ハイクラス転職 2025.08.27

スタートアップ企業の管理部門の年収相場|IPO準備企業が求める人材の実態

スタートアップ企業の管理部門の年収相場|IPO準備企業が求める人材の実態

IPO(株式公開)準備企業への転職を検討する際、「実際の年収はどの程度なのか」「どんなスキルが求められるのか」という疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。
特に管理部門のポジションでは、大手企業とは異なる役割や責任が求められることがあります。

スタートアップ企業の成長フェーズにおいて、管理部門は単なるバックオフィスではありません。上場準備という重要なミッションを担い、企業の成長を支える中核的な存在となります。

本コラムではIPO準備企業における管理部門の年収相場と求められる人材像について、D&Mキャリアが実際に扱っている案件をもとに解説します。

IPO準備企業における年収相場の実態

まずはIPO準備企業の管理部門における、実際の年収相場を見ていきます。

課長級・部長級の年収レンジ

役職別の相場観

D&Mキャリアが扱う東証グロース上場から5年以内、従業員100名未満の企業における管理部門の年収相場は以下の通りです。

  • 課長級:600万円から750万円程度
  • 部長級:700万円から1,000万円程度

この金額は基本給与をベースとしており、ストックオプションや業績賞与は含まれていません。

実際の総報酬はこれらを加味すると、さらに上振れする可能性があります。

大手企業との比較

同じ役職でも大手企業と比較すると、基本給与では見劣りすることもあります。
しかしIPO実現後のキャピタルゲインや短期間での昇進の機会を考慮すると、生涯収入では逆転する可能性も十分にあります。

職種による違い

経理・財務職の特徴

経理・財務職は、上場準備において最も重要なポジションの一つです。
特に上場企業で経理の経験がある人材は高く評価されて、年収レンジの上限に近い条件が提示されることが多くなっています。

監査法人への対応、開示書類の作成、内部統制の構築といった専門性の高い業務を担えることが、高い年収の根拠となります。

経営企画職の位置づけ

経営企画職は企業によって役割が大きく異なりますが、IPO準備企業では事業計画の策定や資金調達の支援など、経営に直結する業務を担います。
経理・財務の知識に加えて事業理解や戦略立案能力が求められるため、年収も相応に設定されています。

管理部門に求められる具体的な役割

IPO準備企業の管理部門では、大企業とは異なる役割が求められます。

プレイングマネージャーとしての働き方

実務と管理の両立

IPO準備企業の管理部門で重要なのは、「マネージャーでもプレイヤーとしての動きが求められる」ということです。
大手企業で経理部長をしていた人でも、IPO準備企業では時には自ら手を動かして仕訳入力や決算書作成を行う必要があります。

これは人員が限られているためだけではなく、細部まで把握することで適切な判断ができるようになるという側面もあります。

マルチタスクの必要性

経理職として入社しても、財務や経営企画の業務を兼務することは珍しくありません。
むしろ複数の領域を横断的に見ることで、企業全体の課題を把握して解決策を提案できる人材が求められています。

上場準備特有の業務

上場準備特有の業務

監査法人・証券会社との折衝

IPOの準備において避けて通れないのが、監査法人や主幹事証券会社との折衝です。
彼らの要求に対して適切に対応して、時には企業の立場を主張することも必要となります。

これらの業務は専門知識だけではなく、コミュニケーション能力や交渉力も求められます。
単に言われたことをこなすのではなく、能動的に課題を解決していく姿勢が重要です。

内部統制の構築

上場企業には、内部統制報告制度への対応が義務付けられています。
IPOの準備段階から、業務プロセスの文書化や統制活動の設計を進める必要があります。

ゼロから仕組みを作り上げる経験は、キャリアにおいて貴重な財産となります。
この経験を持つ人材は市場価値が高く、次のキャリアでも優遇される傾向があります。

IPO準備企業に向く人材・向かない人材

すべての人がIPO準備企業に適しているわけではありません。

IPO準備企業で活躍できる「ゼロイチ」型人材

課題解決への情熱

D&Mキャリアの経験では、「ゼロイチ」が好きな人材がIPO準備企業で活躍しています。
何もないところから仕組みを作り、課題を解決することにやりがいを感じる人材です。

IPO準備企業では、例えば経理システムの導入、業務フローの構築、規程類の整備など、すべてを一から作り上げる機会があります。

変化への適応力

IPO準備企業では、頻繁に組織変更や方針転換が起こります。
昨日まで正しかったことが、今日は違うということも珍しくありません。

この変化を楽しめる人材、むしろ変化の中にこそ成長の機会を見出せる人材が求められています。

IPO準備企業への適応が難しい人材

IPO準備企業への適応が難しい人材

ミスマッチの典型例

大手企業で長年勤務して確立されたオペレーションの中で働いてきた人の中には、IPO準備企業の環境に適応できないケースがあります。
特に「ルールや規程が整っていないと不安」という方は、ストレスを感じる可能性が高くなります。

D&Mキャリアでも大手企業出身者がスタートアップ企業の文化に馴染めず、短期間で退職するケースを見てきました。
転職前に、自分の志向性を見極めることが重要です。

創業社長との距離感

IPO準備企業では創業社長との距離が近く、直接指示を受けることも多くなります。
創業社長特有のエネルギーやスピード感に圧倒されることもあります。

これを「刺激的で学びが多い」と捉えるか、「プレッシャーで疲れる」と感じるかは人それぞれです。
自分がどちらのタイプか、冷静に判断する必要があります。

オープンポジションという採用の実態

IPO準備企業では、明確な職種を決めずに採用を行うケースがあります。

柔軟な採用手法のメリット

人材に合わせたポジション設計

D&Mキャリアが扱う非公開求人の中には、「オープンポジション」での募集が少なくありません。
例えば経理部長候補として募集していても、面談の中で経営企画の経験が評価されてCFO候補として採用されるケースもあります。

企業側も優秀な人材であれば、その人に合わせてポジションを用意する柔軟性を持っています。
これは成長企業ならではの特徴と言えます。

キャリアの可能性の広がり

求職者にとってもオープンポジションは、想定していなかったキャリアの可能性を開くチャンスとなります。
「経理一筋」と思っていた人が、経営企画や事業開発の面白さに目覚めることもあります。

固定観念にとらわれず、自分の可能性を広げる機会として捉えることが重要です。

IPO準備企業への転職で成功するには?

IPO準備企業の管理部門では、600万円から900万円という年収レンジで即戦力が求められています。
しかし単にスキルがあるだけでは不十分であり、スタートアップ企業特有の環境に適応できる資質が必要です。

重要なのは「プレイングマネージャー」として手を動かしながら、組織を作り上げていく意欲です。
「ゼロイチ」の環境を楽しめるか、創業社長のエネルギーと共に走れるか、変化を成長の機会と捉えられるか、これらの要素がIPO準備企業での成功を左右します。

またオープンポジションという柔軟な採用手法を活用することで、想定以上のキャリアのチャンスを掴むことも可能です。
細かい条件にこだわりすぎず、まずは企業との対話を始める姿勢が大切です。

D&Mキャリアではスタートアップ企業の非公開求人を多数扱っており、求職者の志向性と企業のニーズを的確にマッチングします。
IPO準備企業特有の環境や求められる資質について、豊富な実績に基づいたアドバイスが可能です。

スタートアップ企業への転職をお考えの方は、ぜひD&Mキャリアにご相談ください。
あなたの可能性を最大限に引き出せる企業との出会いを、サポートさせていただきます。

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