介護 2024.01.11

【介護のプロフェッショナルへの道】ホームヘルパーの役割と魅力

【介護のプロフェッショナルへの道】ホームヘルパーの役割と魅力

超高齢社会となった現在の日本では、介護への需要が日に日に高まっています。その中心的な役割を担うのが、ホームヘルパー(訪問介護員)です。ホームヘルパーは高齢者や障害を持つ方々など利用者の日常生活をサポートし、自立を支える重要な存在です。

本コラムではホームヘルパーとして活躍するまでの道筋を探るために、資格の取得、業務内容、ホームヘルパーとして働くことの魅力を紹介します。

ホームヘルパーに必要な資格

ホームヘルパーになるためには「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」のいずれかの資格が必要です。これらの資格はホームヘルパーとしての職務を遂行するための基礎を築き、介護業界でのキャリア形成につながります。それぞれの資格の詳細は次の通りです。

介護職員初任者研修

概要

介護職員初任者研修では、介護の基本的な知識と技術が学べます。利用者の日常生活の支援、安全管理、コミュニケーション技術などのスキルが習得できます。

ホームヘルパーへの転職をお考えなら、最初のステップとして比較的取得しやすい介護職員初任者研修の修了を目指すことをおすすめします。

期間・費用

約130時間の研修で、費用はスクールや地域によって異なりますが4万円から10万円程度です。

重要性

介護の基礎を学ぶことで、初心者でもホームヘルパーとしての一歩を踏み出せます。

介護福祉士実務者研修

概要

介護福祉士実務者研修の受講要件は特になく、誰でも受講することが可能です。ただし、介護職員初任者研修の上位資格として位置付けられているため、ある程度の知識やスキルが求められる場合があり、その点を理解した上での受講が推奨されます。

期間・費用

約450時間の研修で、受講料は、保有している資格によって大きく変わります。以下は保有資格別の受講料の目安です。

  • 介護系の資格を持っていない人:約14~22万円
  • 介護職員初任者研修またはホームヘルパー2級を修了している人:約8~19万円
  • ホームヘルパー1級を修了している人:約7~10万円
  • 喀痰吸引等研修を修了している人:約7~10万円(ただし、この場合は介護職員初任者研修またはホームヘルパー2級の資格が必要)
  • 介護職員基礎研修を修了している人:約3~5万円

受講する施設や内容によっても費用は異なることがありますので、詳細は各研修機関にご確認ください。

重要性

この研修を受けることで専門的な知識・技術が習得でき、ホームヘルパーとしてのキャリアアップにつながります。

介護福祉士(国家資格)

概要

介護福祉士は、介護の専門家としての国家資格です。介護計画の立案や実施、評価など高度な介護業務を行うことができます。

取得方法

介護福祉士の資格の取得方法には、主に二つのルートがあります。一つは介護福祉士養成施設などを卒業し、国家試験に合格する方法です。もう一つは実務経験ルートで、介護現場で実務経験を積み、介護福祉士実務者研修を修了して受験資格を得る方法です。

実務経験ルートでは、3年以上の実務経験(従業期間3年以上、従事日数540日以上)が必要となります。実務経験として認められるのは、高齢者や障害者、児童を対象とする施設での介護関連業務です。生活相談員や医療従事者の業務など、介護がメインでない職種の経験は対象外です。

重要性

この資格を取得することでホームヘルパーとしてより高度なサービスを提供でき、介護業界でのさらなるキャリアアップが望めます。

生活援助従事者研修

概要

生活援助従事者研修は2018年に新設された資格で、ホームヘルパーとして生活援助業務(掃除、洗濯、買い物など)に特化した資格となります。ただし生活援助業務を行うための資格なので、身体介護は行えません。

期間・費用

研修は9科目・59時間で構成され、うち30時間は通学が必要です。残りは通信形式で受講が可能です。費用は一般的に20,000円程度です。

重要性

2018年に新設されたこの資格は、介護分野に興味を持ち始めたばかりの人や家事・育児で忙しい人にも取得しやすく、ホームヘルパーとして生活援助に特化したサービスを提供できるようになります。

資格を取得するメリット

「介護福祉士実務者研修」や「介護福祉士」という資格を取得することには、次のようなメリットがあります。

専門知識と技術の習得

資格を取得することで、介護の専門知識や技術が身につきます。これにより、実際の業務において高品質のサービスが提供できるようになります。

職場での信頼度の向上

資格を持っていることで、職場における信頼性が高まります。専門的な知識を持っていると認識されることで、上司や同僚からの信頼を得やすくなります。

キャリアアップの機会

資格を持つことで、キャリアアップの機会が増えます。高度な資格を有することによって、専門性の高い職種や管理職へのステップアップの可能性が高まります。

ホームヘルパーの職務内容

ホームヘルパーの職務内容

ホームヘルパーの主な職務内容として「身体介護」と「生活援助」があります。これらの業務を通じてホームヘルパーは利用者の日々の生活をサポートし、QOL(生活の質)を向上させる役割を果たします。それぞれの職務内容は次の通りです。

身体介護

身体介護には排泄、入浴、更衣、洗面、食事、服薬、体位変換、移乗・移動、通院・外出、起床・就寝介助、見守りなどが含まれます。

例えば食事介助では、利用者が安全に食事を摂れるようにサポートします。入浴介助では入浴の準備、洗体、着替えの手伝いを行います。排泄介助では、トイレへの移動支援や補助、おむつの交換などを行います。

生活援助

生活援助には掃除、洗濯、衣類整理、ベッドメイク、一般的な食事の調理・配膳、日用品の買い物、薬の受け取り、通院の乗降介助などが含まれます。特に一人暮らしの利用者やご家族が家事を行うのが困難な場合に提供されます。

乗降介助について

乗降介助とは利用者が医療機関や行政機関へ訪れる際、ホームヘルパーが運転手として車の運転、乗り降り、移動の支援、受診の手続きを行う業務です。徒歩、バス、タクシーなどの公共交通機関を使用する場合、これは身体介護の範疇に含まれます。

ホームヘルパーの業務範囲

一方でホームヘルパーの業務には一定の制限が設けられています。利用者のためになる日常的なサービスは提供可能ですが、利用者の日常生活に必要でない業務、利用者以外の人のためのサービスは介護保険法により行うことができません。以下は、ホームヘルパーが行うことができる、またはできない具体的なサービスの例です。

提供可能なサービス

  • 掃除:必要な清掃活動、整理整頓、ゴミ出し
  • 洗濯:必要な洗濯、洗濯物の取り込み、アイロンがけ、収納
  • 調理:日常的な食事の準備、配膳、後片付け
  • 買い物:日常必需品や食材の購入
  • 外出:必要な行政手続き、デイサービス見学、投票、病院受診、自立支援のための散歩

提供できないサービス

  • 掃除:大掃除、ワックスがけ、模様替え、庭の手入れ、本人の居室以外の清掃
  • 洗濯:特殊な衣服の洗濯、家庭用洗濯機以外での洗濯
  • 調理:行事食の調理、家族向けの食事の準備
  • 買い物:趣味や嗜好品、贈答品の購入
  • 外出:法事やお墓参り、行事参加、私用での外出、目的のない散歩

ただし利用者が直接関わる活動については、例外的にホームヘルパーの業務範囲として扱われることがあります。またこれらのサービスを介護保険適用外で提供する事業所もありますが、その場合、全額が利用者の自己負担になります。

ホームヘルパーの魅力

ホームヘルパーの魅力

最後に、ホームヘルパーとして働くことの魅力を紹介します。

柔軟な働き方が可能

ホームヘルパーの雇用形態は正社員からパート・アルバイトまで様々です。自分のライフスタイルや希望に合った形態が選べます。例えば育児中の人にとって、ホームヘルパーとしての柔軟な雇用形態は魅力的です。復職を考えている人が自分のペースで働き始めやすい環境にあり、またスキマ時間を活用してパートやアルバイトとして働くことも可能です。

プライベートも大切にできる

事業所に常駐する正社員・契約社員、自宅近くで勤務する登録ヘルパーなど、ホームヘルパーは自分の生活に合わせた働き方が可能です。仕事とのバランスが取りながら、プライベートの時間も大切にできます。

大きなやりがいが得られる

ホームヘルパーの仕事は、利用者との深い関わりを通じて大きなやりがいを感じることができます。利用者が自立した生活を豊かに送れるように支援して、その喜びを共有することは他の職業では味わえない特別な経験です。

ホームヘルパーへの転職をお考えならD&Mキャリアまで

ホームヘルパーは高い専門性と深い人間性が求められる仕事です。利用者の生活を支えるという責任とやりがいを感じながら、自分自身も成長していく。そんなキャリアを求める人にとって、ホームヘルパーは理想的な選択かもしれません。

ホームヘルパーへの転職をお考えなら、D&Mキャリアへご相談ください。私たちはあなたのキャリアを全力でサポートします。

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