケーションの過程で、お互いの認識が十分にすり合わされなかったことが原因です。
言語によるコミュニケーションの難しさ
外国人材との面接では、言語の壁も考慮する必要があります。
日本語が堪能な外国人材であっても、細かいニュアンスが正確に伝わらないことがあります。
特に雇用条件や福利厚生に関する専門的な用語は、日本人同士でも認識がずれることがあるため注意が必要です。
こうした背景を踏まえて、面接の段階で丁寧に確認しておくことが大切です。
面接で確認しておきたい項目
では、外国人材の採用面接ではどのような項目を確認しておけば良いのでしょうか。
スキルや資格以外の、生活面や条件面で確認しておきたい項目をご紹介します。
住居に関する確認

外国人材にとって住居は、非常に重要な関心事です。
特に地方の施設で働く場合、寮の有無や住居のサポートがあるかどうかは大きなポイントになります。
面接では以下の点を確認しておくと良いでしょう。
- 寮の有無(ある場合は個室かシェアか、家賃はいくらか)
- 寮がない場合、住居探しのサポートはあるのか
- 敷金・礼金などの初期費用の負担について
- 通勤手段の確保(公共交通機関の有無、自転車の貸与など)
住居に関する条件は入職後の生活に直結するため、曖昧にせずに具体的に説明しておくことが大切です。
資格取得や研修に関する確認
介護分野で働く外国人材の場合、介護職員初任者研修や介護福祉士の資格取得が話題になることがあります。
この費用負担については、面接の段階で明確にしておくことが重要です。
- 初任者研修の費用は誰が負担するのか(施設負担、自己負担、一部負担)
- 研修期間中の給与は支給されるのか
- 介護福祉士の資格取得支援制度はあるのか
費用負担について認識のずれがあると、入職後に「聞いていなかった」というトラブルにつながります。
給与と手当に関する確認
給与や手当についても、詳細を確認しておく必要があります。
外国人材は母国への仕送りを目的に働いている方も多いため、手取り額への関心が高い傾向があります。
- 基本給の金額
- 夜勤手当や残業手当などの各種手当の金額
- 社会保険料や税金の控除額と手取り額の目安
- 給与の支払日
「月収20万円」と伝えていても、手取りがいくらになるのかは控除額によって変わります。
具体的な手取り額の目安を伝えることで、入職後のトラブルを防ぐことができます。
勤務条件に関する確認
勤務条件についても、細かく確認しておくことが大切です。
- シフトの組み方(夜勤の頻度、土日の勤務など)
- 残業の有無と時間数の目安
- 休日の日数と有給休暇の取得について
- 母国への帰国を希望する場合の休暇取得について
特に母国への帰国については、外国人材にとって重要な関心事です。
年に何回、どのくらいの期間帰国できるのかについて、面接の段階で話し合っておくと良いでしょう。
お互いの認識を合わせるためのコミュニケーション
条件を確認するだけではなく、お互いの認識を確実に合わせるためのコミュニケーションの工夫も重要です。
理解度の確認
「わかりましたか」と確認して「はい」と答えがあっても、本当に理解しているとは限りません。
これは外国人材に限った話ではなく、面接の場では誰でも「わからない」とは言いにくいものです。
理解度を確認する有効な方法の一つは、説明した内容についてお互いに確認し合うことです。
例えば「介護職員初任者研修の費用は自己負担になりますが、よろしいですか」と確認した後に、「念のために研修の費用について認識を合わせておきたいのですが、どのように理解されていますか」と聞いてみます。
この一手間が、入職後のトラブル防止につながります。
書面での確認

重要な条件については、口頭だけではなく書面でも確認しておくことをおすすめします。
雇用条件通知書や労働契約書に記載するだけではなく、面接時に説明した内容を簡単な書面にまとめて渡すことも有効です。
母国語に翻訳した資料を用意できれば、より確実に伝わります。
書面があることで、「言った」「言わない」のトラブルを防ぐことができます。
質問しやすい雰囲気を作る
外国人材が遠慮せずに質問できる雰囲気を作ることも大切です。
面接の場では緊張から質問できず、入職後に外国人材が「実は気になっていたことがあった」と言うことがあります。
そのため面接の最後に「他に確認しておきたいことはありませんか」と尋ねるだけではなく、「住居のことで気になることはありませんか」「給与のことで確認したいことはありませんか」と項目ごとに尋ねてみることも効果的です。
入職後の認識のずれを防ぐために
面接での確認に加えて、入職後の認識のずれを防ぐためにできることがあります。
入職前にオリエンテーションの機会を設けて、改めて条件や働き方について説明することも有効です。
面接から入職までに時間が空く場合、面接時に説明した内容を忘れてしまうこともあります。
また入職後も定期的にフォローアップの機会を設けることが大切です。
特に入職直後は、生活面でも仕事面でも不安を抱えていることが多いものです。
こまめなコミュニケーションが、外国人材の定着につながります。
D&Mキャリアのサポート
D&Mキャリアでは、外国人材の紹介において採用面接のサポートも行っています。
私たちは外国人材との面談を通じて、本人の希望や条件を事前に把握しています。
「住居についてはこのような希望を持っています」「資格取得に関心があります」といった情報を事前に共有することで、面接をスムーズに進めることができます。
ご希望に応じて採用面接に同席して、通訳のサポートや認識のずれが生じそうな場面でのフォローを行うことも可能です。
採用面接を成功させるために
外国人材の採用面接は、お互いの認識をすり合わせる大切な機会です。
スキルや資格の確認だけではなく、生活面や条件面についても丁寧に確認することで入職後のミスマッチを防ぐことができます。
確認には手間がかかりますが、その手間をかけることが外国人材の定着につながります。
「聞いていなかった」というトラブルを防ぎ、お互いに納得した上で働き始めることが長期的な関係構築の第一歩です。
外国人材の採用を検討されている施設の方や、採用面接の進め方に不安がある方はぜひ一度D&Mキャリアへご相談ください。
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