介護の職場　施設やサービスの種類にはどんなものがある？

「介護サービス」と一口に言っても、その施設やサービスにはさまざまな種類があります。
本記事では、数多くある施設やサービスの一部をご紹介します。

介護サービスとは

介護サービスとは、簡単に言うと、厚生労働省が用意した「介護保険制度」を利用して受けることのできるサービスのことです。
介護を必要とする高齢者を、社会全体で支えるという仕組みのもとに提供されています。

介護サービスの種類は下記の3つに分けることができます。

• 居宅サービス
• 施設サービス
• 地域密着型サービス

居宅サービス

居宅サービスとは、利用者が自宅での生活を続けながら受けることのできる介護サービスのことです。

居宅サービスは「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス」に分けられます。

• 訪問サービス：自宅に介護士が訪問し、介護サービスを提供する
• 通所サービス：利用者が自宅から施設に通い、介護サービスを受ける
• 短期入所サービス：利用者が一時的に施設に入所し、介護サービスを受ける

訪問サービス

訪問サービスには、下記のようなものがあります。

訪問介護

介護士が自宅を訪問し、生活支援を行うのが訪問介護です。
利用者の自宅で、調理・洗濯・入浴などの支援・介護のサービスを提供します。

訪問入浴介護

訪問介護サービスのうち、入浴介護のみを行うのが、訪問入浴介護です。
利用者の自宅で専用の浴槽を用いて行うのが一般的です。

訪問リハビリテーション

作業療法士や言語聴覚士、理学療法士など、リハビリテーションの専門家が、利用者の自宅を訪問し、自立支援や機能回復のためのリハビリテーションを行います。

通所サービス

通所サービスには、通所介護と通所リハビリテーションとがあります。

通所介護

通所介護は、デイサービスとも呼ばれます。
施設に通う利用者に対し、日常生活の支援や、機能の維持・向上のための訓練を行います。

通所リハビリテーション

通所リハビリテーションは、デイケアとも呼ばれます。
診療所や病院・老人保健施設に通う利用者に対し、通所介護同様、日常生活の支援や、機能の維持・向上のための訓練を行います。

短期入所サービス

短期入所サービスは、ショートステイとも呼ばれ、短期入所生活介護と短期入所療養介護に分かれます。

短期入所生活介護

利用者が特別養護老人ホームに一時的に入所し、機能訓練や自立支援などのサービスの提供を受けます。

短期入所療養介護

利用者が介護老人保健施設や病院に一時的に入所し、機能訓練や医療・看護ケアを受けます。

施設サービス

利用者が施設に入居し、介護サービスの提供を24時間受けることができるのが、施設サービスです。

施設サービスは、下記の3つに分かれます。

• 介護老人保健施設サービス
• 介護老人福祉施設サービス
• 介護療養型医療施設サービス

介護老人保健施設サービス

介護老人保健施設は省略して「老健」とも呼ばれ、回復期リハビリテーションや、看護・介護のサービスが利用者に提供されます。
原則として、3ヶ月の期間を経て、利用者は自宅へと帰ります。

介護老人福祉施設サービス

介護老人福祉施設は、特別養護老人ホームとも呼ばれます。
要介護3以上の要介護者が利用することができます。

介護療養型医療施設サービス

介護療養型医療施設は、介護保険適用老人病院とも呼ばれます。
介護療養型医療施設は、2024年には完全廃止されることが決定しています。

地域密着型サービス

地域密着型サービスは、要介護者が住み慣れた地域での生活を継続できるよう、市町村が事業者の指定や監督を行い、地域住民に提供する介護サービスです。
施設サービスと居宅サービスの中間的な立ち位置のサービスであり、主に下記のようなサービスがあります。

• 地域密着型特定施設入居者生活介護
• 看護小規模多機能型居宅介護
• 夜間対応型訪問介護
• 小規模多機能型居宅介護
• 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
• 定期巡回・随時対応型訪問介護
• 地域密着型通所介護
• 認知症対応型共同生活介護
• 認知症対応型通所介護

おわりに

介護に関わる施設やサービスの種類のご紹介をしました。
介護サービスには、さまざまな方の状態に合わせてサービスの提供ができるよう、多くの種類があります。
介護士が働く職場もあれば、医療や看護の分野に属する職場もあります。

まずは、これらサービスや施設の概要を理解し、その上で転職先を探すようにすると良いでしょう。