【医療・介護の転職】2024年の総括と2025年の展望
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転職市場は刻々と変化しており、特に医療・介護業界においては大きな転換期を迎えています。医療事務、介護、事務長といった職種では、それぞれ異なる課題や展望が浮かび上がってきています。
本コラムでは2024年の医療・介護業界における転職市場の動向を振り返るとともに、2025年の展望について解説します。
医療事務の転職市場 – 求職者獲得競争の激化
2024年の医療事務における転職市場では、求職者の争奪戦が激化する傾向が見られました。
医療機関の採用ニーズは依然として高い水準を保っており、優秀な人材の確保がこれまで以上に重要な課題となっています。
求人数の増加と背景
コロナ禍からの回復に伴い採用状況が従来の水準に戻り、多くの医療機関で採用活動が活発化しています。求人数は大幅に増加して、求職者にとっての選択肢も多様化しています。
一方で医療機関側から見ると、多くの求職者が複数の求人に応募できる状況となったことで採用の難易度は上昇しています。
診療報酬改定の影響
2024年の診療報酬改定は、訪問診療を行う医療機関に特に大きな影響を与えました。
介護施設向けの訪問診療については大幅な減算が実施されて、これを主力とする医療機関では経営環境が大きく変化しています。
クリニックの経営状況にも影響が及び、売却案件が増加する傾向も見られます。
このような状況下では採用ニーズにも変化が生じています。
訪問診療以外の診療科目が中心で経営が安定している医療機関では、引き続き積極的な採用活動を行う一方で、訪問診療への依存度が高く経営への影響を受けている医療機関では採用を抑制する動きが出てくるなど、二極化の傾向が強まっています。
2025年の展望
医療事務の転職市場は2025年もさらなる変化が予想されます。
医療機関間での求職者の獲得競争が一層激しくなる中、求職者にとっては転職のチャンスが広がると考えられます。ただし訪問診療を主とする医療機関では、診療報酬改定の影響から採用を抑制する動きも予想されます。
求職者は応募先の経営状況や将来性を十分に見極めた上で、転職活動を進めることが重要になるでしょう。
介護の転職市場 – 多様化する人材ソリューション
2024年の介護の転職市場では人材不足の継続に加えて、外国人材の活用が本格化しています。
日本人スタッフだけではなく、様々な国籍のスタッフが共に働くことが当たり前となりつつあります。
人材不足の現状
介護職員の不足は依然として続いており、2035年に向けてさらに深刻になることが予想されます。介護を必要とする人口が増加する一方で、介護職員は数万人単位で不足する見通しとなっています。
この状況を受けて、多くの介護施設では人材確保が喫緊の課題となっています。特に都市部以外の地域では人材確保がより困難な状況にあり、施設の運営にも影響を及ぼしかねない深刻な問題となっています。
外国人材の活用拡大
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2024年は介護業界における外国人材の活用に大きな変化が見られました。円安の影響により日本で働くことへの魅力が一時的に低下する場面もありましたが、それを機に人材の出身国が多様化する傾向が強まりました。
従来は中国、ベトナム、フィリピンが中心でしたが、より広い地域からの人材採用が進んでいます。
職場環境の変化
外国人材の増加に伴い、職場環境にも変化が生じています。
多文化共生の必要性が高まり、職場でのコミュニケーション方法も従来とは異なる工夫が求められるようになってきました。
また管理職には多様な文化背景を持つスタッフをまとめるマネジメント力が必要とされ、組織全体でダイバーシティへの理解と対応が進められています。
2025年の展望
2025年は外国人スタッフとの協働が当たり前の環境となることが予想されます。
すでに一部の施設では採用部門の管理職に外国籍のスタッフを起用するなど、職場での多様性は広がりを見せています。このような変化に対応するために、介護職員には異文化を理解して受け入れる柔軟性がこれまで以上に求められるようになるでしょう。
外国人スタッフの採用に消極的だった施設においても、人材確保の観点から避けては通れない課題となっていくと考えられます。
事務長の転職市場 – 変化する採用方法と新たな動き
2024年の事務長の転職市場では、従来型の採用方法に加えて新たな動きが見られました。
採用方法の変化
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2024年、事務長の採用方法は大きな転換点を迎えました。
従来は人的つながりを活用したリファラル採用が主流でしたが、この方法だけでは十分な人材確保が難しくなってきています。また長年医療業界で人脈を築いてきたベテラン世代が徐々に引退時期を迎えることで、新たな採用方法への移行が進んでいます。
その中でスカウトサービスの活用が増加しており、ハイクラス向けのサービスが活発に利用されています。
また年齢要件についても定年退職年齢の引き上げなどを背景に、柔軟な対応が見られるようになってきました。
市場動向の特徴
2024年は事務長の転職市場で大きな変化が見られました。
ハイクラス向けの転職サイトやスカウトサービスの利用が増加傾向にあり、50代半ば以降の転職希望者にもその傾向が広がっています。
医療機関側も従来の採用手法に加えて、新たな採用手段を取り入れ始めています。
2025年の展望
事務長の需要は2025年も引き続き堅調に推移すると予想されます。
リファラル採用による人材確保が難しくなる中、スカウト型採用がより一般的な手法として定着していくと考えられます。
これからの転職市場で求められること
医療・介護業界の転職市場は大きな変革期を迎えています。それぞれの職種において以下のような対応が重要となります。
医療事務
医療事務の転職では、応募先の経営状況を慎重に見極めることが重要です。診療報酬改定の影響で経営環境が大きく変化している医療機関もあるため、安定性のある職場を選ぶことが大切です。
また自分のキャリアプランを明確にして、専門性を高められる環境かどうかを判断することも重要です。
介護
介護の転職では、外国人材との協働が一般的となっています。そのため、異なる文化や価値観を持つ同僚との円滑なコミュニケーションが不可欠です。
多文化な職場が増えていく中、柔軟な考え方と対応力を身につけチームの一員として活躍できる姿勢が求められます。
事務長
事務長の転職では、市場の変化を的確に捉えることが重要です。
近年は採用方法が多様化しており、スカウトサービスの利用も一般的になってきています。しかし最も大切なのは、自分のキャリアの方向性を明確にした上で転職活動を進めることです。
年齢に関する採用基準も柔軟化している今、経験と専門性を活かせる職場を見極めることが大切です。
医療・介護の転職を支えるプロとして
D&Mキャリアは医療・介護業界に特化した転職エージェントとして、職種ごとに詳細な市場の動向や求人情報の分析を行っています。転職をお考えの方には、これまでのキャリアを丁寧にお伺いして今後のキャリアプランの策定をアドバイスいたします。
今後、医療・介護業界の転職市場はさらなる変化が予想されます。D&Mキャリアは豊富な経験と専門知識を活かして、皆様の転職活動をトータルにサポートいたします。
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