介護における地域密着型サービスとは？対象者やサービスの種類を紹介

介護サービスには、地域密着型サービスと呼ばれるものがあります。
こちらの記事では、地域密着型サービスとは何か、どのような種類のサービスがあるのかなどについてご説明します。

介護における地域密着型サービスとは

地域密着型サービスとは、介護保険制度で設けられた、高齢者が中重度の要介護状態になっても住み慣れた地域で生活し続けられるよう、地域ぐるみで支援していくためのサービスのことです。
地域事情・環境に合ったサービスを提供することができるよう、市町村がサービスを提供する事業所を選定・監督します。
原則として、サービスを提供する事業所と同じ市町村に住んでいて、要介護認定を受けている65歳以上の人が、サービスの提供を受けることができます。

地域密着型サービスの種類

地域密着型サービスには、以下の10種類があります。

地域密着型介護老人福祉施設

地域密着型介護老人福祉施設は、入所定員29名以下の特別養護老人ホームで、常に介護が必要な方の入所を受け入れ、機能訓練や日常生活上そして療養上の支援を提供します。施設と同じ市町村に住んでいることが利用の条件です。

地域密着型特定施設入居者生活介護

入居定員29名以下の「介護付き有料老人ホーム」「養護老人ホーム」「ケアハウス」が、食事や入浴などの日常生活上の支援、機能訓練などを提供します。

地域密着型通所介護

定員18名以下の小規模な通所介護の施設に利用者が通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などを日帰りで受けられるサービスです。

療養通所介護

がん末期患者や難病の重度要介護者など、常に看護師による観察が必要な利用者を対象としたサービスで、施設では日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などを日帰りで提供します。

認知症対応型通所介護

認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、利用定員が12名以下の通所介護施設に利用者が通います。利用者の心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護負担軽減などを目的として実施します。

認知症対応型共同生活介護

認知症の利用者が、グループホームに入所し日常生活支援・機能訓練などのサービスを受けます。1つの共同生活住居で5～9人の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送ります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

訪問介護・訪問看護が一体となり、24時間365日体制で定期的な巡回や随時通報への対応を行う地域密着型サービスです。
定期巡回、随時対応についてはそれぞれ下記の通りです。

定期巡回

事前立案した計画をもとにして、一日複数回の定期的な訪問をはじめ、緊急時の対応なども行う介護と看護のサービスです。

随時対応

ケアマネージャーや介護福祉士・社会福祉士、看護師が、サービス利用者や家族からの連絡を受けた際に、随時対応を行います。

夜間対応型訪問介護

夜間の定期巡回・利用者や家族からの連絡を受けて随時対応を行うのが、夜間対応型訪問介護です。
サービスの提供時間は、22時〜翌朝6時を含む夜間の時間帯とされており、事業所によって異なりますが、8時から18時を含めてはならないと決まっています。

小規模多機能型居宅介護

ショートステイ・デイサービス・訪問介護の3つの機能を1つの事業所が提供している地域密着型サービスで、24時間365日サービスの利用が可能です。
すでに別の事業所で介護サービスを利用している場合は、小規模多機能型居宅介護にサービスを集約するため、解約する必要があります。ケアマネージャーも小規模多機能に在籍しているケアマネージャーへと変更になります。

看護小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護のサービスに加えて、看護師などによる訪問看護のサービスが提供されます。
主治医との連携のもと、医療行為も含めた多様なサービスの提供を行うという特徴があります。

おわりに

介護が必要な高齢者になっても、住み慣れた地域で長く暮らし続けるための介護サービスが地域密着型サービスです。
要介護者と一口に言っても、必要なサービスはそれぞれ異なります。
多様な状況やニーズに対応することができるように、地域密着型サービスには多くの種類があります。
また、しっかりとしたサービス提供を行うことができるよう、各地域の市町村が選定・監督を行っています。
どの施設で働く、またはサービスを提供するにしても、一人一人に寄り添ったケアが求められていますので、サービス利用者への細かなケアをしたいと考えている方には、向いている職場であると言えるでしょう。