介護職の仕事の実際~イメージと現実~
「介護の仕事は体力的にも精神的にも大変そうだ」「きついイメージがある」という声を耳にします。介護の仕事にはそういった側面もあることは事実ですが、現場で働く人たちの声を聞くとやりがいを感じている人も多いことが分かります。
本コラムでは、介護職に対する世間一般のイメージと実際に介護の仕事に従事する人たちの生の声とを比較して、介護の仕事の実態と魅力に迫ります。
「暴言を吐かれるのではないか?」
介護の現場では様々な利用者と接する機会があります。時には認知症の方からの暴言に戸惑うこともあるかもしれません。
もし暴言を吐かれたら?
大切なのは、職員一人一人が問題を抱え込まないことです。責任感を持って対応しようとすることは素晴らしい心がけですが、暴言があった場合の対応については施設全体で方針を決めておく必要があります。「介護の仕事ではこのくらい当たり前」と思わずに上司や同僚に相談しましょう。組織としての課題として捉え、解決策を考えていくことで、今後の対応がスムーズになります。
「利用者の家族とトラブルが起きるのではないか?」
介護の現場では、利用者だけでなくそのご家族とのコミュニケーションも重要な業務の一つです。しかし、時にはご家族とのトラブルが発生することもあります。
トラブルの例
例えば認知症の利用者が「自分の物が盗まれた」と訴えるケースがあります。これは認知症の症状の一つとして比較的よく見られるものですが、ご家族の中にはそれを真に受けて施設側に責任を追及する人もいらっしゃいます。
またコロナ禍における面会制限をめぐっても、ご家族との間でトラブルが発生したケースがあるようです。「自分の家族に会いたい」というご家族の思いは理解できますが、それが他の利用者の感染リスクを高めてしまう可能性があることも事実です。
解決策
こうしたデリケートな問題に、介護職員一人一人が対応するのは容易ではありません。「相手はサービスを受けているお客様」であるという意識から、ご家族の要求をすべて受け入れなければならないと考えてしまうことがあります。
大切なのは施設全体で一貫した方針を持つことです。なぜそのルールが必要なのか、ご家族に丁寧に説明する必要があります。介護職員個人の判断に委ねるのではなく、施設側がしっかりとご家族に向き合う姿勢を示すことが重要だと言えるでしょう。
トラブルが発生した際は、一人で解決を目指すのではなく「この件については施設として誠意を持って対応します」という姿勢を見せることが大切です。
介護はチームワークが活きる仕事
介護の仕事は利用者だけでなく、そのご家族の思いにも寄り添う必要があります。ご家族の立場に立って物事を考えつつ、施設として譲れないルールはしっかりと伝えていくことが大切です。組織としてのサポート体制が整っていれば、一人の介護職員が問題を抱え込むことはありません。
「怪我をするのではないか?」
介護の仕事に就くにあたって、「利用者から暴力を受けて怪我をするのではないか」と不安に思う人もいるかもしれません。認知症を患っていると、様々な要因で一時的に攻撃的な行動をとる場合があります。しかし、そうした事態に備えるための対策は多くの施設で整えられています。
対策がとられている
介護施設では暴力行為などへの対応マニュアルが整備されており、介護職員が暴力に巻き込まれることがないよう対策がとられています。もしそれでも防ぐことができず利用者から暴力を受けるなどして怪我を負った場合、一人で問題を抱え込む必要はありません。上司や同僚に相談し施設全体で解決策を講じていきます。
労災がおりる
暴力に限らず、業務中に怪我をした場合は、労災保険が適用されます。治療費や休業補償などが支給されるため、個人の負担は最小限に抑えられます。ただし労災申請の手続きについては、施設側がしっかりとサポートしてくれるかどうかが重要です。
大切なのは「施設選び」
中には労災申請を渋る施設もあるかもしれません。「労災が発生すると施設の評判に傷がつく」などと考えるからです。そうした施設では職員の安全よりも自らの利益を優先しているのかもしれません。しかし施設の規模を問わず職場において労災申請を妨害することは違法行為です。介護に限らずあらゆる業種において、労働者が業務上怪我をした場合の補償は当然の権利として認められています。
介護施設を選ぶ際は、職場の労働環境や職員の安全に対する姿勢を見極めることが大切です。職員を大切にして安心して働ける環境を整えている施設であれば、前向きに仕事に取り組むことができるでしょう。
介護職の本当の姿
介護の仕事は決して楽な仕事ではありませんが、そこには様々なやりがいや喜びがあります。ここからは、実際に介護職として働く人たちの声をご紹介します。
レクリエーションで感じた喜び
レクリエーションは利用者との関係づくりに欠かせない業務の一つです。ゲームやお楽しみ会など、利用者が楽しめる企画を考えることは大切な仕事です。レクリエーションを通じて利用者の新たな一面を発見できることもあります。普段は口数の少ない方でも、レクリエーションの時間には生き生きと笑顔を見せてくれるかもしれません。そんな瞬間に立ち会えることが、介護の仕事の醍醐味だと感じる介護職員も多いようです。
介護の経験が家族の介護に役立つ
介護の現場で働く人の声を聞くと、介護の仕事で得たスキルが家族の介護に直面した時に役立ったというエピソードがあります。ある介護福祉士の人は、自分の両親の介護に直面した時のことを話してくれました。
「もし介護の仕事をしていなかったら、どうしていいかわからず慌てふためいていたと思います。しかし施設での経験があったから、どこに相談すればいいのか、どんな手続きが必要なのかが分かり、焦らずに対応することができました」
介護保険制度の仕組み、介護サービスの種類、手続きなど介護に関する知識は広範囲に及びます。こうした知識があれば家族の介護が必要になった時でも、冷静に対処できるでしょう。
夜勤で見えた利用者の一面
ある介護施設で管理者をされている人は、今でも夜勤のシフトに入ることがあるそうです。「夜勤でしか見られない利用者さんの顔があるんです」と話してくれました。
早朝、まだ薄暗い廊下に利用者が静かに集まり、そこで交わされる会話に混ざることで日頃の業務の中では聞けない話を聞けることがあったそうです。そして、「そんな日常の風景の中にこそ介護の仕事の醍醐味がある」と言うのです。
「感謝」という原動力
介護の仕事では専門的な知識や技術が求められます。利用者の日常生活を支える責任が、時に重荷に感じられることもあるでしょう。しかしその一方で利用者との何気ない日常の中に、かけがえのない感動があふれているのです。「ご飯、おいしいね」「今日は楽しかったわ」という何気ない言葉が、介護職員にとって何よりのやりがいになっているのです。
人生の最終章を彩る、かけがえのない仕事
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